中編4
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一人目になってみる?

最近バイクの大型免許取ったこともあって一人でいろんな道を走って遊んでるんですよ。

僕は特に山道が好きでよく走りに行っています。

山道は登ったり下ったり曲がったり広かったり狭かったりと様々な動きが道の中であるので楽しいんです。

今日はそんな山道をバイクで走っていた時にあったことを話そうと思います

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その日は晴れで気温も高くバイクで走るにはもってこいの日でした。

山道を走っている時、僕は頭が暇だったので怖い話でも作ろうかなって思いました。

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ちょうど山道に使われているのか分からないようなバス停があったので、それを元に考えてみます。

その話は簡単で使われていないだろうバス停に女の人が立っていました。

バイクで通りかかった僕は近くに止まり、その女性に話しかけます。

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「バスが来るのを待つのは大変だろうから乗って行きませんか?」と

すると女性は「お願いします」と可愛らしい笑顔で言います。

僕は女性を後ろに乗せて走り出します。意外にしっかりしがみついてくるので胸の感触が最高だなと思いながら

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走り出してしばらくして女性に目的地を聞くのを忘れていたことに気づきました。

少し広めの待避所にバイクを止めたタイミングで

「どこまでお運びしましょうか?」と尋ねたところ

「すみません、目的地はありません」

そう言われるので僕は困りました。

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「そうですか。でも目的地が無いのになぜバス停にいたのですか?」

当然の質問をします。

「バス停にいたのではなく、いざるを得なかったのです」

「どういうことですか?どこかに行くためにバスを待ってたんじゃないですか?」

よく分からない話に困惑しながら僕は尋ねます。

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「少し長くなりますが良いですか?」

僕は女性から真実を聞きたい気持ちになっていたので「大丈夫です」と答えます。

「私は車でさっきのバス停に通りかかりました。その時にAT車なのになぜかエンストをします。車に詳しいわけでもなく一人ですから困りました。ケータイで調べようにも圏外でネットが使えません」

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「それでどうしたのですか?」

僕は話を促します。

「近くのバス停に男の人が立っているのが見えたので声をかけて助けを求めました。男の人は近くまで来てくれました。その人は車に常備されている工具を取り出して何やらカチャカチャと作業します。しばらくするとエンジンがかかり車は直りました」

「へー、それはすごいですね」

「その男性にありがとうございます。とお礼を言うと男性は『バスが中々来なくて困っているから乗せていってくれないか?』そうお願いされたのでもちろん私は乗せることにしました」

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「すると走り出して程なくして男性は変なことを言います。『君のおかげであそこから抜け出されたありがとう』と『次は君が待つ番だね』それを聞いたところで私の車はカーブを曲がり切れずガードレールを突き破って崖から落ちました」

「え?崖から落ちましたってじゃあ、、、」

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「そうです。私はもう死んでいます」

薄々そういうオチだと思ってはいましたが、いざ本当のこととなると受け入れられないものですね。

僕は女性の話は嘘だと思おうとしました。それとある怖い想像から頭を逸らしていました。

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そんな僕を女性はニコニコと見ながら最悪なことを言いました。

「次はあなたの番ですね」

男の人の代わりに今この女性はバス停に立つことになりました。その原因は男の人をバス停付近から別の場所に運んだから

それならば僕は女性を運んでしまったので次は僕がバス停に立つことになります。

つまり、、、

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「はー、これで私も成仏できますわ。ありがとうございます」

青ざめた僕をよそに女性はニコニコしながら空気の中に消えていきました。

ふわぁああぁああぁああん!!!!

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僕の背後から大きなクラクションが聞こえてきてその後どうなったかは言うまでもないでしょう。

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はい!ということでこんな感じの怖い話を作ったは良いものの。この怖い話には問題点があるんですよね。

主人公である僕が幽霊と出くわして死亡した時に、僕以外の誰もその様子を見ていないのです。

つまり、「誰がその話を他の人に伝えたの?」ってのが問題なんですよね。

死亡しているのなら他の人に伝えられねーじゃんってことです(笑)

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良い感じに怖い話できた!あ!ミスってた!みたいな感じでバイクを走らせながら一人でニヤニヤしていました。

すると「一人目になってみる?」

辺りに誰もいない山道で廃れたバス停の横を過ぎた時、どこからともなくそんな女性の声が聞こえてきました。

Concrete
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