「パパ、パパ宛に手紙が来てるよ」と楓の大きな声
楓が大声を出しながら走ってきた
「楓、走っちゃダメ、転ぶよ」
「パパ、はい、手紙だよ」と手渡してくれた
「誰だろうな・・・・」
差出人の名前を見たが全然知らない名前だ
住所もだ
ちょっと嫌な感じがした
封筒を破り中身を取り出した
手紙が入っていた
私は慎重に読んだ
何だこりゃ・・・
どうして、我が家を「お化け屋敷」と知ってるんだ
家族構成まで書いてある
私たち家族のことをよく知ってる
一体誰なんだ
私は急いでオヤジの所へ行った
「オヤジ、この手紙を読んでみろよ」
「お、手紙?・・どれ・・・はぁ?・・・なんだこりゃ!」
オヤジも驚いていた
「なんだこりゃ、ちょっとな、気色悪いぞ」
夕食時にみんなに見せた
全員が「何、これ、気色悪い」と
まだ、「お化け屋敷」、家族構成ならまだいい
この手紙には差出人の家での怪異現象が書いてあった
要は「除霊をしてくれ」と書いてあった
うちの家族は霊能者の家族ではない
ましてや得体のしれない名前も知らない奴のためになぜ「除霊」をしなきゃならないんだ
「こりゃ、無視だ、霊能者は誰一人いないぞ、なんなんだ、こりゃ、イタズラにしちゃタチが悪いぜ」
おふくろが台所から出てきた
「騒がしいわね!何かあったの?」
「おふくろ、この手紙を読んでくれ」
私はおふくろに手紙を渡した
「手紙…え…なにこれ?」
「今日、届いたんだよ」
「ちょっとね、気色悪いわね、誰なの?こんなイタズラをする人は・・・F、この手紙の封筒は?」
「あるよ、これ」
「どれ、・・・・え!・・・そんな・・・あんた!これは一大事だよ」
「どうした?」
「あんた、この人の名前、思い出せないの?」
「ん?・・・・あ・・・・・まさか・・・」
「あんた、そのまさかだよ」
「こりゃ・・・あかんぞ・・・せがれ、大至急、くそ坊主に連絡して「1時間で来い」と言え」
「え!!!無茶だろ、1時間は無理だろ!今、もう午後10時過ぎだぞ!」
「ごちゃごちゃと、スマホ、よこせ、俺がかける」
オヤジは私のスマホを強引に取った
「おい!!!くそ坊主!今からすぐに来い!!!1時間で来い!!!いいな!」
「オヤジ殿、無茶ですわい、1時間では無理ですわい!!」
「おい!コード004だ、意味はわかるだろ!」
「え!!!004・・・わかり申したわい、信号無視しながら行きますわい!!!」
コード004って何だ?
「オヤジ、コード004って何だよ?」
「は?コード004はコード004だよ、せがれ、意味は知らん方がいい」
嘘だろ!!!和尚様が1時間ほどで家に来たよ
「遅れましたわい!!オヤジ殿」
和尚様のでかい声
時計を見たら午後11時を少し過ぎていた
「とにかくぶっ飛ばしたですわい」
「遅いぞ!!くそ坊主!!!しばいてやろうか」
「そ、そんな、無茶な、普通なら1時間半はゆうにかかるですわい、これでも無茶しましたわい」
「ま・・いいや・・・とにかくよ、この手紙読め」
オヤジは手紙を和尚様に渡した
段々と和尚様の顔が険しくなっていった
「こりゃ、あかんですわい、今すぐ準備するですわい」
「そうだな、間に合うかな、急いで準備しよう」
どうなってるんだ・・・
「おい!!せがれ、何、ボケッと突っ立てるんだ、準備しろよ」
「え?準備って?」
「今から、行くぞ」
「え?どこへ?」
「どこへ?は?何ボケてやがる、封筒に書いてあるだろ」
「書いてあるけど・・・」
「せがれ、3人娘を起こしてこい、俺とせがれ、くそ坊主、3人娘でその住所の所へ行くぞ」
「行くぞって・・・何しに行くんだ?」
「は?助けに行くんだよ、早くしろよ」
「でも・・ここって・・・秋田県?え?・・・まさか・・・」
「やっとわかったか!S子ちゃんのオヤジの実家の住所だよ、その名前はその家の家主だよ、S子ちゃんを呼べ」
私は寝室にいたS子をリビングへ連れてきた
「パパ、!!どうしたんだぞ?」
「S子ちゃん、今さっきの手紙な、〇〇(義理父の名前)の実家からだった、気づかなかった、すまん、これから秋田まで急いで行ってくる」
「そうだったんだぞ、わかったんだぞ、後でパパに連絡しておくんだぞ」
「頼むぜ、もし来たけりゃ、来い、と言ってくれ。それと、せがれ、Sちゃんを家へ呼べ、留守を頼んでくれ」
急いでS君へ連絡をした
「オヤジ、S君、すぐに来てくれるって」
「わかった、3人娘たちを連れてこい」
「わかった」
仏間へ行き寝ていた3人娘たちを起こした
「パパ、眠いよ、どうしたの?」
「今さっきの手紙な、S子の実家からだった」
「ええ!ママの実家からだったの?大変だよ、パパ」
「そうだよ、急いで着替えて必要なものを持ってくるんだよ」
「うん!!!」
全然気づかなかった
義理父の実家で怪異現象が起きてるようだ
道理で「お化け屋敷」「家族構成」が書いてあったわけだ
今、義理父の実家に住んでいるのは義理父の姉夫婦だ
子供たちは東京へ出ている
この前の蔵の処分をして古文書をすべて和尚様のところへ運んだ
今は古い家屋と蔵は解体して更地になっている
姉夫婦は新しい家に住んでいる
その新しい家で先月から怪異現象が起きてると手紙に書いてあった
人の気配がする
夜中に人の声がする
昼間に誰かに見られてる感じがした
廊下を歩く音がする
などなど
私は義理父の実家へ電話をした
「夜分にすいません、Fです、手紙読みました、今からそちらへ行きます」
「おおお・・・Fちゃんかい、元気にしてたかい?S子は?そっかそっか・・・
あいつが来るのか!!よかった、和尚様と3人娘もかい、そっか
待ってるからね」
急ぎ秋田へ
とにかく遠い
もうお昼を過ぎていた
なんとか義理父の実家に着いた
「おおお!おひさしぶり!すまんのぉ・・・」
「いえいえ、手紙を読んでびっくりしました」
「手紙に書いてある通りじゃ、とにかく新しい家に引っ越して3か月目からなにか異変が起きはじめてのぉ
もうこの家は爺さんと私しかいないんで、怖くなって手紙を出したんだよ」
「おい!手紙より、電話くりゃいいだろ」
「やかましい!!電話もしたんじゃよ、どういうわけかかけたら「通話中」になってのぉ」
「え・・・通話中って・・・」
「かけたんじゃよ、Fちゃんのスマホにもな」
「ちょっと待ってください・・・・無いですね」
「いや、そんなことはない、3日前にもかけたよ」
「3日前ですか・・・無いです・・・」
「おい、本当にかけたんか?」
「あんたは本当にやかましいな、かけたんだよ」
「怪しいな」
「何が怪しいんじゃ」
「本当はかけてなくて単に手紙を送っただけだろ」
「何ということを言うんじゃ、あんたは昔から変なことばかり言う」
「変なこと?俺はちゃんと言ってるだけだよ」
「あんたは、本当に疫病神じゃ」
「何が!疫病神だ!このババァ!!!」
おいおい・・・
タタタッタタ
「え・・・何?今の音?」
「Fちゃん、どうした?」
「奥の方で足音が聞こえたような気がした」
「え・・・足音?今はじいさまは町へ行ってるから私一人だけだよ」
「じいちゃ・・・何かいる気がするよ」
「楓ちゃんもか・・・俺も感じる、誰かがいる」
「とりあえずは、おじさんおばさん、この家を一旦離れましょう、今晩泊まるホテルを予約してあるのでそこで泊ってください」
「いや・・・でもな、そのぉ、宿泊代は無いよ?」
「大丈夫、おふくろが全部出しますから」
「〇〇ちゃん(おふくろの名前)から出るんかい・・・それなら泊まるよ」
「図々しな」
「何!おまえはいつもイチャモンつけるよな」
「イチャモンじゃないぜ、文句だぜ」
「同じじゃよ」
何でこの2人喧嘩ばかりするんだろうな
「じいちゃ・・・あんまし、この家の前で喧嘩してると良くないよ」
「お、そうだったな」
「とりあえずはおじさんの所へ行こう」
「そうじゃな」
コンビニで待っててくれるように頼んだ
「なんで、じいちゃとおばさんは喧嘩するのかな、パパ」
「昔からだよ、相性が本当に悪いんだよ、オヤジの周りは相性が良い人と悪い人のどちらかなんだよな」
「そうなんだ、でもね、その相性の悪さがこの家の霊たちに影響してるよ」
「え!そうなの?」
「うん、言っちゃ悪いけど、おじさんやおばさん、あんまし仲良くないんじゃないの?」
「いや、それは無いと思うけどな」
コンビニへ着いた
おじさんが待っていた
「ありゃ、和尚様にFちゃんかい、おおお、3人娘たちもいるのかい」
「おじさん、おひさしぶりです」
「すまんのぉ、遠かったじゃろ、いろいろとな、変なことばかりおきるんじゃよ、あの家」
「手紙を読みました、とりあえずはホテルに予約がとってあるので行きましょう」
「そうだな」
ホテルへ着き予約した部屋へ入った
おじさん・おばさん夫婦と私たちの部屋
とにかくおじさんやおばさんからあの家のことを詳しく聞いた
まとめると
手紙に書いてある現象が頻繁に起きていた
「昼間でも2人でいるときでも階段を上り下りする足音や奥の部屋から人の声がする
誰かに見られてる感じがする」
「あの家はまだ新しい家ですよね」
「そうそう、まだ2年じゃよ、あの古い家と蔵を解体する前に建てたばかりだよ」
「その新しい家の土地ってたしか荒地でしたよね?」
「そうそう、荒地で前は畑だよ、畑を更地にして家を建てたんじゃ」
「畑の前はどうなっていました?」
「畑の前は・・・たしか・・・雑木林だとおもう、これは不動産屋に聞かないとわからん」
「ところで、本当に失礼なことを聞きますけれど、おじさん、おばさんは仲いいですか?」
「え・・・ま・・・仲は良いほうだとは思う、な、ばあさん」
「えぇ・・・いい方だと思うよ」
「そうですか」
何か歯に詰まったような感じの返事だな
楓の言う通りあんまし仲は良さそうには見えない
鋭いな、楓は
霊感のない私でも足音を聞いた
間違いなく何かがいる
「ところで、〇〇(オヤジの名前)、この現象を止められるのか?」
「原因を探さないとな、だからくそ坊主も連れてきた、とりあえずは除霊はする予定はあるが・・・
今はちょっとな、という感じだ」
「わしゃも除霊を視野に入れて申すわい、ですが、原因をはっきりとさせないと除霊をしても意味は無いんですわい、家に憑いているのか人に憑いているのか、原因を探して除霊をしますわい」
珍しくこの2人が躊躇してる
我が家へ電話をした
S子が出た
「おっちーー!!パパ、こっちは異常は無いんだぞ、実家の両親もいるんだぞ、パパがとても気にしてるんだぞ、
もし「何かあればすぐに行く」と言ってるんだぞ、ママはいつもの通り心配してるんだぞ、
うんうん、大丈夫、Sアニキがいるから安心だぞ、わかってるんだぞ、午後10時から朝5時までは絶対に家から出ないんだぞ、
うん、巧君たちは塾へ行ったんだぞ、午後10時前には帰ってくるはずだぞ
もし過ぎるのであれば、パパが迎えに行ってくれると思うんだぞ」
「オヤジ、S子から実家の義理両親たちは家にいるってさ」
「そっか、それなら安心だ、仏間で寝てくれればいいさ、あとな、巧君たちは仏間で寝た方がいいかもしれんな、
2階はいないほうがいいかもな、それとな、Sちゃんは廊下で寝ろ、と言っておいてくれ、廊下なら全部屋を見れるからな」
「わかった、S君にメールを送るよ」
確かに廊下にいれば全部屋が見れる
何事も起きなければいいけど
オヤジと和尚様は深夜遅くまでいろいろと話をしていた
娘たちはもう寝ていた
私も眠くなった
トントン
何か戸を叩く音がして目が覚めた
気のせいかな
明かりは小さな点灯がついていた
オヤジたちは寝ていた
時計を見たら午前3時過ぎ
他の客が間違えて戸をノックしたのかも
「おい、せがれ、今の音聞こえたか?」とオヤジが小さな声で言ってきた
「聞こえて目が覚めた」
「俺もだ」
「わしゃもです」
和尚様も目が覚めたらしい
「何となく戸の向こうに人の気配がするぜ」
「わしゃも何となくですが」
「そうなの?全然感じない」
「お前は鈍感だからな」
「あんましいい者じゃないような気がしますわい」
「同感だ、無視しろ」
トントン
「夜分すいません・・・ちょっと気になることが・・・」
「オヤジ・・・おじさんの声だ」
「シッ、静かに」
「しかし・・・」
「くそ坊主、小さな声でお経を唱えてみろよ」
「わかりもうしたわい」
和尚様がささやく声でお経を唱え始めた
しばらくすると
何か苦し気な声が聞こえてきた
「やはりな、くそ坊主、もう少しだ」
「はい」
しばらくすると苦し気な声が聞こえなくなった
「オヤジ・・・」
「シッ!まだた・・・静かに、くそ坊主、最後にそのお札を戸の方へ投げてみろ」
「わかりもうしたわい」
和尚様はお札を手にもって戸の方へ投げつけた
ウギャーーー
すごい悲鳴が聞こえた
「オヤジ!!」
「やはりな、死霊だったか」
「はい、相当な悪霊でしたわい」
「こりゃ・・・どうやら憑いてきたようだな」
「ですわい・・・やはり、あの家には相当な数の悪霊たちが集まっていますわい」
「え・・・悪霊」
「そうだよ、せがれ、あの家にはな、ちょうど、霊たちが集まる場所があって、そこに集まってる」
「オヤジ、その場所ってどこだ?」
「奥の方の台所あたりだ」
「台所・・・」
「あぁ・・・あの辺あたりに霊たちにとって大事な場所だったんだと思う、それが家が建ってその場所が無くなったんだよ、それで怒ってる」
「さようですわい、恐らく小さな祠があったはず、恐らくは500年前の祠だろうと思いますわい、由縁はわからんですわい、霊たちはそこで集まっていたですわい、いつのまにか祠がなくなり家まで建ってしまったんですわい、
それで今の家主が祠を勝手に処分したと思い込んでいますわい」
「それもだ、あの辺の土地はあんましいい土地じゃないぞ、くそ坊主の寺の周辺と同じだ
寺が建ってからある程度はいい場所になっているが基本的に同じだ、
恐らくな、江戸時代の前あたりまでは祠があったように思える、江戸時代へ入ってから祠が処分されたんだろうよ」
「さようですわい、お寺が建つ前はやせた土地で作物などほとんど育つことは無いという土地でしたわい
それで、当時の村人たちがお金を出しあい、今のお寺を建てたんですわい、それでもやはりやせた土地で、
結果的におハル・おアキちゃん家族はおハル、おアキちゃん以外は餓死してしまいましたわい」
「土地の因縁とあの家の因縁が絡んでる・・・厄介だぞ」
「せがれ、朝になったら家へ電話しろ
夜の10時以降に玄関の戸を叩く音や声がしてもすべて無視しろとな、朝の5時までだ
色々な声色を使ってくるはず、決して玄関の戸を開けるな、と言っておいてくれ
ちょうどあっちの両親も来てるから夜10時以降で家族全員がいるかどうか絶対に確認しろと言ってくれ」
「わかった」
なんか複雑でややこしくなってきた
朝になりS君に電話をして伝えた
S君も相当、動揺していた
次の朝
「あ~~良く寝れた」
「ほんとだね、何年ぶりだろ」
おじさん・おばさんが起きてきた
「昨日の晩は良く寝れたよ、静かでいい部屋だった」
「本当に静かだったよ」
朝食を済ませまたいろいろと聞いた
夜に起きた現象を2人に聞かせた
もうびっくりした顔になっていた
「まぁ・・たしかにあの辺はやせた土地だとは聞いたよ、戦後に土地改良政策で土を完全に入れ替えたんできちんと農作物は育つようになった
それ以前はいくら肥料など蒔いたところで作物はなかなか育たなかった
それとあそこの地区はあんましいい地区じゃないと他所の地区の人たちが言っていた
あそこらへんは処刑場があったという噂も聞いたよ
とにかくいい話は聞かないんだよ
あれだけはっきり怪異現象って起きるんだなと思ってる
せっかく新しく建てた家が「お化け屋敷」とはね・・・
〇〇(オヤジの名前)の家と同じになってしまったよ」
「おいおい!同じにするなよな」
「まぁ・・出来れば除霊してほしい」
「今の話を聞いているとこれはなかなか難しいなと感じましたわい
霊が1体ならなんとか、でもどうもたくさんの霊がいそうですわい
これは段階的に除霊をしないと無理かもですわい
言い方がアレですけれど家を解体して引越しをするしかないと思いますわい」
「そんな余裕は無いです・・・年金暮らしです
いくら土地はあるといっても売らないといけませんし・・・
それに新しく建てたばかりですし・・・ローンもあります
無理ですね
家を解体せずに除霊をしてほしいです・・・」
「ですわな・・・こりゃ時間がかかりそうですわい」
「くそ坊主、そんなにも時間はかけられんぞ、相手は悪霊でも相当性質が悪い
昼でもいろいろな怪異現象を起こす連中だ
必ず中核となる悪霊がいるはずだ
周りはそいつに脅迫されてまとわりついているだけだろう
今夜は試験的な感じで相手を探ろう」
「そうですわい、相手の素性がわからなければ対処ができないですわい」
「ちょっと理解できないんだけどもし相手が攻撃してきたときの対処ってあるのか?オヤジ?」
「無い、物理的に攻撃してきたらこっちは無理、こっちは生身だからな、音を出してくるとかならこっちも対処は出来る、せがれ、楓ちゃんのことを考えてるんだろ?」
「そう、オヤジや和尚様がいるから安心だけど物理的に何かしてきたら楓をまもってくれるかどうか聞いたんだよ」
「もし物理的な攻撃をしてきたら逃げるよ、無理だからな、外国みたいな物が飛んできたりしたら防ぎようがない
その時はもう家を解体するしかないだろ、物を飛ばすほど力がある証拠だからな、こっちがいくら読経や呪文をとなえたところで効くわけがない」
「そうなんですか、もしその物理的な力があるのならば諦めます、解体しましょう」
「楓ちゃんたちを連れて行くのは今夜はやめましょう、オヤジ殿」
「そうだな、危なさすぎるし、せがれと一緒に車の中で待っててもらおうか」
色々な話を聞き対策も考えて今夜にはおじさんの家で何が起きるのか
危険度はマックスと想定していつでも逃げられるように準備はした
おじさん・おばさんはホテルで待機してもらおうとしたけれどあんな怪異現象がホテルで起きたのでおじさん・おばさんも一緒に来てもらい車の中で待っててもらうことにした
さて…夜になった
ホテルを出て怪異現象の家へ
周りは雑木林で隣の家まで300メートルも離れている
何か起きてもいいように車には鍵を差し込んだ
おじさんの車と私の車
合図をしたら真っ先に逃げてほしいと頼んだ
私の車の中で娘たちはオヤジや和尚様を見ていた
「パパ、すごい霊気を感じる、あの家もそうだけどここら辺の場所も相当な霊気を感じるよ」
「そっか、怖くなったら目を閉じて寝てもいいよ、パパは車の中にいるからね」
「うん!」
「わかったんだぞ」
「パパ、少し寒いんだぞ」
「カナも寒い」
「少し寒いな、山の中だからね、お互いに体を寄せ合えば暖かくなるよ」
「うん!、パパ」
「暖っかい」
「だろ、お互いに手を取り合ってれば怖くは無いよ」
「うん」
「小さな声でおしゃべりをするといいよ」
「うん」
オヤジと和尚様は懐中電灯を持って家の中へ入っていった
隣の車ではおじさんやおばさんが家をじっと見ていた
およそ1時間ほどで血相を変えて出てきた
「あかん!あかん」とオヤジの顔は真っ青というよりガミラス人の顔色に変わっていた
「あかんですわい、ありゃ、魔物や悪魔じゃないですわい」と和尚様もガミラス人になっていた
「大丈夫か?オヤジ、和尚様」
「せがれ、あの家は完全に魔物以上の巣窟になってるぞ、俺たちの手には負えん、一刻も早く解体しないとやばいぞ」
「さようですわい、1日でも早く解体をしてほしいですわい」
「急ぎ、この場から離れよう」
私はおじさんやおばさんにホテルへ帰る旨を話をした
早急にこの場から離れた
ホテルへ到着してオヤジと和尚様は吐いた
「あんなおぞましいものは初めて見たぞ、せがれ、ありゃこの世やあの世のもんじゃないぞ、
ありゃ、異次元いやもっと次元の違う生物かもしれん、言葉が見つからん、一応な撮影はしてきたけど
見ない方がいいぞ」
「さようですわい、化け物というよりおぞましい生物ですわい」
「おいおい・・・でも見ないとわからんだろ」
「やめておけ」
「やめたほうがいいですわい」
「すこしだけ・・・」
「後悔するぞ」
私はオヤジからスマホをもらい動画を見た
数秒で私もガミラス人になった
言葉では言い現わせれない異形の怪物といえばいいのか
地球上でこんな化け物は絶対にいない
顔だが体だがよくわからん液体のようなぐにゅぐにゅして全体が波打ち両目らしきものから変な生物が出たり入ったり全体的に黒っぽい感じの灰色だ
マジで言葉では説明できない
見た方がいいけれど見たら後悔する
私も吐いた
気持ちが悪いのと天井がグルグルと回ってる感じだ
3人とも立っていられなくなりその場でうずくまってしまった
「パパ!!じいちゃ!和尚様、しっかりして」と楓の大きな声
楓が和尚様の作った薬を3人に手渡した
「薬だよ、飲んで」
朦朧としながら薬を飲んだ
だいぶ落ち着いてきた
翌日におじさんやおばさんを連れて家へ帰った
おじさんやおばさんに説明をして解体する方向へ話を進めた
というよりあの周辺を柵などで囲い周りから見えないようにするのと出入りが出来ないようにしないと
非常に危険だということも話をした
1週間後に普通の解体ではなく爆破解体を実施した
もちろん関係筋の許可をもらっての解体だ
幸いにも周辺には民家は無いのでダイナマイトを使い一瞬で家が吹っ飛んだ
すぐに後片付けをして柵を囲い出入り禁止の札を建てた
最終的には土をかぶせその上に祠を建てる予定だ
負のエネルギーが集まっていて土地はやせて悪い霊たちが集まっていた
次元の違うものまでもが来てしまっていた
半年後に祠がたち周辺の霊気も消えて清々しい空気感が漂っていた
楓やオヤジも完全に霊がいなくなったと話していた
作者名無しの幽霊
とにかく後悔をした
確かに見てはダメなもの
これ以上の説明は無理