便座だけが俺に温かい。
深夜2時頃だっただろうか、俺は大学に入ってからと今日の出来事を振り返りファミマのトイレの個室で嘆いていた。
俗に言うV系と言われるアーティストに心酔していた俺は、入った大学にV系専門の軽音サークルがなかったため設立したが、、
それはもう変な人の集まること集まること
サークルクラッシャー
出会い厨
は当たり前に在籍し、その他口に出すにもおぞましい(面白い)変わった人物が集ってしまっていた。
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もう疲れたな
色々な意味での変態達を会長としてまとめることに俺は嫌気を感じ始めていたが、極めつけは今日の出来事。
新しく入ってきた子に告白されokしたのだが、翌日その子は元カレとよりを戻し、なかったことになった。
(なぜいきなりの告白を俺が受け入れたのかは、その子の色々な過去、境遇を聞いていてほっとけなかった、危なっかしかった、断ったら殺されそうだった等があるが長いので省略)
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そんなことがあって今日の俺は一層ブルーだった。
ファミマで煙草とコーヒーを買い店を出る。
店の前の灰皿でいつものように一服してから帰ることにした。
このセブンスターとコーヒーと便座だけが俺を癒してくれる
そんなしょうもないことを考えながら一服していた時
向こうの方から中年女性が近づいていた。
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だが何やら様子がおかしい。
多分あまりいい表現ではないが精神病患者だろう
そう思った。というのも、俺の家から徒歩二分にこのファミマがあるのだが、さらにこのファミマから三分ほど歩いた近いところに、大きめの精神病院があったからだ。
そのためここらへんで、変な人が深夜徘徊するのは珍しくない。
俺は特に気にせずもう1本に火をつける。
が
「たばこくれませーん??」
その怪しいおばさんが俺にそう話しかけてきた。
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まてまて
話が変わってくる。予想外の会話に俺は多少気味の悪さを感じながらも特に何もしてくる気配がないので
「どうぞ」
1本素直に手渡した。
だがおばさんは受け取るも吸う気配がない。視線を泳がせながら渡した煙草をニギニギしていた。
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変なおばはんだな
そう感じた俺は一刻も早くこの場を離れたかったが学生にとって煙草一本の価値は重く、吸っているのを最後まで吸うまで、おばはんとのひと時を我慢することにした。
「お疲れ様やねえ
今日はいい天気やねえ」
その間おばはんは俺にしきりに話しかけてきた。
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今は深夜やぞ?いい天気も糞も真っ暗やないか
とか思いながらも指摘せず俺は適当にはあ、まあ、とかいった感じで相槌を打っていた。
そうこうしてる間に煙草を吸い終わった。
「じゃあ、俺帰るんで失礼します」
この奇妙な時間からの解放に歓喜しながらそう言い放ち俺は早々に早歩きで自宅に向かおうとした。
「煙草くれませーん??」
笑いながらまたそういってきた。
お前にぎにぎするだけで吸わんやん!とかツッコミたかったがそれよりもまず恐怖し怖くなって帰り路を駆けた。
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巻いたか?
ファミマからそれなりに離れた場所に着いたとき
あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
後ろから爆笑。ほんともう爆笑の声が聞こえた。
振り返るまでもない。あのおばはんだ!
一気に寒気を感じた俺はあと少しのとこにある自宅にダッシュした。
強引にドアを閉め二重ロックをかける。
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あひゃひゃひゃひゃひゃ
尚も響く笑い声
その笑い声が自宅の前でピタッと病んだ。
すると
今度はドアをドンドンドンドン
豪快に叩いてきた。
恐怖よりもだんだん腹がたってきた俺は
「ええかげんにせえよ!クソババア!!」
ドアに向かってついに吠えた。
こんな大きな声を出すことなどライブ以外ではない。それほど大きな声を出した。
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するとしばらくはまだドアをたたいていたが、時間がたって音は消えた。
おばはんがどっかに入ったかと思った俺は落ち着くために外で煙草を吸おうとした。
母と二人暮らしなのだが、家の中では禁煙だった。
俺は念のためドア前の明かりを点けドアの穴からおばはんがいないか覗いてみた。
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うわっ、、
俺は思わず声を上げた
「たばこちょうだいよ」
おばはんと目が合い確かにそう言われた。
無表情だった。
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その日からおばはんに遭遇することはなくなったが、それからしばらく家の前に居るか居ないか確認してから煙草を吸いに出るようになった。
今思い出しても気持ち悪い話である、
作者キャトラ
実話なのでめっちゃ怖い話とかではないですが、個人的にかなり気持ち悪かった出来事です。
この話に限っては誇張しているとこは一切なくて全てノンフィクションです