今年の春、まだ薄っすらと寒さが残る時期__
君は死んでしまった。
僕の大切な大好きな、いや愛しい彼女。
棺桶に横たわるその顔は、とても綺麗で、頬は桜色に色づいて、まるで眠っているようだ。
色づいた彼女の頬を撫で、彼女との思い出を脳内で回想した。
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___。。。
里香と出会ったのは、2年前の春。
そう、丁度こんな時期だった。
春一番の突風で飛ばされた僕のマフラーを拾ってくれたのが里香だった。
彼女を一目見た瞬間から、運命を感じた。
きっと彼女もそうだったんだろう。
僕らは出会ってから数か月もしないうちに恋人となった。
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里香は手先が器用な子で、何かとあれば僕に色々なものをプレゼントしてくれた。
手作りのお菓子。
手作りのお弁当。
手作りの携帯ストラップ。
手作りのブレスレット。
手作りの手袋。
そして、手作りのマフラー。
このマフラーが、里香から貰った最期の贈り物になるなんて。
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このマフラーをくれた時の、里香の顔。
少し恥ずかしそうに顔を赤らめて、もじもじしながらこう言ったんだ。
「私たちの出会ったきっかけは、マフラーだったでしょう?だから、私の編んだマフラーを新しい思い出として使って欲しかったの。」
僕は凄く嬉しかった。
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いつでもそのマフラーを付けて出掛けた。
大切に大切にしていた。
淡いグレーに茶色のストライプが入ったマフラー。
「売ってるモノと被っちゃ嫌だから、ちょっと凝ったデザインにしたの。気に入ってくれる?」
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なのに、なのに、なのに…
どうしてあの男は、マフラーをしてるんだ。
俺のとデザインは違うが、俺には分かる。
アレは、里香の作ったマフラーだ。
その男の隣にいる君は、僕に見せたことの無い顔で笑う。
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許せない、許さない、許してやらない。
僕たちの思い出のマフラーで新しい思い出を作ろう。
今日から、新しい僕たちの始まりだよ。
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(回想終わり)
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___。。。
10日前、女子大生【田辺 里香さん】が絞殺された事件で、容疑者である男が逮捕されました。
容疑者の名前は【田口 祐樹】。
男は女性と交際関係にあり、恋愛感情のもつれから彼女を殺害したもようです。
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またこの男性は、里香さんの実兄である【田辺 幸雄さん】も同様に絞殺。
凶器として使用されたのは二件とも共通してグレーのマフラー。
警察では、事件の詳細について、今後も調べを進めていく方針です。
___。。。
作者雪-2
たまにはこんなお話しなんて如何でしょう?
はい、はい、そうですよね。
分かってます。うわあああああああああああああああ!!!!!
創作ってなんて難しいんやクソおおおおおお!!!!
物語に出て来た人物はフィクション&仮名です。
不快に感じた方がいらっしゃいましたらお手数ですが、一報頂ければ幸いです。
直ちに改善策を取らせて頂きます。
↓4月投稿過去作品↓
【電車にて】怖19
http://kowabana.jp/stories/28533
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖40
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖40
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月月間ランキング3位受理作品↓
【洞窟探検】 怖37
http://kowabana.jp/stories/28340
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。