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短編2
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ロッカー

スーパーの休憩室で昼休憩をしていた時のこと。

1時間も休憩があるから昼を食べ終わると暇になる。

おれは何となくロッカーを見ていた。右端から順に名札を読んでいく。

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山田、佐藤、鈴木、と順に名前を見ていくが知った名前もあれば知らない名前もある。

そうやって見ていると一つだけ変なロッカーに気づく。お札が貼ってある真っ黒なロッカーがあった。

おれは珍しいロッカーだなぁと思いながらそれを見る。

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見ていると髪の毛がドアの隙間からはみ出ていることに気づいた。それはどんどん伸びていく。

同時にギチギチとロッカーが苦しそうにもがき始める。どうやら髪の毛が増殖して容量オーバーなようだ。

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おれはその様子を面白いなぁと思いながら眺める。

面白がられていることに気づいてか、髪の毛がおれの首元まできて首を絞めてくる。

僕はポケットからハサミを取り出し髪の毛を切った。

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今度はバーン!バーン!と中からドアを破ろうとする音が聞こえた。

お札があって出てこれんから今までずっとそこにいるんだろ?

そう思いながら様子を見る。

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また髪の毛が伸びる。首元に来たから切断する。

やれやれという感じだ。

試しに話しかけてみる。

「お前さぁ、言いたいことあんなら口にしろよ。いきなり攻撃してくるなよな」

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すると「私だって本当は口で伝えたかったよ?だけどあなたは私を裏切って離れたじゃない!」

その声は数年前に別れた彼女の声だった。

別れた理由はおれの浮気だったから申し訳なく思っている。

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「それは悪かったよ。謝る」

謝ったが相手はシクシクと泣き始める。

段々とかわいそうに思えてきておれはロッカーを開けてしまった。

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「お前誰だよ」

中にいたのは顔が完全におっさんで髪だけが異常に伸びている妖怪だった。

一気におれは引きずり込まれ中に閉じ込められた。

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今ではすっかりロッカーの住人になった。

おれは隙間から次に興味を持つ者が現れてくれるのを待っている。

Concrete
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