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変な色の世界

聞いた話です。

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もう15年以上前の事です。

その日、玄関窓から入って来る木漏れ日におかしな違和感を感じた。

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木漏れ日が真っ赤なのだ。

玄関横の窓から家の真正面にある八百屋さんを覗いてみると思わず悲鳴を発してしまった。

店には野菜ではなく人の生首が並んでいたのだ。

驚きと共にガラケーで生首の撮影を試みるが作動しない。

もう殆ど本能的に家中の窓と扉に鍵とチェーンを掛けるとカーテンで遮光し2階の自室ベッドへと潜り込んだ。

ウォークマンを延々聞きながら現実逃避していた。

それから体感的に20時間は立て籠った。

時計を確認するとまだ3分しか経っていない事に驚いた。

確かに何時間もウォークマンを聞いていたのに。

カーテンを捲り二階の窓から外の様子を伺う。

八百屋さんには何の変哲も無いスイカが並んでいた。

良かった、あの変な色の世界から現実に戻って来れたんだ。

もう、顔は涙と汗でぐじゃぐじゃだった。

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