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短編2
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トラック

おふくろの用事で東京本社まで

オヤジと私と3人娘

東京へ行く途中でとんでもないことが・・・・

東名高速道路を走っているときに1台のトラックが遠くに前を走っていた

トラックの前後に不思議と車が走っていなかった

何か違和感を感じた

「オヤジ!あのトラックの前へ出ろよ」

「よぉし!」

オヤジはアクセルを踏み込んだ

車は一気に加速してトラックに近づいた

前をよく見ると全然車が走っていない

昼間だぞ・・・

後方はなぜか渋滞気味・・・

なんだこの光景は・・・

「オヤジ!めんどくさい!一気に抜いちゃえ」

「おっし!!!」

一気にアクセルを踏み込んだ

トラックの横に並んだ

私はふと運転席を見た

若いお兄ちゃんが運転していた

あれ・・・隣には女性?

女性らしきものが助手席にいた

彼女かな・・・

「オヤジ!もっとアクセルを踏み込め!」

「わかった!!」

トラックよりも少し前へ出た

私は見てはいけないものを見てしまった・・・・

「オヤジ!!!トラックの前へ出るな!」

「え?・・おい!今さっきは「トラックを追い越せ」と言っただろ」

「いいから!徐々にスピードを落とせ、オヤジ」

「は?・・・スピードを落とすぞ・・・」

車はトラックからどんどん離れて行った

「おい!なんだよ、「追い越せ」と言ったり「トラックの前へ出るな」と言ったり・・」

「オヤジ・・・助手席に女がいたろ?」

「いたな・・・ちらっとだけど・・・」

「助手席の女・・・透けてたぞ・・・」

「え・・・!!!・・・」

「今さっきからこのトラックを追い抜こうと何台も前へ走って行ったろ」

「今さっきも1台、すごい勢いで追い抜き路線を走って行ったな・・・」

「その車・・・トラックを追い越そうとしたら一気にスピードが落ちて・・トラックの後ろへスピードを落として本線へ戻ったろ」

「たしかに・・・不思議だと思ってたぜ」

「オヤジ・・・追い抜こうとした車の運転手は助手席のアレを見て慌てて後ろへ下がって行ったんだよ・・・見てはいけないものを見たからだ」

「俺も見たんだよ!!!この世ののもんじゃない!!!」

「パパ!!!!」

「おいおい・・・昼間だぞ・・・」

「昼間だろうが夜だろうが・・・あいつらには関係ないんだろ」

オヤジは黙ってしまった・・・車中はもうお通夜状態・・・

だから・・・トラックの前には車が1台も走っていなかったわけだ・・・

トラックはいつのまにか高速から降りて行ったらしい

「せがれ・・・あの運転手、隣にいるの気づいているのかな?」

「いや・・・あの顔は全然気づいていないよ・・・

気づいたのは追い越そうとした車の運転手だけだろ・・・」

「パパ・・・全然違うよ・・・あのトラック全体が・・・」

「え!?」

「マジか!!!!」

「だって・・・パパ・・・この区間は下りる場所はないよ・・・」

東京本社まで車中は無言のままだった

Concrete
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