中編3
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ファン②

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深夜、けたたましく鳴った携帯の着信音で目が覚めました。

寝ぼけまなこでディスプレイを見ると、ドラムのアキラからです。

「おい。今すぐ準備しろ。迎えに行く。」

ふざけんじゃねえ。俺様か。かっこよくねえよ。何時だと思ってるんや。

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「いや、無理やし。ふざけんn…」

その途中で通話は切られていました。

ええ、うちのドラムはリーダーなんですが、こういう奴なんです。

強引なんです。…怖いんです。

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重い身体を起こして軽く身支度を済ませつつアキラの到着を待っていると30分ほどして再び携帯が鳴りました。今度はメールです。

≪着いた。≫

溜め息を尽きながら外へ出ると、見慣れた車が家の前に止まっていました。

助手席の扉を開け、乗り込むとアキラは無言で車を発車させます。

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「ちょ、いやいやいや。どこ行くん。ってか、何。急に。」

「シンの家行くぞ。」

シンはバンドのギター担当している2人のうちの1人です。

(因みにもう1人はタクミと言いますが、今回の話にこいつは出て来ません。)

十分な説明も無いまま、シンが暮らしているアパートへ走らせた車が到着しました。

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シンの部屋の扉を開くと、1Kの狭い室内でうなだれた様にビールを飲みながら座っているシンがいました。

「あー、来てくれたんや。ありがとう。」

いつも馬鹿みたいに元気なシンが…

私とアキラは部屋へあがり、シンのそばに腰を下ろします。

「どないしたんな。アキラから連絡あって、何や分からんうちに連れて来られたんやけど。」

私の顔を見ずに時折ビールを煽りながら、シンは話し始めました。

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__俺、今日はバイトやってんな。

帰ってきて、もう0時回ってるし疲れてたし、そのまま寝たんや。

__夜中、携帯鳴ってんのに気付いて、無視しようと思ったんやけど、何回も鳴るから取り敢えず出たんや。非通知やったけど。そしたら女の声でや。

「シン君、玄関の鍵。開けっ放しじゃ危ないよ。靴もちゃんと揃えなきゃ。」って。

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玄関に目をやったシンが見たのは、いつも脱ぎ散らかしっぱなしの靴が、全てきちんと揃えて並べられていた光景だったそうです。あまりの恐ろしさにアキラに連絡をし、私にも回って来た。今回の呼び出しの理由はコレでした。

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「警察に連絡せんな。」そうは言ったのですが、

「でもな、もし連絡してや…俺が警察に連絡したって分かった時に何されるかって想像したら、怖くて出来んくてや…。だって、俺の家の鍵も持ってて携帯番号も知ってんやろ?他に何がバレてるんか…実家とか、お前らの家とか…。」というシンに何と声を掛ければ良いのか分かりませんでした。

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「取り敢えず、今日は俺の家来い。」

シンはアキラの声に頷くと、上着を羽織り、携帯と財布、タバコを持って3人で家を出ました。

アキラの車に乗り込んだ瞬間、シンの携帯が鳴りました。

____非通知。

何度目かの呼び出し音の後、ピタッと音が止みます。

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____ピロン♪

メールです。

≪シンくん。何処に行くの?行ってらっしゃい。≫

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その後、シンはすぐに引っ越しをし、携帯を新しいものに買い替えました。

何処から住所が割れてしまったのか。

何処から携帯番号を入手したのか。

どうやって合鍵を作ったのか。

そして、いつから部屋に入っていたのか。

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この話はメンバー内で今でもタブーの話になっています。

Concrete
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ゆかちん様

一応は何もなく日々を過ごしていましたが、
いつ何時…って思うと、オチオチ寝てられないですし…
一生のトラウマものですよね…

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つっきいいいいいいいい!!!!!!←

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こめちゃん

ヒトコワが一番エグイかもしれない…
何せ、本体がはっきりしてる分リアルですよね…

こめちゃんありがとう!!
ファイトやでぃ!!

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月舟様

もう、あの…つっきーって呼んでも良いですか!!??
(こめちゃんのA子シリーズより)

関西弁マジックです♬
方言って可愛いですよね!!「~だべさ。」も萌えます。
うへへ…

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