中編3
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異世界人

東京の友人から聞いた話です。

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友人宅の飲み会で聞いた話。

これって計算上は数十年以上前の話になるのか。

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友人の家に居候しているボンボンが言うには異世界人は実在するのは外務省ではもう常識らしい。

彼の祖父が外務省官僚だったとかで色々聞かされたんだって。

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パラレルワールドから迷い混む人が数十年に一人位の割合で居て色々と面白い話が聞けるんだと。

例えばタルザレ国という異世界から日本へ迷い混んだ異世界人が居たらしい。

異世界人と言っても外見は普通のアメリカ人と見分けは付かない。

ただ、彼は地球上のどこにも存在しない言葉を喋っていた。

元の世界に戻る術も無いので日本語と英語を習得して表向きアメリカから来たITエンジニアだとか身分を偽って確か一時期大阪で暮らしていたらしい。

今はどこに住んでるのかは分からない。

到底信じられないと言ったらボンボンは・・・

証拠は沢山あるよ?

でもそれを世間に公開したらカルチャーショックが余りにもヤバ過ぎるので公開出来ない。

と言った。

興味を抱き

「その証拠って具体的に何?」

と聞き返してみた。

すると、えーと・・・例えば制度とか。

学校制度が根本的に違う。

と言われた。

異世界では基本的に学校は全て大人になってから通うものなんだと。

子供が幼稚園や小学校に通っている光景にまず彼は衝撃を受けたそうだ。

「そんな馬鹿な・・・大人の脳になってからじゃかなり物覚えも悪いだろうし。

それに働きながら勉強するのって大変だろ?」

それも異世界人によると洗脳らしい。

大人がそんなに物覚えが悪いならばこの世に転職なんて概念も無かった筈だ。

貴方達はテレビ報道の内容を毎朝覚えるのが苦痛ですか?

釣りやゴルフは大人は絶対に上達しないのですか?

新車が出たら操縦はそんなに難しそう?

ボンボンの祖父は異世界人にそう論破されたらしい。

ただ、

「こっちの地球の教育システムはかなり低コストに抑えられていて凄い。」

と感心していたとも。

どういう事かと言えば例えばタルザレの学校教育システムだとまず出ない落ちこぼれや不良少年の数が地球の学校ではかなり大量である事。

これによって教育の質とコストをグッと押し下げる事に成功していると呆れてもいた。

向こうには日本の様な暴走族生徒の為の学校なんて存在しない。

みんな楽しい学校ばかりなのでどんどん学校が建つ。

悪い学校つまんない学校は真っ先に淘汰される。

想像してみて下さい。

ボクシングジムに入るのに筆記試験が必要でしょうか?

ボクシングがどれだけ上手でも筆記試験に落ちたらチャンピオンベルトを剥奪されるべき?

もしタルザレの学校と競争したら地球の学校はほぼ生き残れないだろうとも。

半信半疑だったけども洗脳という言葉が気になった。

「さっき洗脳って言ったけど具体的に今の教育の何が洗脳なの?」

権力者がやってるんだとさ。

それも意図的に。

気付いていない筈が無い。

とも彼は言っていたらしい。

まるで何かを恐れるかの様に経済最優先で設計された社会だとも。

それってよくある陰謀論の話?

陰謀と言えば陰謀かも。

そいつら権力者は多分、人類じゃないのかも知れない。

地球をわざと年がら年中戦争ばっかやってる馬鹿の星にしときたい連中が居るのかも。

異世界の子供は普段何やってんの?

ゆた◯んみたいなニートばっかなの?

そう聞いてみた。

子供時代は友達と一日中スポーツとかテレビゲームとかやってたそうな。

「赤ん坊は泣くのが仕事」

じゃないけど

「子供は遊ぶのが仕事」

という諺がタルザレにはあるんだって。

最終的に彼は大阪で働きながら勉強する職場みたいな会社を立ち上げ少し昔に話題になったそうだ。

ボンボン君の祖父の話を要約するとそういう感じらしい。

また、SNSの爆発的な普及も異世界の影響では無いかと彼の祖父は推測していたそうだ。

もしかしたら近い内に異世界との交流が始まるのかも知れない。

いずれ地球人も異世界の学校に通う様になる。

もしかしたら昨今の教育の荒廃はこれを見越して地球の権力者が意図的に引き起こした文化浄化だったのかも。

そしてそれによって一番得をする勢力と言えばやはり・・・

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