これは、僕、薄塩、ピザポが高校1年生の時の話だ。
季節は夏が終わり秋。
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・・・・・・・・・。
永遠にも思えた夏休みが終わり、新学期が始まった。
9月が終わり、もう10月の半ば。
皆で旅行や祭りに行ったのは昨日の事の様なのに。
季節が過ぎるのは速いものだ。
思えばーーーー
「ああぁあぁ!夏休みカムバーーーック!!」
・・・・・・。
思考に、変な声が入って来てしまった。
気を取り直して・・・。
思えばーーーー
「なぁなぁコンちゃん!コンちゃんも一緒に叫ぼうぜ!皆で呼べば本当に帰って来てくれるかも!ほら、夏休みカムバーーーーック!!!」
・・・・・・。
またか。
いいや、アホな奴は放って置こう。
思えばーーーー
「コンちゃん!コンちゃんてば!叫ぼうよ!叫ぼうよー!夏休みカムバーーーーーック!!!!」
・・・・・・。
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「じゃかあしいわーー!!!!」
怒りに任せてチョップを喰らわせる。
「やっと反応したかーー!」
「五月蝿い!!もう10月だ諦めろバカ!!」
僕のセンチメンタルな思考を邪魔しやがって!!
「どうせコンちゃんの事だから、《秋だから何かセンチメンタルな事を考えよう》とか思ってたんだろーー!!」
な ん で 考 え を を 読 ま れ て る ん だ !!
怖っっ!こいつ怖っっ!!
「だ、誰がそんなガキ臭い事考えるか!!」
「いーや考えてたね!!絶対考えてたね!!!」
「嗚呼もう!五月蝿い!!」
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「本当だよ。ちょっと落ち着け。」
突然、後ろから声がした。
薄塩だった。
頭に、ポフッと何かが置かれた。
「コンソメ、ほら、これやるから。」
手をやるとカサカサとした袋の感触。
見ると、薄荷飴だった。
・・・お菓子で簡単に言う事を聞く様な僕では無いが、確かに公衆の面前でこんなに騒いでいては迷惑だろう。
僕は、黙って薄荷飴を舐める事にした。
ミントや薄荷系の味の物は基本的に好きなので、嬉しい。
いや、だからと言って別に薄荷飴だから言う事を聞いた訳では無いが。
「ピザポ、お前も少し静かにしろな。あんまりしつこいと夏休みの女神に嫌われるぞ。」
ピザポがぶすっとして頷いた。
そして一言。
「・・・夏休みの女神って何ぞ??」
僕等三人は、揃って首を傾げた。
・・・いや薄塩、お前も分かってなかったのか。
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・・・・・・・・・。
そう言えば、薄塩は違うクラスの筈だ。
何故こんな中途半端な休み時間にこっちに来たのだろう。
学校内での薄塩はあまりアクティブでは無いと思っていたが。
・・・・寂しかったのか?
僕は聞いてみようと口を開きかけた・・・
が、薄塩が何かを差し出してきたので止めた。
薄いブルーの封筒。
「昼飯の時に渡し忘れた。二人の分のラブレターだよ。」
僕とピザポは顔をしかめた。
「すまないな。」
薄塩は、大きな溜め息を吐いた。
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世の中広しと言えども、ラブレターを貰って嫌に思う野郎は多く無いだろう。
特に妙齢で美人のお姉さまが送ってきた物ならば尚更だ。
今、僕が持っているラブレターの送り主は薄塩の姉であるのり塩ーーーー通称のり姉である。
妙齢で美人のお姉さまだ。
だがしかし、今僕は苦虫100%ジュースを飲んだ様な顔をしている。
隣のピザポも同様だ。
何故かーーーー?
答えは決まっている。
のり姉は、確かに妙齢で美人だが、それ以上に横暴で厄介、更には軽く変態なお姉さまなのだ。
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僕は大きく溜め息を吐いた。
「・・・今度は何だ?」
「取り敢えず、確実に録な事じゃないよね。」
ピザポも溜め息を吐く。
「・・・まあ、読め。」
封を破り、中身を取り出す。
水色の便箋に、青の文字。
書かれていたのは、
「今週の土曜の午前0時、○○廃中学校裏へ集合!」
の一言だけだった。
・・・全く。一言だけならメールでもlineでもいいだろうに。
資源の無駄遣いという事は考えなかったのだろうか。
僕は、また大きな溜め息を吐いた。
薄塩が、僕の方を向いて言った。
「一応、名目は《お月見》だそうだ。コンソメ、もしハズレだった時の為にお茶と茶菓子を頼む。」
僕はのり姉の目論見が外れ、この《お月見》が只の《お月見》となる事を心から願い、願掛けの意味も込めてゆっくりと頷いた。
どうか《当たり》を引きません様に。
幽霊なんて出ません様に。
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・・・・・・・・・。
そしてやって来た土曜日。
世に言う、草木も眠る丑三つ時。
僕等は家から結構な距離のある廃中学校の裏にいた。
「いやぁー。お月見日和だねー。」
のり姉が嬉しそうに言った。
空には見事な満月。
星は出ていないが、その分、月が引き立つ。
確かに絶好の月見日和だ。
もしかしたら、今日の目的は本当に只の《お月見》だったのかもしれなーーーー
「今日のターゲットは屋上から飛び降りた女の子!!気張って行こーか!!」
・・・デスヨネー。
そうだと思ってました。はい。
見ると、両隣の二人も同じ様な顔をしていた。
のり姉がまた声を張り上げた。
「気張って行こーか!!!」
「「「・・・・・・おぉ~。」」」
僕等は、溜め息混じりの返事をし、のり姉の後に続いた。
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・・・・・・・・・。
ザクザクザクザク
砂を踏む音が辺りに響く。
「それにしても、どうやって侵入するんですか?
・・・てか、これ犯罪じゃないですか?」
廃校となっていても、学校のセキュリティはそう甘くない。
この歳で警察の御世話になるのも御免だ。
のり姉はさらっと言った。
「いや、ここの屋上、皆普通に花見とか月見とか花火見物に使ってるよ?屋上だけ開放されてんのかな。イベントの時は学校の下に屋台来てたし。あ、移動は外階段使うからねー。」
・・・そうだったのか。
知らなかった。
「で、月見中に、エンドレスで飛び降りている女の子を目撃した人が出た訳ね。」
・・・そうだったのか。
知りたくなかった。
「自殺の理由はいじめだって。まぁ、ありがちだけど一番キツいパターンだよね。」
「本当ですねー。」
ピザポが同意した。
僕も何かを言おうと思った。
その時、屋上に人影があるのを見つけた。
「誰か居ます!」
女の子の様だ。
フェンスを乗り越え、屋上の端に立つ。
「え、ちょ、危ない!!」
この場合どうするべきか。
取り敢えず止めなければ!
聞こえているかは分からないが、ともかく声を張り上げてみる。
「危ないです!!止め・・・!!」
僕の大声も虚しく、女の子が屋上から落ちた。
救急車!救急車!!
のり姉が、僕の服の袖を引っ張る。
「何ですかこの緊急事態に!」
「親方!空から女の子が!!」
「バカ言わないで下さい!!」
グワシッッ
のり姉に頭を掴まれた。
「痛い痛い痛い!!止めて下さい!!事は一刻を争うんですよ!!」
グリリリリッ
無理矢理、校舎の方を向かされた。
ゴキッッ
首を上向きにさせられる。
そこには、あってはならない筈の物があった。
フェンスの外にいる女の子。
ゆらり
また女の子が飛び降りた。
後ろから、のり姉の声が聞こえる。
「ほら、耳を澄まして。」
・・・・・・・。
何も聞こえない。
「何も聞こえ・・・・・あ。」
そうか。
そういう事だったのか。
「地面と衝突して、無音だなんて有り得ないよね?」
「・・・じゃあ、あの子が・・・。」
僕が聞くと、のり姉が大きく頷いた。
・・・。
ああ。やはり、只の《お月見》では終わらないらしい。
僕は、本日中最大の溜め息を吐いた。
身体中の空気が抜けていって、頭がクラクラした。
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・・・・・・・・・。
外階段は、滑り止めのシートが引いてあったり、綺麗に掃除されていて、上りやすかった。
「ほら、ちゃんと整備してあるし、やっぱり入って大丈夫だったんだよ!」
のり姉が、何処か嬉しそうに言った。
薄塩がたまにガクッと揺れる。
「薄塩寝るな。落ちたら死ぬぞ。」
眠気覚まし用のシゲキックスを薄塩に手渡した。
屋上迄あと一階。
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・・・・・・・・・。
屋上には、一人の女の子が立っていた。
長めのスカートに、黒い髪。
まだ彼女はフェンスのこちら側にいた。
後ろを向いているので、顔は見えない。
「・・・居たね。」
のり姉が女の子に近付こうとした。
が、ピザポがそれを引き留めた。
「・・・俺、行って来ますわ~。」
・・・え?
あの三人の中ではダントツにビビりなピザポが?!
隣を見ると、薄塩もポカーンとした顔をしている。
「いいよー。行ってら。」
のり姉が右手を軽く振った。
ピザポは、女の子の方へゆっくりと進み始めた。
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・・・・・・・・・。
以下、盗み聞きしたピザポと女の子の会話。
ピザポが女の子の前に移動したので、依然として女の子の顔は見えない。
ピザポが、女の子の顔を覗き込んで話し掛けた。
「今晩はー。」
「・・・・・・。」
女の子は何も応えなかった。
「俺、ピザポ。名前、聞いてもいい?」
「・・・・・・。」
やはり女の子は何も答えない。
ピザポが、ハッとした表情で言った。
「ああ!喋れないんだね。当たり前だよね。ごめん。」
女の子が、こくりと頷いた。
それから暫く、ピザポは女の子と話をしていた。
まあ、話をしていたといっても、話していたのはピザポだけで、女の子は時たま首を縦か横に動かすだけだったけれど。
ふと、ピザポが聞いた。
「今、幸せ?」
僕は、何をバカな事を言っているんだと思った。
いじめに耐えられず自殺をし、更には死んだ後も忌々しいその場所から離れられず、何度も何度も死を繰り返す。
幸せな訳が無い。
しかし、女の子はゆっくりとそして大きく頷いた。
「そっか。飛び降りるの、楽しい?」
ピザポの質問に、女の子がまた大きく頷く。
「良かった!」
ピザポが嬉しそうに笑った。
「あ、そうだ。」
ピザポが、駆け足でこちらに戻ってきた。
僕の目の前で止まる。
「・・・え?何?どうした?」
「コンちゃん、《ハズレ》だった時の為に、お茶とお菓子用意してたよね?」
「・・・ああ。」
それを聞くと、ピザポは勢い良く両手を合わせた。
「ごめん。少し分けて!」
「え?!」
突然の頼みに慌てながらも、僕は答えた。
「いや、分けてはやりたいけど、取り敢えずそういうのはのり姉に聞いてくれないか?」
ピザポが、のり姉の方を向く。
「いいーよ。持ってたげてよ。」
聞かれる前に、のり姉は言った。
持っていたバスケットから紙皿と紙コップを取り出す。
作ってきていたお菓子を一人分ずつ乗せ、コップには紅茶を注いだ。
「・・・ほら。」
フォークをつけて手渡すと、ピザポは皿とコップを持って、女の子の元へ戻って行った。
女の子に皿とコップを差し出しながら言う。
「はい!これ、えーと・・・コンちゃん!これって何ー??」
「マロンクリームのタルトと梨のコンポート。紅茶はジンジャーティー。」
「・・・だって!良かったらどうぞ。」
女の子は、こくりと頷いて屋上の端を指差した。
「あそこに置いておけばいいの?」
ピザポが聞くと、女の子はまた頷いた。
「そう!じゃ、置いておくから、後で食べてね。・・・俺は、そろそろ行かなきゃだから。」
女の子が頷いた。
「じゃーね!」
そう言って、ピザポはこちらに戻って来た。
「お帰り。じゃ、私達も帰ろうか。」
のり姉が階段の方へ向かった。
薄塩も後に続く。
僕とピザポが一番最後に階段へ向かった。
途中で、いきなりピザポが振り返る。
僕も釣られて振り返った。
彼女は、いつの間にかフェンスの向こう側にいた。
「いい忘れてたけど、その編み込みとヘアピン、すっごく似合ってる!!」
それだけ言うと、ピザポは全速力で階段を駆け下り始めた。
ふわり、
不意に女の子が振り向いた。
その顔には、隠す様にして兎の面が付けられていた。
彼女はじっと、ピザポが駆け下りて行った階段の方を見つめていた。
僕は一礼し、その場を去った。
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ザクザクザクザク
グランドの砂を踏みながら帰る。
校門から出ようとした時、校舎の方を見ると、
ピシッッ
と女の子が手を上げていた。
そのまま、角度を付けて一気に飛び降りる。
「もう芸術の域だなwwwww」
ピザポが、楽しそうに笑った。
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・・・・・・・・・。
のり姉達を家まで送り、その帰り道。
僕は、聞いてみる事にした。
「なあ、何で今日・・・。」
「俺が適任だったからかな。」
少し前を歩くピザポが言った。
「・・・どういう意味だ?」
「もう家着いちゃうね。後で電話する。だから、帰ってても起きててよ。」
「・・・分かった。」
僕は、小さく頷いた。
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・・・・・・・・・。
電話が掛かってきたのは、僕が家に帰ってから一時間程たった頃だった。
ピロロロロロロロロ
重い瞼を必死に抉じ開けて電話に出た。
「・・・・・・もしもし。」
「あ、起きてた。もしもしコンちゃん?大丈夫?」
眠気と格闘しながら答える。
「・・・おお。大丈夫。」
「マジで?少し長くなるかもだよ。」
頭がユラユラする。
「・・・・・・大丈夫だから。はよ話せ。」
通話口の向こうで、息を吸う音が聞こえた。
そして、ピザポは話し始めた。
「あのさ、コンちゃん。
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・・・・・・・・・。
あのさ、コンちゃん。
あの子、いじめでの飛び降りって話だったじゃん?
で、のり姉って・・・何て言うか・・・。
ちょっとキツい所あんじゃん?
いやいや、別にいじめッ子て訳じゃ無くて。
なんて言ったらいいんかな。
王者の風格?見たいな。
だからさ、駄目かなーって。
うん。うん。
だねぇ。自分でもこんな度胸がある真似出来るとは思ってなかった。
でもさー・・・何か・・・ほっとけ無かった・・・んだよね?
え?
いや、別にコンちゃんに聞いてるんじゃないって。
うん。そう。まあね。
単にあの子がタイプだっただけかもだけどwwwwww
あのさ、
・・・・・・コンちゃん、こっから先、のり姉達には秘密な。
俺、あの子の気持ち分かんの。
俺も元いじめられっ子だったから。
・・・そう。うん。
いじめって結構キツいもんだぜ!
・・・・・・。
いやwwwマジでwwww信じてwww
え?どんな事って・・・。
もしかして・・・知りたいの?
・・・・・・。
でwwすwwよwwねww
うん。
今何気に本気で焦った。
聞かないでーーww
結構な黒歴史だから。
・・・んー?
あの女の子が何で幸せか?
いや・・・。
自由になれたからでしょ。
だってさー。
もう自分をいじめてくる人はいない訳だし。
開放感半端無いっしょ?
だから。
・・・・・・え?
・・・家ねぇ。
いやいや、家に帰りたくなかったから、あそこにいるんだって。
うん。
・・・・・・。
きっとさー。
あの子にとって、自分を開放してくれたあの場所こそが全てなんだよ。
痛みも苦しみも含めて自由を噛み締められるからあそこに居るんだよ。
あ、別に毎回地面と激突はしてないんだっけ。
・・・そっか。
良かった。毎回痛い目にあってる訳じゃ無いんだ。
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・・・・・・・・・。
ピザポが、ホッとした様に息を吐いた。
僕は言った。
「・・・あの子、お前の事見てたぞ。付いて来たらどうするつもりだ?」
クスリ
ピザポが小さく笑った。
「・・・連れてかれちゃうかもね。」
「お前なーー・・・。」
「・・・だからさ、もしそうなったら遊びに来てよ?薄塩達も連れて。」
・・・・・・。
面倒だなー。
こいつ。
「連れて行かれそうになったら言え。のり姉呼ぶなりミズチ様にすがるなりしてやる。」
「・・・おおー。頼むわー。」
「実は怖くてしゃーないんだろ。認めろビビり。」
ピザポが噴き出した。
「wwwwあ、やっぱりバレたwwww?」
僕は、溜め息を吐いた。
「・・・最近、分かった事があってな。ミズチ様のフィルター機能、あるだろ?」
「んー?あるなー。」
「あれ、ちゃんと人の姿ーーー多分、生前の姿だろうな。で見える時と、デフォルメされたキャラクターで見える時の二種類あるんだよ。で、その違いは一体何なんだろうとずっと思ってたんだよな。・・・それの違いが最近分かった。」
「へぇー!マジで?!」
「《死亡時の遺体の損傷具合》だよ。」
向こうで、ピザポが固まったのが分かった。
「あまり損傷していなければ、人の姿。死亡時の損傷が酷くて修復不可能な場合は、キャラクターになるみたいだ。」
ピザポは、何も言わなかった。
僕は続けた。
「あの子、身体は人の形をしていたが、顔に兎の面を着けていた。・・・と、言うことはだ。顔の損傷が酷かったって事だろう。・・・タイプだ何だと言っていたが、生前の姿が分からない位顔を損傷しているのに、タイプも何も無いだろう。・・・分かりやすい嘘を吐くな。」
ピザポは暫く黙っていた・・・が、軈て楽しそうに言った。
「・・・女の子に顔の話は礼儀がなってないよコンちゃん。」
「・・・お前なぁ。」
「せっかく自由になれたんだしさ、怖がっちゃ可哀想じゃん。異性にチヤホヤもされたいだろうし。てか、多分あんまり同年代と話せなかったと思うんだよなー。・・・あ、これ俺の経験談な。」
その後、ピザポは、今思い出した、という様な風に言った。
「あ、そうだコンちゃん。コンちゃんは褒めてくんないの?」
「・・・何を?・・・ああ。女の子に対しての紳士ぶりか。」
スマホの向こうで、ブンブンと音がした。
きっと頭を振ったんだと思う。
「違う違う!・・・俺がいじめられてた時、早まった行動しなかった事についてwww」
・・・何だそれ。
「それ、僕に褒められて嬉しいかwww?」
「俺の人生に置ける勲章だからねwwww誰に褒められても誇らしいwww」
・・・勲章ね。
「はいはい。よく生き残ったなー。偉い偉い。」
「ちょ、雑wwww」
「これからも生きてく為に、あんまり早まった行動するなよー。」
「・・・おお。」
「じゃ、お休み。今夜は背後に気を付けろよ。」
「お休みwwwちょ、何気に怖い事言うなしwwそれじゃwww」
プッッ
電話が切れた。
僕は、今度ピザポにのり姉や木葉さんも元いじめられっ子だった事を教えてやろうと思った。
大体僕と薄塩だって、学校ではぼっち気味だった。
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・・・・・・・・・。
ふとした瞬間思う。
あの屋上で、今も彼女は落ち続けているのだろうかと。
確かにそれは自由かもしれない。
辛い事からは逃げられたのかもしれない。
それはある意味、幸せなのかもしれない。
・・・それでも。
僕はあんな幸せなんて欲しくない。
ピザポや薄塩達にああなって欲しくない。
・・・きっと僕はまだまだ考えが浅いのだろう。
今が一番幸せだと思える位に。
作者紺野
どうも。紺野です。
まさかこの話をピザポがOK出してくれるとは思いませんでした。
・・・怖い話では・・・無いですね。
はい。ごめんなさい。
しかもまた話が青臭い!
亀虫か!!僕は亀虫なのか!!
本当にごめんなさい。
話はまだまだ続きます。
良かったら、お付き合い下さい。