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短編1
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マヨイガ

これは実体験です。

一昨日、奇妙な夢を見た。

廃墟の様なマンションを彷徨っていた。

近くの部屋のドアが不気味な音を立てて開いた。

奥は何も見えない程に真っ暗で誰も出て来なかった。

不安になりマンションを出ようとすると一人の老婆が歩いている。

幽霊か?

無視をして全く見えないフリをしてそのまま外に出ようとする。

「さようなら・・・」

老婆はすれ違い様にそう囁いた。

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昨日の出来事だ。

バイト帰りに風景の違和感に気付いた。

ある筈のモノが無い様な・・・

数秒間そこに立ち止まる。

何の変哲も無い工事現場だ。

あっ

少し前まであったDマンションが無い!

Dマンションは子供の頃に暮らしていた想い出のマンションだった。

同時に老築化による解体工事が始まっているという噂も思い出した。

大した経験はしてない平凡な人生だったが確かにDマンションで暮らしていた頃が人生で一番幸せだったと思う。

都会の真ん中に隠れていたあのマヨイガが最後に会いに来てくれたのだと思う事にした。

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