「くねくね」という都市伝説はあまりに有名だ。
ネットで「くねくね」とか「見ないほうがいい」と検索すると
直ぐに見つかる。
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僕も、初めて読んだときは、
無性に恐怖を感じたのを覚えている。
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実際にありそうなリアリティと、
得体の知れない不気味さに、
何日間もその恐怖が
頭から離れなかった。
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そんな「くねくね」だが、
今更ながら僕の学校で
流行っている。
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ある日のこと。
「この状況を利用して、
学校のみんなを驚かせてやろう」
僕の遊び心に火が点いた。
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僕は、そのイタズラを実行するために、
仮病を使って学校を休んだ。
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正午過ぎ、
家を抜け出した僕は、
抑えきれないワクワクを胸に、
学校へ向かった。
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前の晩、
シーツを加工して作った
真っ白な布の袋を持って…。
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グラウンドを挟むようにして、
校舎の反対側の茂みに身を潜めた僕は、
5時間目の始業のチャイムが鳴るのを待った。
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僕が考えたイタズラというのは、
くねくねに変装して、
みんなを驚かせてやろうという、
至極単純なものだ。
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イタズラの最中、
誰かが近寄って来てしまっては、
せっかくの計画が台無しだ。
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だが、この時間は、
グラウンドでの授業が無いことは
下調べ済みだ。
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この場所は校舎から
100メートル以上離れている。
「校舎から見れば、
きっとくねくねそのものに
見えるぞ」
僕の心は踊った。
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茂みの中で、
白い布の袋を頭からかぶり
準備は万端。
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そろそろ頃合いだと感じた僕は、
頂点に達したワクワク感を爆発させ、
グラウンドへ飛び出した。
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くねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね
くねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね
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僕は、自分の思い描いていた
くねくねのイメージを
全身で表現した。
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「校舎から見れば、
さぞかし本物のくねくねに
見えるに違いないだろう」
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布に開けた小さな覗き穴は、
周囲の様子こそ見えないが、
真正面にある校舎の様子は
見ることができた。
案の定、学校全体が騒がしくなってくるのがわかった。
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「キャーーーーー!!!!!!」
「なんだあれは!?」
「くねくねじゃないのか!?」
「ヤバイぞ!!見ちゃダメだ!!」
「どうした!?授業に集中しろ!!」
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遠く離れたこの場所にも、
学校がパニックになっている様子が
伝わってくる。
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イタズラは大成功のようだった。
僕の興奮と喜びは最高潮に達した。
「これがどんな噂になるか、
明日、学校へ行くのが楽しみだ!!」
・・
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《《その頃、学校にて》》
「なんだアレ!?」
「くねくねじゃないのか!?」
「マジで!?」「ホントだ!!」
「おい!!見るな!!」
「やべ~ぞ!!気ぃくるっちまうぞ!!」
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グラウンドに面したクラスでは
授業は崩壊。
生徒たちどころか、先生たちまで、
突如現れたくねくねに
目が釘付けになる。
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「あれってくねくねだよな?」
「スゲ~!!初めて見たぜ!!」
「マジで実在したとはな!!」
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「しかも、同時に2匹もだぜ!!」
「あっ!?片方が、もう片方とくっついた」
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「っていうか、飲み込んだ………のか?」
「あっ!?………消えた………」
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作者とっつ
都市伝説がらみの投稿が多かったので、僕も便乗してみました。