当時私が住んでいた近くにR(地名)マンション(正式名称は謎)と呼ばれていた10階建ての建物がありました
コンクリート造りで外観はボロく、言い換えると雰囲気がある建物でした
そしてそこには、ある手順を踏むと異世界に行ける。
という言われるエレベーターがありました。
手順は全ての階のボタンを押して4分眼を瞑り、目を開けると異世界に行けるという物
異世界が具体的にどの様な所なのかはわかりません
今考えると、典型的な都市伝説に尾ひれをつけた様な話ですが当然小学生、オカルトに興味津々です
空が曇りがかっていた昼の時間
私とA.Bの3人で試してみる事になりました
Aはお調子でBは真逆の冷静タイプです
早速マンションに向かい、住民のおばさんと鉢合わせ、怪訝な顔をされましたが、エレベーターに乗り込みました。
早速全てのボタンをガチャガチャと押すA
そして眼を瞑ります
私が心の中で数え出して3分になる頃でした
Aが「おい、見てみろよこれ」と言いました
まだ4分たって無いのに何で、目開けてるんだよと思いましたがBも黙って居たので流しました
Aが指を指す先には、今何回にいるかという表示と、上下どちらに動いて居るかを示す矢印がエレベーター右上の液晶に表示されていました。
おかしい
液晶が下向きの矢印と一階という表示を出していました
普通1階→2階→3階と表示されるかその逆ですよね
ですが現在の液晶には1階→1階→1階というふうに連続して1階という表示と下向きの矢印がありました
そして今まで気にしていませんでしたが、下に降りている感覚が確かにありました
私達は全員呆然としていました。
ここには地下など当然無いし、あまりにも下に行く時間が長すぎる。本当に異世界に行くのか?そう思いました
普段騒がしいAも何も喋りません
それが2分程続きました
不意に
ピン♩
と、何処かの階に停止した時の音が響きました
扉が開くのがとても恐ろしいと感じました
扉の向こうはどこに繋がっているのか
噂どうり異世界ならどうしようかと
扉が開きました
そこは屋上でした
私とAは叫び声をあげ、Bは腰を抜かしていました
そしてこのマンションには2度と近づいてはいません
作者ガキ