昔、転校生の子から聞いた話です。
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僕って親の仕事の都合でよく転校するんだけども片目に眼帯をした人ばかりの不思議な街があったよ。
街中みんながみんな眼帯をしてて異様に無口。
たまーに眼帯をしていない子供を何人か見掛けたけど例外無く片手にアイスピックみたいなものを持ってたな。
その街に2ヶ月位住んでたんだけど住人とは殆んど会話をしなかった。
直感的にだけど何か話したく無かった。
寂しかったけども彼等に話し掛けなくて良かったと思う。
その街を出る時に父さんと話をしたからね。
父さんの話だとあの街には2時間位しか滞在してないぞと言われたんだ。
驚きはしなかった。
ここ以外にもこういう変な街って結構あったから。
人と僕の記憶が噛み合わない事なんて別に珍しくも無いんだ。
作者退会会員