実話なので簡単に。
この話は釣り好きの人ならばわかると思う。
自分と兄貴、父親は無類の釣り好き。
しかし父親には車の免許がなくいつも電車や自転車が移動手段でした。
そんな父親と釣りに行った時に怖いと思った話。
大阪は淀川。
そこの某大橋の下で深夜にスズキの夜釣りをしていました。
今流行りのルアーなどではなく我が家は
「釣れたヤツが一番偉い」
の精神でエサ釣りでした。
丸セイゴと呼ばれる14号の釣り針にアオイソメを数匹房掛け。
そして錘で思いっきり飛ばす。
釣り竿の先には鈴をつけてじっと当たりを待つ。
リン!
リリリリリン!
リリリリリリリリリリン!!
激しく鈴がなり竿がしなる。
父親が鋭くアワセをしてまずまずの型のスズキをゲット。
スタイリッシュなルアーフィッシングではなく泥臭いエサ釣りなのであえてシーバスとは書かずスズキで。
60cmはあったと思う。
その後も何度か当たりがあり40cm程のが数匹。
暫くすると夜が深くなってくる。
しかし自分達のヘッドライトと大橋からの灯りが明るいので怖さはあまりなかった。
だがそれなりに釣りをしていた時に怖い事が起こった。
リン!リリリン!
と鈴がなるので思いっきりアワセるのだが、、、何故かノらない。
十分に食わせている筈だが釣れないのである。
その後も
リン!リリン‼︎
リンリリリン!
と鳴り響く鈴の音に合わせ竿を思いっきりしならせるが釣れない。
そんな事が数回。
どうしても釣れないので不思議に思っていた父親がその日最後の鈴の音と当たりに思いっきりアワセると、、、
魚は釣れませんでした。
ただ25号のジェット天秤と14号の釣り針と仕掛けには無数の長い黒髪ががんじがらめに絡まっていました。
最初水草かゴミと思った父親もその黒髪まみれの仕掛けを見るや否やハサミで仕掛けを切り落とし、、、今で言えばゴミの不法投棄かもしれません。
その場で仕掛けを切り捨てて足早にその場を去りました。
父親は子供の頃火の玉を墓場で見たり墓石でドミノをするという人間でしたが流石に黒髪は気持ち悪かったそうです。
もしかしたら何度も引っ張っていたアタリは父親だから引き込まれなかったけれども、、、付いていってるだけの幼い頃の自分と兄貴なら引きずり込まれたのかもしれません。
くれぐれも夜釣りは一人では行かない様にしましょうね。
作者パグ太郎
実話です。
髪の毛気持ち悪かったです。