――こんな夢をみた。
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一、
お笑い番組の収録中、大爆笑のスタジオで、俺の横に座った髪の長い女の客だけが、さめざめと泣いている。
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二、
おはようございます、と笑顔で挨拶を交わした近所の主婦が集積所に出した燃えるゴミの袋の中で、ガサガサと何かが動いている。
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三、
おかえりなさい、おやつは戸棚の中よ、と冷蔵庫の中から母の声がする。
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四、
真っ暗な夜空に開いた、光の穴のように見える月に、一瞬誰かの片目が映る。
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五、
テレビのドッキリ番組、「ビルから飛び降りをしようとしている仕掛け人が、地上のギャラリーの様子をカメラに収めました」に、満面笑顔の恋人が映る。
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六、
先月自殺した彼女が飼っていた九官鳥が、「私は〇〇に殺された」と俺の名前をしゃべり始める。
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七、
「うれしい、私達これから、ひとつになれるのね」と、生物合成マシンの片方のカプセルに閉じ込められた俺に、彼女が云う。
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八、
バラバラ殺人の被害者女性の頭部を発見したので交番に届けたら、お礼に1割を貰ってくれという。
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九、
お婆さんが川で拾ってきた大きな桃を切ってみると、中から赤子の骨と大量の蟲が出てきた。
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十、
40年ぶりの小学校の同窓会で、初恋の女の子に会えることを楽しみに行ったら、「そんな名字の女子はいない、そんな名字の男子ならいた、俺だ」と、目の前のハゲあがったオヤジが云う。
作者綿貫一
Glue様に続き、一行怪談を。
ルールは、
・題名は入らない
・文章に句点は一つ
・詩ではなく物語である
・物語の中でも怪談に近い
・以上を踏まえた、一続きの文章である
それでは、こんな噺を。
たはー、あと4噺で100噺!
(←Glue様すみません、いっぺん言ってみたかったもので)
『夢十夜(一行怪談)』(Glue様)
http://kowabana.jp/stories/28296