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長編12
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若き日の残像

時刻は零時を過ぎていた。

結婚十五周年の記念に夫婦で山形県へドライブに出かけた帰りだ。

東京から四時間程で目的の温泉旅館へ行って美味しいものを食べてのんびり過ごし、翌日は折角なので出羽三山の神社仏閣や史跡などを巡った。

そして帰宅した翌日も休みという気安さから、ゆっくりと夕食を済ませて帰路についたのはもうどっぷりと日が暮れてからだった。

しかし運悪く、東北自動車道は郡山ジャンクションで大型トレーラーの横転事故によって通行止めになっており、一旦高速を降りたものの並行して走る国道四号線も当然の如くびっしりと渋滞していた。

「このまま渋滞に並ぶよりも、山を横切って常磐道へ抜けた方が早そうだな。」

「そうね。かなり遠回りになるけど、何時間もトロトロ渋滞に並んでいるよりも走っていた方がフラストレーションも溜まらないしね。」

中学生の子供ふたりは、部活の夏合宿で家にはいない為、帰宅は何時になってもかまわない。

急ぐ旅ではなく、太平洋側へ抜ける常磐自動車道のインターを目指して山の中の一般道へと車を進めた。

山道へ入ると広域農道というのだろうか、片側一車線だが路肩にかなり余裕のある道幅の広いきれいな道路になっていた。

びっしり渋滞していたあの車は何処へ行ってしまったのだろうと感じる位に前後に走る車もなく、対向車ともごく稀にすれ違うだけであり、山の中のドライブは順調だった。

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◇◇◇◇

「あら?ねえ、あれドライブイン?」

街灯もまばらで、ほとんど建物らしい建物のない山の中で、前方の路肩に明るく照明の灯った建物が見えてきた。

速度を落として近づいてみると、四角いコンクリートの建物の中に自動販売機が並んでいる。

最近はあまり見なくなった、自動販売機だけの二十四時間ドライブインのようだ。

「ねえ、折角だからちょっと休んで行きましょうよ。」

「そうだね。」

砂利を敷いただけの駐車スペースに車を乗り入れると、出入り口の正面の明るい場所に車を停めた。

他に停まっている車はなく、建物の中には誰もいないようだ。

時折バチッと音を立てる紫色の光を放つ虫取り光電管の下を通って中へ入ってみると、壁沿いに様々な自動販売機が並び、その前にはテーブルタイプのビデオゲーム機が五台ずつ二列に並んで置かれている。

「うわっ、なんだか懐かしいわ。」

ゲーム機には電源が入っており、画面を覗いて見ると、そこにあるのはドンキーコングやブロック崩し、ギャラガ、そして脱衣マージャンゲームなど、子供の頃によく見掛けた懐かしい昭和のゲーム達であり、そのBGMも懐かしい。

令和の現在でも現役で置いてある場所があるとは思わなかった。

そして、自動販売機も飲み物だけではなく、ハンバーガーやうどん・そば、そして一番奥の片隅にはエロ本の自販機まであった。

建物自体も、自動販売機もかなり年季が入っているようであり、それが更に昭和の雰囲気を強調しているように感じてしまう。

しかし、この類の施設にありがちな放置された空き缶やゴミ、タバコの吸い殻などはなく、総じていえばきれいに管理されている。

「なんだか、タイムスリップしたみたいだわ。」

建物の中を歩きながら女房が感動したように呟いた。

「ドンキーコングやマージャンゲームなんて三、四十年前になるか?小さい頃に家族でドライブに出かけた時に寄った記憶があるな。」

「私も。お父さんがあのチーズバーガーが大好きだったの。」

そう言いながら、女房は暖かいコーヒーを買って紙コップを手渡してくれた。

「お腹は空いてない?」

「いや、お腹がいっぱいになると眠くなるからやめとくよ。」

そしてふたりでゲーム機の椅子に腰掛けると、コーヒーを飲みながらゲーム機のデモ画面を眺めていた。

懐かしいゲームBGMや打撃音、破裂音等に混ざって、うっふ~んという女の子の声も聞こえる。

脱衣マージャンゲームからであり、今改めて聞くと、艶かしいと言うよりもどこか滑稽だ。

「男の人って、なんでこんな女の子が服を脱いでいくようなゲームが好きなのかしら。」

「さあ、男の本能みたいなものじゃないか?女の子向けの男の子が服を脱いでいくようなゲームって見ないものな。」

「あら、ないことはないみたいよ。一般的じゃないのかもしれないけどね・・・あらっ?」

突然声をあげた女房の顔を見ると俺の肩越しに後を見ている。

振り向いてみたが、特に変わったところはないようだ。

「どうした?」

「いま、あっちの隅のゲーム機に若い男の人が座っていたような気がしたんだけど・・・誰もいないわ。気のせいね。」

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◇◇◇◇

「どれ、そろそろ出発しようか。この時間なら夜明け前には家に帰れるな。帰ってからゆっくり寝よう。」

空になった紙コップをゴミ箱へ投げ入れると、女房が慌てた様子で立ち上がった。

「出発する前にトイレに行ってくる。実は結構前から我慢してたの。ちょっと待っててね。」

店の奥には扉のない四角い出入り口があり、その上に”御手洗”と書かれた四角いプレートが貼られている。

ハンドバッグを手に取った女房がその四角い穴へ消えると、俺はこの後も眠くなった時の為に缶コーヒーを買おうと立ち上がった。

どれにしようかと自動販売機の前をうろうろし、エロ本の自動販売機の前まで来たのでどんな本が売られているのかと覗いて見ると、時代を感じるような粗い画質の印刷で、田口ゆ〇りや岡ま〇み等、往年のビニ本アイドルの本が並んでいる。

こんな本がまだ売られているんだ、いったい何処で仕入れてくるんだろう、と思った時だった。

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「きゃ~っ!」

突然、トイレの方から悲鳴が聞こえた。明らかに女房の声だ。

我々の他には誰もいないはずだ。俺はダッシュでトイレに向かった。

薄暗い蛍光灯の光の下、俺は躊躇うことなく女性用のトイレに駆け込んだ。

「どうした⁉」

見ると女房がスカートをたくし上げたまま、パンツを膝まで下ろした状態で壁に背中をつけ、ガタガタ震えながら立っている。

「あ、あなた!か、顔が、顔が・・・」

今にも泣き出しそうな表情でトイレの個室を指差している女房の傍に駆け寄ると、その個室へと目をやった。

しかし特に変わったところは見受けられない。この手の施設にありがちな横向きの和式便所だ。

「どうしたんだ、いったい何があった?」

「今ね、あの個室に入ったの。」

女房は、やはりひと気のない薄暗いトイレは気味が悪いと思いながらも、かなり我慢していたので急いで個室に入ったのだそうだ。

そしてパンツを下ろして勢いよく用を足し始め、ほっと一息ついた瞬間だった。

(くくくっ・・・)

という含み笑いのような声が聞こえた。

このトイレには自分以外誰もいないはず。

びくっとして何だろうと咄嗟にドアの方を向いたが、声は逆方向から聞こえている。

反対側を振り向くと、なんとコンクリートの壁から青白い男の顔がレリーフのように浮き出して、自分の方を見てにやにやと笑っているではないか。

とても用を足し終えるまで待てる状況ではない。

悲鳴を上げて弾かれるように立ち上がると、まだ出続けているのもお構いなしに、そのまま個室を飛び出したのだと言った。

確かに個室から女房が立っている場所まで床が線状に濡れている。

恐る恐る個室に近づいて中を覗き込み、女房の言った便器横の壁や周囲を見回したが何も変わったところはない。

女房が嘘をつくはずはないのだが、旅行の疲れから幻覚を見たのだろうか。

個室の棚に置いたままになっていたハンドバックを手に取ると、女房の腕を掴んだ。

「とにかく車へ戻ろう。」

「ちょっと待って。おしっこでパンツがびしょびしょなの。」

女房はそのままサンダルを脱ぎ、俺の腕に手を掛けてストッキングとパンツを脱ぐと、さすがに雫が垂れるほど濡れているために持って出るのを躊躇したのだろう、それをトイレのゴミ箱に捨てた。

「スカートで良かった。」

確かにズボンだと全部ビショ濡れになっていたに違いない。女房はそのまま急いでたくし上げていたスカートを下ろし、早く出ようと言わんばかりに俺の腕を引いた。

(くくくっ・・)

(くくくっ・・)(くくくっ・・)

歩き出そうとしたその瞬間、何処からか押し殺したような笑い声が聞こえてきた。

これが女房の言っていた含み笑いのような声か。

しかし、幾つもの声が折り重なっているように聞こえる。

思わず立ち止まってトイレの中を振り返った。

すると壁や天井、そして床にも、いくつもの顔が浮き出てこちらを見て笑っているではないか。

痩せた顔、太った顔、全て違う顔だ。

「うわ~っ!」「きゃ~っ!」

慌てて女房の腕を掴むと女性用のトイレから飛び出した。

そして四角い出入り口から自動販売機のある店舗スペースへ出ようとしたところで、足が止まった。

誰もいなかったはずの店の中に五人、いや六人の若い男達がゲーム機に向かっていたのだ。

女房の悲鳴を聞いてトイレに向かい、ここへ戻ってくるまでにほんの一、二分しか経っていない。

この連中は突然何処から湧いてきたのか。

「えっ、何?この人たち!・・・」

叫んだ女房の声に反応したのか、そこにいた全員が一斉にこちらを向いた。

長髪、そしてデニムジャケットやトレーナー、ベルボトムのジーンズ。

七十年代を彷彿とさせる連中だ。

しかし全員が青味のかった白黒写真のような顔色で、ひと目でこの世の存在ではないことが見て取れた。

そしてその連中が一斉に立ち上がり、こちらへ向かってくるではないか。

「いや~っ!」

女房が悲鳴を上げるが、俺はあまりのことに固まったまま声も出ない。

B級ゾンビ映画のような光景が現実に目の前で起こっているのだ。

しかし幸いにも彼らの動きはひどく遅く、まるでスローモーションのようにゆっくりとこちらへ向かってくる。

これなら充分逃げられる。

女房の腕は掴んだままなので、そのままガラス戸の出入り口へ走って逃げようとした。

ところが身体が動かない。

これが金縛りと呼ばれる奴なのだろうか。立ったままでも起こるとは知らなかった。

ゆっくりとはいえ、男達はどんどん迫ってくる。

女房が金縛りになっていないのなら女房だけでも逃がしたい。

そう思うのだが、女房の方へ顔を向けることもできず、彼女の様子が分からない。

声も出さず、動く様子もないところからすると、彼女も同じ状態なのだろうか。

彼らがすぐ目の前に迫ってきた。

その瞳のない真っ白な魚のような目でニヤニヤと笑いながら俺に向かって両腕を伸ばしてきたところで俺は気を失った。

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◇◇◇◇

「おい、大丈夫か?おい!」

肩を揺すられて目を開けると、目の前には作業服を着た壮年の男性が俺の顔を覗き込んでいた。

どうやら気を失って倒れていたようだ。もう外は明るい。

女房はどうしたのだろうか。

「美穂子!」

上体を起こして周りを見回すと、女房はすぐ隣に倒れていた。

「美穂子!しっかりしろ!美穂子!」

「ん・・・ん?あ、あなた!あいつらは?あのお化けは?」

目を覚ました女房は俺にしがみついて周囲を見回した。

そこは何もないコンクリートの廃墟だった。

どこへ消えたのか、あの自動販売機もゲーム機もない。

この壮年の男性は近くに住む農家の人で、畑に出かけようと軽トラを走らせていると、随分前から放置されているこの建物の前に車が停まっているのを不審に思い、立ち寄って覗いて見ると俺達が倒れていたという事のようだ。

一体どうしたのかと聞く男性に、昨夜ここで起こったことを説明すると、男性は怪訝そうな顔をした。

「ここで、そのようなものを見たという話は聞いた事がない。夢でも見たんじゃないか?」

夢ではないと反論しようとしたが、この何もない建物の中を見ると自信がなくなってくる。

俺は立ち上がってもう一度周りを見回した。

昨夜は確かに自動販売機がここに並んでおり、コーヒーだって飲んだ。

そして・・・

後ろを振り返ると記憶の通りにトイレに向かう四角い入口がある。

記憶を辿るように中へと入ってみた。

間取りは記憶にある通りなのだが、女性用トイレのドアはなく、中に入るとそこがトイレであったことがかろうじて分かる程度に、個室の壁の残骸と壊れた便器が残っているだけだ。

しかしこのレイアウトが記憶と完全に合致している以上、昨夜のことが夢であるはずがない。

ふと片隅に何かが落ちているのに気がついた。

それは女房が脱いでゴミ箱に捨てたはずのパンツとストッキングだった。

「おい、これはお前の・・・」

「あら、やだ!」

女房は慌ててそれを拾い上げたが、それはまだ湿っていた。

床を見ると、女房が使っていた個室辺りから線状に濡れた跡もはっきりと残っている。

「やっぱり昨夜のことは、夢ではなかったんだ。」

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◇◇◇◇

取り敢えず、壮年の男性に礼を述べて帰路についたが、昨夜ここに居たあの若者達は何だったのだろう。

あれだけの人数が幽霊となって出てくるとなると、この場所で大きな事件か事故があったのかと思ったが、あの男性はそんな事は聞いた事がないと言った。

ただ、この無人ドライブインが営業していた当時は、まだこの道路がしっかりと整備されておらず、山の中を蛇行しながら抜けていく道だった。

それでも対向車とすれ違うことのできる道幅は確保されており、それなりに舗装もされていたことから、当時はローリング族というのか、ドリフト族というのか、とにかく四輪やバイクを駆って走ることが大好きな若者達が毎晩のように集まっていた。

そしてそのような若者達を当て込んで、あのドライブインが建てられたのだった。

当時はそんな若者達の溜まり場となり、それなりに賑わっていたのだが、現在の広域農道が整備されると、面白味のない緩やかなカーブが続く広い道路へと変わり、若者達は運転して楽しい他の場所へと去っていったのだ。

運良く新しい道路もドライブインのすぐ横を通っていたため、しばらくは営業を続けていたがいつの間にか閉じてしまったということのようだ。

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************

「結局、あのドライブインとそこにいた若者達は、死者が蘇ってきた幽霊ではなくて、なんて言えばいいのかな・・・

その当時の彼らが持っていたギラギラした思いや欲望みたいなものが、あの場所に残ってしまっているのかもしれないね。」

ドライブインの廃墟を出て、朝の明るい日差しの中を常磐道に向かって車を走らせながら、あの壮年の男性から聞いた話から何となく感じたことを女房と話していた。

「そうね。そう考えるのが一番しっくりくるわね。でもマージャンゲームも欲望の捌け口だったってこと?」

「あはは、若い男の欲望なんてひとつじゃないさ。車、金、セックス、そんなものが大半を占めていたんだろう。女子トイレを覗いて見たいっていう願望があの顔だったのかもね。彼らの青春の残像ってことかな。」

「まったく、男ってロクなもんじゃないわね。」

女房がそう言って苦笑いした時だった。

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緩いカーブに差し掛かった目の前に、突然車高を落とした青い車が現れた。

タイヤから煙を上げて車体を横滑りさせながら、猛スピードでカーブを駆け抜けてくる。

「うわっ!」

反射的に右足が思い切りブレーキペダルを踏みつける。

ゴゴゴゴッ

激しくABSが作動する音が響く。

避け切れない、ぶつかる!

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しかし、何の衝撃も感じず、車はそのまま若干横を向いて停車した。

間違いなく青い車はボンネットのすぐ向こう側まで迫っていた。

しかし衝突する直前に消えてしまったのだ。

「な、な、何だったんだ、今のは。」

ハンドルを力一杯握りしめたまま、周囲を見回したが青い車は影も形もなかった。

カーブに入る手前で良かった。

カーブに入りハンドルを切った状態で、これだけの急ブレーキを踏んだら無事では済まなかったかもしれない。

「今のも、あのドライブインにいた彼らの欲望が見せた幻覚ってこと?」

声も出せずに両足を突っ張って体を硬直させていた女房が、ようやくこちらを向いた。

「ああ、そうかもしれないね。」

まだ心臓がバクバクしている。

俺はすぐに発進させる気にならず、車を路肩に寄せて一旦車から降りた。

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************

たった今の出来事が嘘のように、鳥のさえずりが静かな森に響き、ガードレールの向こうには広大な山の連なりが見えている。

ガードレールに腰掛けるように寄り掛かるとほっと溜息を吐いた。

「結局、すべて彼らの残像でしかない以上、物理的に危害を加えることはないのかもしれないね。」

彼らがあの場所に残した若い想い、”氣”と呼べばいいのだろうか、それが俺達の精神に作用してあのような幻覚を見せたのかもしれない。

それは幻覚を見せるだけで、見えた人間に物理的な作用を及ぼすほど、その氣は強くないのだろう。

「なるほどね。パンツも履いてない状態で気を失っている私を目の前にして、あの欲望の魍魎達が私を襲わなかったのはそういうことね。」

いやそれは単に年齢的なものじゃないかと口元まで出かかったが、こちらは物理的な作用を持ったパンチが飛んでくるのは確実なのでぐっと押し留めた。

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「そう言えば、着替えのパンツは荷物に入ってるんだろう?いつまでもノーパンでいないでさっさと履いたら?」

「あら、履いて欲しい?ノーパンも涼しくて悪くないわよ。ドキドキしちゃう?」

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何と返事をすべきなのか分からず、苦笑いを返した俺の目の前を、また青い車が轟音と共にドリフトしながら駆け抜けていった。

◇◇◇◇ FIN

Concrete
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