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私が通っていた高校は、霊の噂が比較的多い学校でした。
幾つか体験した中でも、印象的だったお話を今回はさせて頂こうかと思います。
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その日は、文化祭の準備もあり校内には多くの生徒がまだ残っていました。
当時私は高校2年生で、出し物はソーラン節。
カセットテープで音出しをしながら、何度も踊りの練習をし、5回連続で身体をフルに動かせば、いい加減体力の限界が近づき、一旦休憩を取ることにしました。
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教室内で談笑をしながら残っていたクラスメイトの人数は20人強。
その他、部活動などで校内に残っていた生徒は何人いたのか分かりませんが、17:00過ぎの校内は下校時刻を迎える前とは思えないほどにざわついていました。
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学校の下校時刻は17:30。
「そろそろ帰る準備をしようか。」
クラスメイトの1人が口を開くと、皆それに同意し帰り支度を始めました。
___ピンポンパンポーン♬
下校の時刻となりました。
校内に残っている生徒は速やかに下校してください。
いつもの校内放送が流れます。
その放送を聞きながら、下駄箱へ向かっていた途中、それは聞こえました。
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___ピンポンパンポーン♬
いくよ、今行くよ。
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「…え?何今の。」
少しのノイズ音と共に聞こえた男性の声に皆足を止め、顔を見合わせます。
怪訝な顔で下駄箱の辺りに足止めをしていると、後ろから先生の声がしました。
「お前ら何やってんや。下校の放送あったやろ。はよ帰れ。」
「先生、今の放送なんですか?」
「今のって?」
「さっきの男の人の声ですよ。聞いたでしょう?」
「…?いや?知らんけど。どーでもええから帰れー。」
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私たちは、ただただ首を傾げるばかりです。
靴を履き替え、外に出ると、数名の生徒が自転車置き場にいました。
「なあ、さっきの放送聞いた?」
「下校の?」
「ちゃうよ。その後の。男の人が喋ったやつ。」
「…??」
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どうやら、その校内放送を聞いたのは、私のクラスメイトだけだったようなのです。
次の日、誰に聞いても「知らない」の一言。
結局、あの男性の声の主も、発した言葉の真意も謎のままです。
作者雪-2
おはようございます。
今日は朝から短めのお話を投下します。
一行怪談が流行っているのですが、私はどうもむいていないのか…
書いてみようと試みましたが、惨敗でした。
皆さまの文章構成力を羨みます…くう…
※実体験です。
↓2月月間ランキング3位受理作品です↓
【赤ちゃん】
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月投稿した作品は下記より↓
【ファン②】
http://kowabana.jp/stories/28299
【洞窟探検】
http://kowabana.jp/stories/28340
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。