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【都市伝説】メリーさん【亜種】

短編2
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【都市伝説】メリーさん【亜種】

wallpaper:742

夢を見ていた。

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濃い霧のかかったどことも知れない場所に、私は一人、立っている。

霧のむこうに小さな人影が見える。

遠すぎて、そして霧が深すぎて、その人影が男か女か、老人か子供かも知れない。

不意に耳元で声がした。

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『私、メリー。今、………にいるの』

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か細い声だった。言葉の一部が聞き取れない。

私はなぜか、その声が遠くの人影のものだと、なんも疑問も持たずに信じている。

そこで唐突に夢は終わった。

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………

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………

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何日か後、私はまた夢を見ていた。

濃い霧のかかった、どことも知れない場所。

霧の向こうに人影が見える。

人影は、前よりややこちらに近づいていた。

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それは金髪の、髪の長い女性だと思われた。

不意に耳元で声がした。

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『私、メリー。今、………にいるの』

相変わらず、言葉の一部は聞き取れなかった。

しかし、声は前よりわずかにはっきりと聞こえた。

そして、その声は苦し気であった。

そこで、夢は終わる。

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………

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………

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また何日か後、私はまた夢を見ていた。

濃い霧のかかった、どことも知れない場所。いつもの場所。

霧の向こうに人影が見える。

人影は、前よりさらに近づいて、それが自分と同い年くらいの少女であることが知れた。

表情は、長い金髪に隠れてわからなかった。

白い、ゆったりとした服を着ている。

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いつもなら耳元で声がするばずだった。

しかし今日は、いつになっても声は聞こえてこない。

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不意に、霧の向こうの少女がこちらに駆けだしてきた。

うつむきながら、長い髪を振り乱しながら。

ぎょっとしたが、私の足は動かない。動けない。

みるみる距離が縮まる。

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少女の姿が私の目の前にあった。

身体をくの字に曲げて、荒い息を吐いて肩を激しく上下させている。

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苦し気な息の下、少女が叫んだ。

shake

『わ、たし……メリー!私は――――――!』

夢が終わる。

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………

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………

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目が覚めると、母親が立っていた。

そして泣きながらこう告げた。

「喜んで!あなたの手術が決まったわ!ドナーが見つかったの!」

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………

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………

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………

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夢を見ていた。

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濃い霧のかかったどことも知れない場所に、私は一人、立っている。

霧のむこう、人影は見えない。

不意に耳元で声がした。

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『私、メリー。今、あなたの中にいるの』

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私は自分の身体を抱きしめた。

「うん、ありがとうメリーさん。これから、よろしくね」

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「亜種」シリーズ、面白いですね~(≧∀≦)!!

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わたしメリー、いま地球から5250光年離れた、直径23億キロmのはくちょう座v1489星という所にいるの。

光の速度でそっちに向かってるけど何年かかるかしら?

長生きしてね♪

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