まぁ・・・先週のあのお盆は一体なんだったのか・・・
今思えば完全にやつらのおもちゃにされていたということだ
まさか・・・あのオヤジが・・・悪霊そのものだった
生れた時から悪霊に憑りつかれ
数々の悪事を働いてきた・・・というか生まれつきで悪人というのもかわいそすぎる
(個人的には、やはりな、と思ってた。息子に対してあんな暴言を平気で言う親はいないはずだから)
さて・・・帰ってきてから1週間後に・・・やはり子供たちの行動が怪しくなった
今まで4人は喧嘩をしても翌日には仲直りしていたのに5日前からの喧嘩は今日も続いていた
とくに末娘の葵に対するいじめはひどくあの楓さえ葵を攻撃していたのだ
私はこの4人組を引き離すことにした
2人の兄たちはS子の実家へしばらく預かってもらった
楓はおふくろの実家に預かってもらった
もちろん葵はそのまま我が家に
私はすぐに住職に電話をして事の成り行きを説明をした
どうも私たちはまんまと罠にかかったようだ
住職もこれは私の修行不足と読みが浅かったことが原因だと言って
私たちの家へ直接住職夫婦が来ることになった
S子もこの光景を見て私は初めてS子の泣いた姿を見た
S君には2人の兄弟の様子を何かあれば知らせてくれるように頼んだ
しかし・・・引き離したのが良かったのか・・・お互いに喧嘩をせずに大人しくしていて兄弟仲良くしているとのことだ
おふくろの実家に預けた楓も普段通りの楓に戻っていた
しかし・・・末娘の葵はとにかく行動がおかしい
大きな声で騒ぐ・わめく・大泣きする、とても今までの葵ではない
完全に何かが葵に憑りついている
さすがの能天気S子もタジタジ
「おっちーー、葵ちゃん、どうしたんだよ、そんなに泣かなくてもいいんだよ」
「あたちーー!!!イターーイ!!!ママ!!アツイーー!!おててがアツイヨーーー」
とわめいたりさけんだりとこっちが見てる方もつらくなる
原因がさっぱりわからない
葵の手には赤く腫れあがり熱を持っていた
もちろん病院へ連れて行った
でも医者からは原因がわからないと言うばかり
ウィルスが傷口から入ったんじゃないかと疑ったのだが病院からはウィルスの菌が見つからないと言う
どんどん葵の体がやせ細っていく
たった1時間でこんな姿になるのかというくらいだ
全て私の責任だ
子供たちを巻き込んでしまった
一家全員で「お盆」をしなければよかった
おふくろもおやじも心配そうに葵を見ていた
とくに親父は葵を一番かわいがっていたから
とうとう葵が倒れた・・・・
すぐに布団に寝かせた
「アタチ・・イタイアツイ・・オテテ・・」とうわ言を発している
早く住職さんたち来てくれ
葵の手をみると青白い色に変わっていた
はじめてみる色だ
体がどんどん細くなっていく
どうなるんだ・・・葵は死んじゃうのか・・・
葵の呼吸がどんどん浅くなってきてる
携帯が鳴った、住職さんからだ
もうすぐ家に着くと連絡が来た
葵・・・がんばれ・・・住職様が助けてくれるぞ
「パパ・・・アタチ・・・ツカレタヨ・・天国でオハルちゃんがヨンデルョ・・・」と
か細い声で私に話しかけた
ピンポーンと玄関のドアホンが鳴った
「住職です!!!遅くなりましたわい」と住職のでかい声が響いた
私はすぐに葵の元へ住職を案内した
「こりゃあかんですわい・・・この薬を飲ませてあげてくだされ
・・こりゃ・・・あの時の悪霊が憑りついていますわい
まんまとはめられたわい・・・パパさん、すまんですわい
油断したんですわい
今からこの部屋の中を結界をひくためにお経をあげますわい」
と数珠を手に持ち大きな声でお経をあげはじめた
私は葵の手を握ったまま葵の青白い顔になった表情を見つめていた
おふくろとおやじとS子は隣の部屋で様子を見ていた
S子は完全に体が震えていた
あのおやじでさえじっと耐えていた
「俺のかわいい孫娘だ、悪霊め、俺がやっつけてやる」と声を荒げていた
およそ1時間ほど
葵も落ち着いてきたようだ
呼吸も楽になってるようだ
相変わらず住職は大きな声でお経をあげていた
私は葵に
「パパだよ、聞こえるかい?住職様が来たんだよ」と小さな声でつぶやいた
「パパ・・・パパ・・・どこ?アタチ・・・」とうわ言を言っていた
2時間ほど過ぎてから
葵の顔色がどんどん良くなってきた
葵の手も普通の色に戻ってきた
「結界を張りもうしたわい
これで外部から・・・この部屋いやこの家全体を結界の中にいれもうしたわい
時間がかかってしまったけれどこれでひと安心
あとは葵ちゃんの体の中にいる3体の悪霊を追い出しますわい
1体ことに成仏させますから時間はかかりますわい
今夜が峠ですぞ
あとは葵ちゃんの体力がどこまで持つかで決まりますわい
昔のS子ちゃんみたいにがんばってくれればいいですわい
まずは皆さん少し休憩をしてくだされ
徹夜になりますから仮眠をとれるならとったほうがいいですわい
今夜から明日のお日様があがるまでこの家から絶対に出てはいけませんぞ
親父様は葵ちゃんの手を握っててほしいですわい
親父様の悪霊を利用しますわい、いいですかな」
「ぼうず、俺はいいけど・・・その悪霊というか俺は悪霊じゃないぜ」と文句を垂れた
「いやいや、親父様はお釈迦さまや閻魔様からのお墨付きの悪人ですわい
ですから親父様の悪霊と葵ちゃんに憑りついている悪霊を戦わせるんですわい
恐らく親父さんの悪霊は3体分に匹敵すると思いますわい
あとは葵ちゃん・・いやオハルちゃん達が助けてくれるはずですわい
お経をあげてるときにオハルちゃんから声を聞きもうしたわい
とくにタロウ兄ちゃんが一番心配してるそうで全面的に戦ってくれるといってもうしたわい
」と住職は自信満々にみんなに説明をした
戦いは午前0時を回ったときに葵の体の中にいる悪霊が暴れだすはずだと住職は言っていた
それまでは食事と仮眠をしましょうと提案してきた
まずはおやじを仮眠させないと
親父には食事と自分の寝室で仮眠をとってもらうことにした
おふくろもだ
S子には葵の手を握っててほしいと頼んだ
1時間事に交代で葵の傍にいることにした
葵のやつれた顔とたった4時間ほどであばら骨が見えるくらいの体型に変わってしまった
悪霊が3体も入り込んでいるせいだろう
見てるだけでもつらい
それでも住職からもらった薬の効果は絶大だ
一体どんな成分が入ってるんだろう
葵が目を覚ました
「パパ・・・アタチ・・・怖い夢を見てた・・・どこかの家が燃えてたよ
でも・・見覚えのある家だったんだぞ・・・その燃えている家から黒いカタマリミタイナモノ
が葵の手についた・・・そしたら・・・葵の手が燃えてきて・・・アツカッタヨ
・・・・」
「コラァ・・・アオイ・・・ヨケイナコトハナスナ・・・オマエハ・・・ワレワレノイケニエダカラナ
ハハハハハハハ」と葵の口から野太い声がした
「葵、がんばれ・・・オハルちゃん達が守ってくれてるよ
とくにタロウ兄ちゃんが葵を守ってくれると約束してくれたからね」と
葵の耳元でささやいた
「パパ・・・アタチ・・・マケナインダゾ・・・タロウ兄ちゃんがアタチを守ってくれる
パパ・・・葵の手をニギッテテ・・・」と言ったきり葵は目を閉じた
もうそろそろ午前0時
住職も戦闘の準備をしはじめた
S君もカメラをもって駆けつけてくれた
住職が大きな声でお経をはじめた
ピシッピッシとラップ音が鳴り響いた
部屋の電灯が点いたり消えたりとくりかえしはじめた
すごいポルターガイストだ
「これは悪霊たちの単なる脅しですわい
無視しててくだされ
それよりも念じてください
親父さんはしっかりと葵ちゃんの手を握ってておいてくだされ
親父さんの悪霊を葵ちゃんの体内へ移動させますわい」といつつ大きな声でお経を唱え始めた
「うまく葵ちゃんの体内へ親父さんの悪霊が入りもうしたわい
しばらくは親父さんの悪霊と3体の悪霊が戦いますわい
ものすごいことが起きますから心の準備だけはしておいてくだされ
もし怖いのなら下の階に避難されても構いませんですわい
おふくろさんとS子ちゃんと家内は下へ行っておいてくだされ」と
これから起きるだろう壮絶な戦いのため住職は塩を部屋中にばらまいた
まずは葵の体に塩を振りかけた
すると葵の体が反応して
「コラクソボウズ!!!!イケニエノジャマヲシヤガッテ!!!
クソボウズカラコロシタロウカイ」野太い声が響いた
「やかましいわい
おまえこそ仏さまのいる世界へ連れて行ってやるぞ
ありがたいと思え」と大きな声で反論をした
「ボウズ・・・ホトケノセカイダト ダレガイクモンカ!!!
ニンゲンノカラダガイチバンオイシイ」
「黙れ!!!この悪霊とも!!!!」とでかい声が響いた
「ボウズ!!!ナマミノニンゲンノブンザイデ・・・
オオオオ!!!オマエハダレダ・・・
イニシエノ・・・・グワァーーー
チキュウガイ・・・ソンナワケナイ・・・ゴォン・・・」
「((オマエラノ・・・ナンダヨワイパワーハ
x;j「@:d:・:;@(何語でしゃべっているか分からない)))」
「ヤメローー ボウズタスケローー
コイツヲ・・・コイツハキケンダゾーーー
ボウズ・・・」
「さすが親父様の悪霊だ
1体を粉砕した
残り2体
しかし・・・・この親父様の悪霊は・・・・」
「オオオ・・・ヤラレタ・・・シンジラレン
オノレーーグワァーーー
オマエハジゴクノエンマダイオウカァーーー
アノカタガココニオラレルワケガナイカ
ギョォエーーー」
「すごい・・・何ですごいパワーでござるか・・・
まさに悪霊の中の悪霊
親父様の悪霊はもしかして地獄の閻魔様と同じかもしれませんわ」
もう住職はお経をあげるところではなく
葵の中で戦ってる模様をしゃべりだした
「うわぁーーー
塊が・・・粉砕された
後1体ですわ
おおお・・・これはすごい形相だ
怨霊を何千体集めてもこんな形相にはならん
どうみても数千万体の悪霊がひとつの悪霊の形になっておりますわい
葵ちゃん・・・・ダメだよ・・・こっちへおいで・・・
葵ちゃん・・・目をつぶるんだよ
安心なされ・・・葵ちゃんは解放されもうしたわい
もう少しですわい
おおおお!!!タロウ兄ちゃんも戦っておりますわい
そうですわい、葵ちゃん、あの方はオハルちゃんの兄上ですわい」と
リアルに住職の実況が生々しい
「おおおお!!!ついにやりましたぞ
勝ちましたぞ
これで葵ちゃんの中の悪霊3体は無事に粉砕しましたわい
わしゃがお経で成仏させようと思いましたが
親父様の悪霊が「こいつらに情けはいらん、わしがひとひねりで粉砕してやるわい」と
言われお経をやめもうしたけれど親父様の悪霊は強すぎる」
葵の顔がどんどん血色がよくなってきた
葵の手のひらも温もりが戻ってきた
もう2時間も戦っていたのか・・・・
葵も目を開けてキョロキョロと周りを見回していた
S子は安堵の顔で
「おっちーーー、葵ちゃん、よかったんだぞーーー」
「あ!!、ママーーー、ワタチ・・・ジッチャに助けてもらったんだぞーー」
と葵はS子の手を握った
「葵ちゃんにもう1度この薬を飲ませてあげなされ」と言われて
葵を少し起こして薬を飲ませた
「いやはや・・・これまでの悪霊退治で一番すごかったですわい
親父様の悪霊はおそらく地獄の閻魔様と互角かもしれませんわ
だから閻魔様も親父様を遠慮したのかもしれませんわな
タロウ兄ちゃんも応援にかけつけてもらい
悪霊退治も短時間で終わりもうしたわい
もし何も応援がなければわしや葵ちゃんは間違いなく地獄ところが
時間の間(はざま)という地獄の世界へ行くことになっていたかもしれませんわな
時間の間(はざま)とは時間が止まっている空間ですわい
ずーーとそこで閉じ込められ二度と出られませんわい」と興奮気味に話し出した
とにかく葵が無事でよかった
しかし・・・親父に憑いている悪霊って・・・そんなにすごいのか・・・
でも・・・おふくろに憑いてるもの(憑いているのかな?)はそれ以上なのか?
なんか・・・寒気がしてきた
私やF子は注意はされてもおふくろの怒った顔は一度も見たことが無い
おやじだけがおふくろの真の正体を知ってるからビビってるんだろうな
どんな怒り顔なのだろう
「パパ!!アタチ、タロウ兄ちゃんと会ったよ・・・匠兄ちゃんよりカッコよかった・・
タロウ兄ちゃんが「いつもオハルと遊んでくれてありがとな」と言ってた・・・
パパ、タロウ兄ちゃんはどこの子なの?たまに遊びに来るオハルちゃんってどこのこ?」と
言い出した
私は何をしゃべってるんだろうと思った
葵にタロウ兄ちゃんのことを話した
「エエ・・・タロウ兄ちゃんは・・・天国ってところにすんでるんだ・・
オハルちゃんも・・・アタチ・・・オハルちゃんのお家へ遊びに行きたいな・・・
」と私に言ってきた
「葵、それは無理だよ
天国というところは誰でも行ける場所じゃないんだ
でも・・・葵、オハルちゃんが遊び来てるの?」と言うと
「うん・・・アタチが一人お家にいるときにいつのまにかオハルちゃんがいるんだよ
ママゴトやおしゃべりをするんだ
オハルちゃん・・ママと同じで「おっちー」と言うんだよ
でも・・・誰かが帰ってくるといつのまにかいなくなるんだ
オハルちゃん・・今はノラシゴトを少し手伝ってるんだって
草むしりや水汲みをしてるんだって
オハルちゃん、水を運んでるときに転んで泣いていたらタロウ兄ちゃんが走ってきて
痛いところをさすってくれたと言ってたよ
アタチも転んだ時に匠兄ちゃんが走ってきて痛いところをさすってくれた
オハルちゃんにそう言ったら
オッチーと同じだね、と言ってた」と嬉しそうに話してくれた
オハルちゃんが葵と遊んでてくれてる
いつも葵一人になったときに部屋で寂しくしてるんだろうなと心配していた
オハルちゃん、野良仕事させてもらってるんだ
いつも木の下でオアキちゃんと一緒にいたからな
タロウ兄ちゃんが絶対に野良仕事をさせなかったからね
住職は疲れたのか
少し休憩を取らせてほしいと言ってきた
他の部屋で寝てもらうことにした
「あんた!!!やはり!悪霊そのものだったわね
わたし、あんたを初めて見た時に
こりゃ、人間ではないな、と思ってたんだよ」と親父に吠えていた
「ええ・・・俺は悪霊じゃない・・人間だよ」と顔を下に向いたままおふくろに小声で反論していた
「あんたは悪霊!!!」
もうおふくろもおやじをいじめるのはやめてほしい
葵がおふくろの手を握って
「バアチャ・・ジッチャ・・・かわいそう・・・葵を助けてもらったんだよ
バアチャ・・・」
「葵ちゃん、すまないね・・・こんなじいさんでもかばうなんでね」と葵の頭をナデナデしていた
大分落ち着いてきた
住職もそろそろ帰りたいと申し出てきた
「しかし・・・・親父殿に憑いている悪霊はそこいらの悪霊じゃないことは確かだわい
まぁ・・・その悪霊は怨霊じゃないので一安心なのだが・・・
まぁ・・おふくろさまが親父殿を抑えているので大丈夫でしょう
今日はこれで帰りますですわい
あ・・と、この薬を全員に渡しますわい
もし体に異常が発生したなと感じたら遠慮なく一粒だけ飲んでくだされ
それと全員にこのお守りを差し上げますわい
このお守りの中に薬を入れておいてくだされ
それと水ようかんも置いていきますわい
また何かあれば連絡してくださればいいですわい」と言いながら住職夫婦は
薬とお守りと水ようかんを置いて家を出て行った
昼を過ぎたあたりに匠たちを迎えに行こう
「葵、昼過ぎに匠兄ちゃんたちが帰ってくるからね」
「うん・・・でも・・・お兄ちゃんたちまたアタチを叩いたりするかも・・・パパ・・・
コワイヨォ・・・少し会いたくないナァ・・・」
「大丈夫だよ、葵の体の中にいた悪い奴らは住職様が退治してくれたからね
もう怖いお兄ちゃん達じゃないからね」と葵にやさしく説明をした
「うん・・・ならいいけど・・・」とまだ半分は理解していない様子
私は最初に匠と仁を迎えに行くことにした
「私は兄ちゃんたちを迎えに行くからね、葵はお昼のご飯を食べていなさい」と
言って家を出た
S子の実家に着いた
S子ママが出迎えてくれた
「お婿さん、大変だったわね、葵ちゃん、大丈夫だった?
匠君から大体のお話を聞いて、私、ショックを受けたわ
まさか匠君や仁君が葵ちゃんを叩くなんで・・・
お婿さんも小ちゃいときにうちのS子が相当なことをしてたのにお婿さんは
S子を叩いたことなかったでしょ
匠君や仁君も・・・今すごく反省して大人しくしてるわよ
」とS子ママは匠と仁の様子を話してくれた
「そうですか・・・匠や仁が悪いわけじゃないのに・・・一番末っ子でかわいがってたからな
匠と仁は・・・・
とりあえず匠と仁は連れて帰りますね」とS子ママに挨拶がてら匠と仁を呼んだ
「匠!仁!家へ帰るぞーー」
「あ!パパだーーーもうお祓い終わったのかな・・・葵は大丈夫なのかな・・・」
「匠、葵のこと心配してくれてありがとな、お祓いは大成功だよ
そうそう、匠と仁、このチョコレートを葵に渡してあげてくれ」と匠と仁にチョコレートを渡した
「パパ・・ごめん・・・葵を叩いてた・・・今はすごく反省してる・・葵、兄ちゃんたちのこと
嫌いになったかな・・・」
「ううん、匠と仁が悪いわけじゃないよ、すべて悪霊のせいだからね、気にしなくていいよ
葵もちゃんとわかっているから、心配しなくてもいいよ」と匠と仁に心配しなくてもいいと話した
「よかった・・・仁もすごく気にしてたから・・・」
「うん・・匠兄ちゃんと同じで心が痛い・・・葵を叩くなんで自分自身でも驚いてる
葵を叩いた時に「ニイチャ・・・ヤメテ・・・アタチ、イタイヨォーー、ヤメテヨォーー
アタチ、ナニモワルイコトシテナイヨーーー」と泣き叫んでた
俺・・・どう葵に言葉をかけていいのかわからないよ、パパ」と仁は涙を流しながら私に訴えてきた
「わかるよその気持ちは・・・俺もF子と喧嘩したときに手を出した時があった
兄妹だから遠慮なしにおもっきし叩いてしまった
そしたら、F子が大粒の涙流して「アニキ!痛いよ、やめてよ」と大きな涙声で訴えてきたときには
「しまった・・・」とおもったさ・・・仁、普通に葵のことを思って話せばいいよ
いつもの通りにね、
着飾ったりはしなくていいよ」と仁に話した
匠と仁は心底から反省してる
いつもの元気さが無い
わたしはとりあえず2人を車に乗せた
おふくろの実家へ着いた
「ああーーこれはこれはお坊ちゃま!!!
はい、はい、わかりました、少々お待ちくださいませ」と家の人に伝言をした
「パパ~~」と楓が走ってきた
「あ!、匠兄ちゃんと仁兄ちゃんもいる」と嬉しそうに車に乗っている両方の兄に手を振った
「お!楓、早く乗れよ」と匠が楓を誘った
「パパ、葵、大丈夫なの?」と心配そうに聞いてきた
「大丈夫さ、万事住職様が解決してくれた、楓、このチョコレートを葵に渡してあげてね」と
楓にチョコレートを渡した
「うん、わかった、よかった」と嬉しそうに私に返事をしてくれた
私は車の中で葵がよく耐えたことや住職が悪霊退治を見事に成功させた話をした
「3人ともよく聞いてくれ、葵、昨日から悪霊との戦いで心身ともに疲れてる
、それと葵の体、見ればわかると思うがやせ細ってしまった
ただ、幸いなことに葵は元気そのもの、大きな声で名前を呼んであげてくれ」と頼んだ
「パパ、わかったよ、名前を呼んでチョコレートを渡すぜ」と匠が大きな声で返事をしてくれた
「すべての責任はパパにあるから、匠や仁や楓は全然悪くはないよ、自分を責める必要はないからね」と諭した
「うん・・・楓、少し楽になった・・・葵をたたいたこと、絶対に言ってはいけない言葉を言ってしまったし・・・葵には本当にかわいそうなことをしちゃったよ、パパ」と楓はポツリとみんなの前で話した
「僕もだ・・・葵を叩いちゃった・・・泣き叫んでても叩いちゃった・・・」と仁は涙目になっていた
「俺もだ・・しつこく叩いちゃったよ、俺・・・叩いたところ、青痣になってる・・・」と匠も涙目になりながら話してくれた
一方、S子と葵は兄ちゃんたちが帰ってくるのを複雑な気持ちで待っていたようだ
「ママ、ニイチャたち、この家へ帰ってくるの?」
「おっちーーー、そうだよ、兄ちゃんたち帰ってくるんだぞーー」
「ママ、ニイチャたち・・・コワイヨォ・・・パパにも言ったけれど・・・葵のこともう叩かないかな?」
「大丈夫だよ、いつもの優しい兄ちゃんたちに戻ってるからね」
「うん・・・ならいいけど・・・」と
そんなやり取りをしてたらしい
家に着いた
「ただいまーーー、葵、兄ちゃんたち帰ってきたぞ」と匠が大きな声で葵を呼んだ
匠を先頭に仁、楓の順に葵の部屋の前に集まった
「パパ、入っていいの?」と匠が聞いてきた
「もちろんさ、手はず通りに頼むよ」と匠の背中を軽く押した
「うん、わかったぜ」
匠が先に部屋へ入った
「え!・・・・葵・・・・そんな・・・・こんなにやせ細ってる・・・」
「・・・・葵・・・ごめんな・・・僕・・・・」
「葵・・・おねえちゃん・・・ごめんね・・・・こんなにやせ細っちゃって・・・」と
次々に葵の姿を見て驚愕していた
「葵、ごめんな・・・兄ちゃんたち心から反省してるよ・・・これチョコレートだよ」と順々に葵に謝罪しながらチョコレートを渡した
「ニイチャ・・・ありがとう・・アタチ・・・悪霊に勝ったよ、住職様やジッチャやタロウ兄ちゃんが助けに来てくれたよ、アオイ・・・がんばったよ」と兄たちの顔を見て嬉しそうに話した
「おうよ、かわいい妹が負けるわけがないさ、葵は強い子だもんな」と匠が葵にねぎらいの言葉を送った
「そうだよ、俺らのかわいい妹だ、絶対に負けるわけないさ、なぁ、楓もそう思うだろ」と仁は楓に話を振った
「うん・・・兄ちゃんたちの言う通り、葵が負けるわけないもん」と楓も葵の耐えたことにねぎらいの言葉を送った
「ニイチャ、ネエチャ、アオイのこと嫌いじゃないよね?、嫌って叩いたわけじゃないよね?」と匠たちに聞いてきた
「もちろん!!!だれが葵を嫌うものか!!!俺たちのかわいい妹だぜ」と匠は力強く返事をした
「アタチ・・・よかった・・・これからは一緒に遊べるんだ・・・アオイ・・一番下だけど・・・ニイチャ、ネエチャ、たちに迷惑をかけないようにするからね、一緒に遊んでほしい」と匠を見ながら葵は頼んでいた
「もちろんさ、俺たち兄妹は何かあっても助け合うさ、葵や楓を絶対に守る」と匠は大きな声で宣言をした
「おっちーーー!!!さすがお兄ちゃん!、葵ちゃん、ママの言ったとおりでしょ、優しいお兄ちゃんたちに戻ってるね」と葵の手をさすりながら話した
「うん、ママやパパの言った通り・・・ニイチャたちいつもの優しいニイチャたちに戻ってる・・・
アオイ・・・ニイチャやネエチャの言うことは守るよ」と葵はやせ細った体で満面の笑顔でS子に話した
よかった・・・元へ戻った
ここ1週間ほど・・・怒声や罵声など葵に対しての暴力が絶えなかった
青痣も多数残ってる
早く元気な葵に戻ってくれ
匠たち4兄妹に住職からもらった薬とお守りを渡した
住職の説明通りに私も話した
これで一連の騒動は終わった・・・・
作者名無しの幽霊
いやはや
この騒動の元は全て私だ
まさか悪霊たちの罠にかかるとは思わなかった
葵をひどい目にあわせてしまった
あの騒動から1週間後に葵も歩行ができるようになった
食欲は旺盛でいつもの愛嬌のいい葵に戻った
体の痣もだいぶ無くなった
体もふっくらしてきた
葵は一人でいるときにオハルちゃんと遊んでるようだ
オハルちゃんも両親と兄2人を亡くしオアキちゃんとも別れて
一人でじっと耐える生活をしてきた
だから葵の一人ぽっちはよくわかってくれてるんだろう
本当にありがたい
ずーとお友達でいてほしい
S子も少し顔がやつれた
能天気さは健在だけど
買い物は匠や仁を連れていく
なぜか・・・匠や仁の後ろをついていく
「ママーー!!、迷子にならないように俺らのあとを付いてくるんだぜ」と匠が先頭のかじ取りをしてるらしい
「おっちーーー!!分かったんだぞオー」と言う具合に・・あべこべだろ・・・
この前は匠と仁はF子と街の中を歩いたらしい
だが・・・
F子の方向音痴のために2人ともひどい目に遭ったらしい
こういう騒動が・・・いろいろと起きた・・・
命の危機も多数あった
おいおいそのお話をしようと思う
最終的に根本的な問題から起きていた
時間と空間・・・私にはよくわからないけれどね
とりあえずはこの一件は無事に終わった