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これは、私の友人(以下、友人A)が体験した話です。
どこかで聞いたことがあるような話ですが、実際に体験した人からの話は臨場感があって、背筋がぞわりとしました。皆さまにも、そんな風に感じて頂ければと思います。
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友人Aは、その日5人でドライブをしていました。
6月。雨季の真っ盛りで、大きな雨粒がフロントガラスを叩き、何となく鬱陶しい湿気が車内に充満していたそうです。運転手は、いわば≪お調子者≫というやつで…
大阪某所、他県でも有名な心霊スポットになっているトンネルへ向かおうと提案。勿論、女性陣は猛反対。しかし、ハンドルを握られている以上は、彼の運転に従わざるをえません。半強制的にそのトンネルへ車を走らせるのでした。
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そのトンネルはさほど長くはありませんが、古いこともあって、トンネル内のライトは切れたまま。
日中でも薄暗いそこは、夜になれば真っ暗です。
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«トンネルの中でエンジンを切り、
真っ暗になった状態でクラクションを3回鳴らすと、何かが起こる。»
これが、その有名な心霊スポットで幽霊に遭遇する方法の手順です。
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トンネルに到着した一行。
ですが、流石にその方法を実践するのには躊躇いがあったため、徐行運転でゆっくりゆっくりとそのトンネル内を進んで行ったそうです。
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トンネルの半分を過ぎたころ…
助手席に乗っていた友人Aが涙声で叫びます。
「早く出て!!!!!!早く!!!!早く早く早く早く!!!!」
友人Aの尋常じゃない様子に、一行は急いでそのトンネルを抜け、明るい大通りのそばにあるコンビニまでノンストップで車を走らせたそうです。
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泣き続ける彼女に、個々それぞれが話しかけます。
『どうしたん?』
『大丈夫?』
『そんなに怖かった?ごめんな…』
『怖かったでな。もうあんなとこ、行かんとこうな?』
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「みんな、気付かんかったん!!??」
そう叫ぶ友人Aに皆は首を傾げます。
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『気付く…って。別に俺は霊感とかないし…』
『うちも全然。暗くて何も見えんかったし…』
『それに雨の音もうるさかったしな?ばちばちよぉ…せやから、声?的なんも聞こえんかったでな?』
『聞こえん聞こえん。今日の雨、ホンマ酷いからな。』
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「気付いてたんやん!!!」
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トンネルの中で、
雨音が聞こえるわけが無いのです。
…何が雨の音に聞こえたのでしょうか。
作者雪-2
12話目の投稿となります。
今回は私の友人の体験を投稿させて頂きました。
皆さまは≪霊媒体質≫をご存知でしょうか?
霊感のある人、無い人問わず、霊に過度に干渉されてしまう体質。
霊媒体質は全員が持っているわけでは無く、無自覚に人に備わっているウィルスのようなものなのですが…
後に、私の友人Aはそんな霊媒体質をもつ子だと判明しました。
↓2月投稿作品リンク↓
【違和感】
http://kowabana.jp/stories/28071
【死ぬよ____。】
http://kowabana.jp/stories/28077
【赤ちゃん】
http://kowabana.jp/stories/28114
↓初投稿、処女作品リンク↓
【やってしまった】
http://kowabana.jp/stories/27969
暇つぶし程度に閲覧して頂ければ、とても嬉しいなと思います。
※駄文失礼しました。