公園に、1人の老人。
時々現れて紙の束をたくさん腰にぶら下げている。
どうやらあの紙を売っているようで時々金銭と引換に紙を渡しているのを見かけた。
私は興味を惹かれ次に見かけたら購入してみようと思った。
最後に老人を見てから1ヶ月ほど経ったある日の帰り
公園にあの老人がいた。
日々の疲れで老人の事を忘れていた私だったが老人を見てすぐに
あの紙を買おうとしていたことを思い出した。
すぐに老人の元へ行き
紙を売って欲しいのだがいくらだろうか
と聞いた。
老人は
あなたが買いたいと思う値段でよろしいですよ
と言った。
少し悩んで財布の中には何故か千円札が1枚入っていただけだったので
これで良いだろうか?
と老人に問うと
おいくらでも構いません
では好きなものを1つ、お選びください
と言って自分の腰元を指さした
表紙の色の違う同じサイズの紙の束がいくつか老人の腰にぶら下がっている
私は桃色の表紙の束を手にした
すると老人が
それでいいのかい
と尋ねてきた
少し悩んだが最初手にしたものだし何よりこの桃色の表紙に何となく心惹かれたので
構いません
と答えると老人はにっこりと笑い
ではその中から好きな紙を1枚選んで下さい
そしてその紙はできる限り肌身離さずお持ちください
と言った
私はおまもりのようなものか
と思いながら適当に1枚引き抜いた
同時に目の前が真っ白になったかと思うと
老人の声が聞こえた
君はいい子だ
がんばりなさい
·
··
···
····
·····
·····
······
·······
目が覚めると白い天井が目に入った
体が思うように動かない
父が眉間に皺を寄せて何かに耐えるような顔をしている。
母が泣いている。
あまり話すこともなくなった妹も泣いている。
家族と反対側にいたメガネで白衣を着た男が
「もう大丈夫ですよ」
と言った。
母が「よかった、本当によかった」と泣いている
妹も「心配したよ。よかった」と泣いている
父は何も言わなかったが少しだけ泣いていたような気がする。
そこで俺は思い出した。
学校の帰り、河に流された猫を助けて溺れた事を。
俺が口をぱくぱくさせると母が一生懸命聞こうとしてくれた。
「ねこ…ぶじ……?」
母は
バカな子だね…
と涙をこぼしたが
妹が
「無事だったよ。今家にいるから早く退院して会ってあげてね」
と泣き顔で笑った。
今ではリハビリが終わり、以前とほとんと変わらず日常生活を送っている。
いや、変わったことはある。
家族が1匹増えた。
鼻と肉球が綺麗なピンク色だったからという理由で父が『モモ』と名付けた真っ白な猫。
そしてもう一つ。
小学生の時に祖母がくれたおまもり袋に
いつの間にか真っ白な紙が1枚
祖母に聞くとお小遣いにとこっそり千円入れておいた
と言っていた。
おわり
作者望月 優雨
どうも。望月でございます。
最近歳のせいか油っこいものを食べると胸焼けがします。
魚がおいしいです。
さて、今回の話は何となく思いついて
ワー\( ´ω` )/
っと書いただけの特に意味の無い雑な物体です。
雑すぎてオチが弱いです。
いつものことですが。
一応、十数年前に私の兄がバイクで事故って大怪我した時の理由が
「道路に猫が飛び出してきて避けたら溝にハマって大惨事になったけど猫は無事だった。そして我が家で飼った」
という話がほんのちょっとだけ元になっています。
兄は兄で運が悪いんだか悪運が強いんだかわからない人で過去回ほど死にかけているどえらい人です。
その話もいつか。
では、読んで下さってありがとうございました!!