短編2
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育成アプリ

退屈極まりない状態に追い込まれている。

もう同じ仕事を何年もやっている為、特に苦労をすることもなく単調な日々を過ごしていた。

新しく覚えることも殆どないのではなかろうか。

この先もずっと同じことの繰り返しなのだろうか。

ある意味では贅沢な悩みなのかも知れない。

食うか食われるか、明日は我が身のこの世界で、こうして無事に過ごすことが出来るのだから。

そんなことを考えながらも午前中の仕事も一段落した為、休憩所へ向かった。

既に見慣れた顔ぶれが揃っている。

お弁当を食べる人、仮眠を取る人。

皆も俺と同じような日々を送っているのかな、などと益体もないことを考える。

空いている席に座り、軽食を摂り回復を図る。

暇つぶしがてらにアプリゲームをすることにし、スマホを取り出した。

「あれ?」

画面のアイコンが左右にフルフルと震えている。

知らぬ間に長押しでもしたかな?と思い、操作するも反応しない。

確かにそれほど新しくもないが、壊れるほどか?と内心ガクッときた。

すると勝手にホーム画面がスライドされた。

背筋にゾクっと悪寒が走った。

なんで勝手に動くんだよ。

右下に今まで見たことのないアイコンがあることに気づいた。

そのマークは黒ずんでおり、何のアプリかが分からない。

こんなアプリ取ったか?と過去の記憶を思い返してみたものの覚えが全くない。

アンインストールしますか?という文字が浮かび上がる。

押してもいないのにどんどん進んでいく。

画面が徐々に暗くなっていく。

こんな現象人生で初めてだ。霊感だって全くと言っていいほどなかったのに。

「はい」という文字が選択されたようだ。

画面がプツっと消えた。

辺りを見回すと徐々に周囲の物や人が消えていく。

ちょっと待ってくれ。

いやだ、どうなってるんだ。

助けてくれ。

消えたくな・・・・・

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横から画面を覗き込んできた同僚が言った。

「あれ、そのアプリ消しちゃったの」

「あぁ、もうやること無くて飽きたから」

Concrete
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