2年くらい前のことだっただろうか。
露に連れられて、心療内科へ行った俺は、このとき自分について新たに知ったことがあった。
妹を亡くしたショックで病んでいたというのもあるが、それ以外にも気になることがあるから一度精神科へ連れて行ってくれと、俺のクソ親父から露は頼まれたそうだ。
診断の結果、俺は解離性同一性障害であることが発覚した。
解離性同一性障害とは、所謂、多重人格のことである。
俺の場合、二重の人格があり、時折それらが入れ変わるそうだ。
そして、ゼロによれば、俺の二つの人格のうち、日常的に多く覚醒している方の人格では、霊力が中途半端で、普通の霊感が強い人間と然程変わりは無いらしい。
しかし、もう一つの日常的に出る頻度の低い方の人格では、かなり強い霊力を生成できるという。
つまりこうだろう、お札のお祓いに成功する時としない時があったのは、それが関係しているからだ。
なぜそうなるのかはまだはっきりしないが、人体が心理と関係しているのならば、霊的なものも、心理と結び付く何かがあるのだろう。
作者mahiru
怖くないです。