中編3
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狐のお面

music:4

小学2年生の夏休み、当時の友達のAちゃん、K君、Y君である奇妙なお面を見た。

いつも遊んでいた公園からちょっとした広場まで自転車に乗って来たら、電車が通る柵の前の草むらに落ちていた

sound:38

白い

狐のお面

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お面は、触ると和紙か何かで出来ていて、

表面がザラザラしていた。

お面は2枚重なっており、どちらも

全く同じ顔、同じ表情、同じ顔の部位

同じ雰囲気

それが却って不自然に感じられ、不気味に思い、一度は元に戻して、また遊び始めた。

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遊んだ後、各自昼食を食べる為、家に帰っていった。

帰って、ふと気付いた。

sound:20

お祭りなんてやってないのに、どうしてお面があったのだろうと。

昼食を食べ終わり、ゆっくりしていると

sound:16

インターホンが鳴り、インターホンのカメラから顔を見てAちゃんだと分かるとすぐに外へ行った。

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友達がいつもの公園に集まり、また遊び始めたがすぐに飽きてしまい、友達の一人であるK君は、さっきのお面をもう一度見ようと言い出し、皆で行くことになった。

数分後、広場に着くとさっきの場所にお面がない。

電車がよく通るので、紙で出来てるから飛んで行ったかもしれない。探そうということになり、探し始めるとすぐに見付けることが出来た。

やはり、電車が通る時の風で少し飛ばされていた。

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見付けたのは、Y君

お面をどうしようかと相談していると、K君が壊そうと言い始めた。

いきなり「壊す」という発言に対して驚き、Aちゃんと止めたが流石は男子。言い出すと聞かない。

何と線路に侵入し、あろうことか線路の上にお面を置いた。

彼らは、電車に壊して貰おうという魂胆なのだ。

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そんなことしたら、とんでもないことになりかねない。すぐに取ってくるように促したが、聞いていない。気味が悪いものを壊して無くそうということなんだろうか…

プアァァァァー…

sound:38

電車が来る

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あと、少しで壊れてしまう

5,4,3,2,1,0……

パッカーーーーーーーン…

お面は和紙のようなもので出来ているはずなのに、何故か、竹を割ったような音が響き渡った。

電車が通ると同時に破片が風で舞い上がる。

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破片を見るとおかしい…

あんなに飛び散るはずがない。

お面は2枚重なっているけど、そんなに沢山あるはずがない。

次の瞬間、自分の目を疑った。

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お面は、2枚だけ重なっているのではなかった。

何枚も何枚も何枚も、重なっていたのである。

同じ顔のお面が

同じ表情のお面が

同じ顔の部位を持つお面が

同じ雰囲気のお面が

電車に壊されて、風で舞い散った。

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その光景を目の当たりにした私達

あれほど、奇妙な光景は見たことがなかった。

お面を壊した本人達は、フリーズ

Aちゃんと私は、悲鳴を上げた。

その悲鳴に気付いた男子は逃げるぞ!と言い、私達は逃げ出した。

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逃げる最中に、私は背中が重くなり、うずくまってしまい、Aちゃんに支えられていつもの公園に戻って来た。

水を飲み、落ち着くと、今日は解散ということになり、そのまま帰ることに。

背中は、さっきと違って軽くなっていた気がした。

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けど、この一件が原因だったかもしれない。

私は、Hさんに会うまで、狐憑きだったのだから。

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光道 進さんへ

返信が遅くなりすいません。
光道さんの新しい作品に対しての刺激になりましたか。
それは光栄です。

作品をお見かけした際に、読ませて頂きますね。

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35年前のお面屋で働いた事を思い出しました。
昔を思い出して、新しい作品の題材になると
考えてます。
ありがとうございます。

作品がで来たら載せますね。

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