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最高と最悪な日の偏愛(後編)

長編11
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最高と最悪な日の偏愛(後編)

いつ眠りに就いたのか覚えていません。

私はこっちを見てもくれない、返事もしてくれない無愛想な彼にずっと小声で話し続けていましたから…

「もう朝なんだ…起きたくないな…ずっと【彼】と、このまま寝てたいな…」私はまた小声で彼にそう囁きかけました。

( あっ…ヤバい…また泣きそう… )

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『えらい顔しとんなっ!!で、いつまで寝てるん?はよ起きーや(笑)』突然彼がガバッと起き上ったと思ったら、私を見て彼はゲラゲラと笑いながら、そう言い放ちました。私は意味が解らず呆けたまま、彼の顔を眺めました。

『今めっちゃアホ面やで?大丈夫?(笑)』彼は普段フザケている時のノリでそう話しながら、私の頭を激しく撫でました。まだ現状を把握出来ません…

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「えっ…だって…【彼】昨日…だって…』私の頭は情報処理が追い付かず、言葉に成っていないモノを口から吐き出していました。

『ドッキリでした~!!騙された?本気で騙された??俺が死ぬ訳ないやん!』

彼はフリーズする私に『ドッキリ大成功』と言わんばかりの悪い笑みを向けながら、手をバタつかせたり、私を指さして笑いました。

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彼を見送り終えたら、私は自分も彼の後を追うつもりでした。そんな心境だったので、この状況は私にとってカオス極まりない状態でしかありません。でも、彼が生きていた…その事だけが何よりの救いでした。震える唇からは言葉が出ないので、代わりに大量の涙を流しました。

自分が彼に何を伝えたか、伝えれたのかは解かりません。私は彼に抱きつき、必死で彼をこの手で感じ、「生きてて良かった」という様な内容を泣きながら言おうとしたのだと思います。

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そんな私を彼は抱き締め返し、『ごめんごめん、悪ふざけし過ぎたな…』と申し訳なさそうに笑いながら、私の頭を今度は優しく撫でてくれました。

本来ならば彼に対し、怒るなんて生易しい事では済みません。でも、今は兎に角、彼がココで息をして、私と会話をして、彼に触れる事が出来て、抱き締めてくれている。その事実だけで良かったのです。私は昨日の事が( 本当じゃなくて良かった…嘘で良かった。 )と心の中で何度も思いました。

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不意に私の頬を、生ぬるい涙がつたう感覚に驚いたのです。

驚いた私は勢い良く上半身を起こし、辺りを見回し、今がどういう状況なのか慌てて把握しようと努めました。

そして再度、現実が私の肩を溜息混じりに叩きました。

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彼は私の横で昨日返って来た時のまま、微動だにしない体勢で深い眠りに就いていました。

( でも、さっきは抱き締めてくれて…… )私の脳が処理出来なかった情報を痛みという形で上書きしてきました。

あまりの痛さに私は頭を抱えました。するとその痛みは右肩まで浸食し、私は痛みのせいで泣いているのか、現実を再認識して泣いているのか解からなくなりました。

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少し時間が経つと、痛みに耐性が出来たのかマシになりました。緩和した事により、痛みの原因は昨日彼の心臓マッサージを行った時に転倒して打った場所だと思い出しました。

何となく服をズラして肩を見ると視界に入る部分が濃い赤紫色に仕上がっていました。

( 青タンになってたんや…あの時はそんな痛くなかってんけどな… )私はズラした服を整え、目の前に居る彼を見つめながら、さっきの事を思い返しました。

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( 夢…だったんよね?私の願い?彼の想い?どっちなんだろ… )私は考えました。

平安時代以降では夢に想い人が出てくる事は、【己が逢いたいと求めたから】という解釈になっていますが、それより昔は【相手が私を想ってくれたから逢いに来た】という解釈だった様です。

私は後者であれば…と儚い願いを抱きました。でも、どちらが正解なのかは解かりません。答えなどある訳がありません…

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そんな事を考えている内に彼が死んでしまったという事実を実感していました。( もう彼は起きてこない…彼の声は聞こえない…抱き締めて貰う事も… )私は自身が今どれ程、孤独なのかを痛感しました。

昨日彼から貰った幸せは、実る事の無い未来へと変貌を遂げたのです…

隣のリビングに居るであろう人達に気付かれない様に、私は咽び泣きました。

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どれだけ大切な人が死ねど、時間は待ってはくれませんし、悲しむ暇はほんの束の間でした。彼の両親の希望により、お通やを今夜執り行うとの事でした。

私は世間的な事を考慮し、【婚約者】という間柄での出席になるらしく、それなりの準備をしなくてはなりません。もっと彼の傍に居たかったのですが、それは叶いませんでした…

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昨日の内に彼の地元の友人には連絡を受けた方が思いつく限り、連絡をして下さいました。ですが、彼だけの友人・彼と私だけの友人は私から連絡をしなくてはいけません。

私は彼の携帯を借り、一人一人に連絡を取りました。初めて話す方も沢山いました。そして、お相手に「【彼】が亡くなりました。」と伝える度に、私の感情が脆く崩れてゆきました。電話の相手が5人を超えたところで、私は限界に達し、他人事の様に、感情を殺して話す様になっていました。

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彼は日頃から『人生はネタ也!』と本気で人生を面白おかしく満喫する人でした。

その為か、電話をかけた相手によっては《そんな悪ふざけ、絶対したらアカンやつやで!》と信じて貰えず、お叱りを受けました。驚きのあまり、死因を伝えても《え?車ででも事故ったん?自殺じゃないよね?》とパニックを起こす方もいらっしゃいました。泣き崩れてしまい、会話が出来ない方もいらっしゃいました…

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《大丈夫?気をしっかり持つんやで?》と励まして下さる方に「はい、頑張ります。」と応えながら( 大丈夫な訳ないやん… )と内心思ってしまいました。

私は他人から優しくされる事も、酷い扱いを受ける事も同様に感じる…歪んだ感情を芽生えさせていました…

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大方、連絡を取り終え、私もそろそろ会場に向かう時間となりました。彼は先程、私が電話をしている間に会場スタッフの方に運ばれて行きました。( お別れ言えなかった…会場でまた逢えるけど、この家では最後だったのに… )寂しさに拍車がかかり、より孤独感が身に沁みました。

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しかし、やる事は沢山ありました。私も礼服に着替え、身支度を済ませました。《会場で演奏して欲しい曲があれば、CDを持って来て下さい。》とスタッフの方が言っていたらしいので、彼の好きだったCDを何枚か見繕いカバンに入れ、タクシーに急いで乗り込みました。

独り、会場へ向かうタクシーの中で、やっと彼の関係者から解放されたと安堵しました。一時的ではありますが、肩の力を抜く事が許された数十分間でした。

彼が私の全てでした。だからか、彼の周りの人達は今となっては私に苦痛を与える存在でしかありませんでした。

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会場に着くとスタッフの方に身内用の待機室へ案内されました。そこには何故か酔っ払って好き勝手している男性陣、笑顔で御酌をする女性陣で賑わい、まるで宴会の様でした。悲しみ方は人それぞれだとは解かっていますが、私はどうしてもこの空間が気持ち悪かったのです…

すると女性スタッフに声を掛けられました。《【彼様】のご遺体は別室となります。ご案内しましょうか?》私は「お願いします。」と半分泣きそうになりながら、ついて行きました。

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その部屋は畳み貼りの綺麗な部屋でした。部屋を入って右手側に祭壇の様な物が準備されており、その前に彼は寝かされていました。

私は彼の前に座り、案内して下さったスタッフの方に「彼に少し触れても良いですか?」と尋ね、許可を頂きました。スタッフの方は静かに一礼し、すぐ部屋を後にされました。

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手を伸ばし、彼の頬に触れてみました。やはり彼にぬくもりはありません…

私はまだ、諦め切れずに彼の生きている可能性を探していたのです…

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彼に話し掛けようとした時、また部屋の襖が開きました。彼の母親でした。私は恋人を亡くしました。でもその人は息子を亡くしました。私は彼と居たかったのですが、「お二人にしましょうか?」と尋ねました。《そんなんどうでもエエから!私来てはる人の相手しとくからアンタ、ココにおってな!》そう言ってその人は小走りに去って行きました。

私は愕然としました。

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彼の母親に対し、以前から苦手意識はありました。【昔ながらの姑さん】といった人でした。私の事を嫌っていたからではないらしく《私も通った道だから!貴女の為なのよ!!》それがその人の口癖でした。

ですが常日頃、自己中心的に動く彼の母親を、私は好きにはなれませんでした。だから余計に、私はその人の彼に対する行動が、嫌に思えたのかもしれません…

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苦手意識がある事は、彼にそれとなく伝えていました。彼はそういった昔の風習が嫌いだったので、可能な限り盾になってくれていました。( 私ずっと【彼】におんぶに抱っこだったな… )と自分が情けなくなりました。

ただ、そんな人でも【人の心】はあると思っていました。なのに、その人は息子をモノの様に扱っている風に感じました。私以外の人が居る場所では大泣きし、私との前だと愚痴を言う。その人なりの理由はあるのかもしれません。ですが私はその行動を善しとは受け止めれませんでした…まるで【悲劇のヒロイン】を演じている様で…でも( 私も大差ないのかも… )と浮かびました…

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彼との取り決めに【自分の物差しで他人を測らない】とありました。

ですがそれは前提として、【測りたい・測るべき相手がいてこそ。測る事により、相手をより理解し、検討し、見極める】今私の周りにいる人達はその前提をかすめる事さえ無い様に思い、諦めとも、虚しさとも言い切れない気持ちが溢れ、私は惨めでなりませんでした。

( こんなにも人って冷たいんだ… )

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何だかとても悲しくなったのです。( 生きている人間に対して自分の考えを押し付け、期待し過ぎているのか? )という疑問が生まれ、悶々と自問自答を繰り返し、結果として自己嫌悪に陥りました。

( 私が悪いのかもしれない…でも、やっぱり【彼】の居た場所に私は適応出来ないんだ…私の居場所はココには無い… )と思い知りました。

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鬱々としながら彼を眺めていると、彼の口元が動いた様に見えました。どうせ幻覚だと頭では解かっていました。でもゆっくり近付いて見てみると、彼の口角から鮮やかな血液が滴り落ちていました。

( 動いた様に見えたのは、このせいか… )と諦めの悪い私は、少し拗ねた気分になりました。

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ただ何故この後、私はそんな事をしたのか自分でも解かりません。あの時はそれが最善だと…最愛だと思ったのです。

彼との想い出を、色濃く…濃密に…己の記憶に刻みつけたかったのかもしれません…

( 2人の最期の想い出に… )

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気が付くと私はゆっくり彼に顔を近づけ、唇を軽く重ねていました。最初に彼と唇を交わしてから約3年。最後のキスはとても冷たく、一方的でした…

そして私は彼の流れ落ちた血の跡を自身の唇で拭い取りました。私の唇は彼の血の色に染まりました…

そしてやっと、言葉にして伝えたのです。

「バイバイ。今迄ありがとうね。大好きだよ。」

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その行為は常軌を逸していると思います。でも当時の私は彼への私なりの愛情と、彼がくれた想い出と、彼の存在への感謝と…それらを全て彼に伝えなくては彼を見送る事は出来ないと思ったのです。

【死後の接吻】

私と彼との最後のキスは決してロマンティックではありません。でも、今出来る彼に対しての最上の愛情表現でした。

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気持ちを伝え終えた私は、この部屋に隣接してある洗面所に走りました。

彼は既に死んでいて、見る事も聞く事もありません。でも、私は泣き顔を彼に見せたくありませんでした。傍でいっぱい泣かせて貰ったから…これ以上、泣かずに見送りたかったのです…もう心配をかけたくなかったから…

私は洗面所の戸を閉めるなり、ずっと我慢していた涙を盛大に流し始めました。

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呼吸はままならず、立っていられないので、私は床に倒れ込みながら泣き続けました。

ひとしきり目から水分を出し切ると、瞼が腫れている事に気付きました。

タオルで冷やそうと思い、立ち上がり鏡を見ると、さっき拭った彼の血液が、まるで口紅の様に唇に染み着いていました。それを見ると枯れ果てたはずの涙が、また込み上げてきました…

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私は涙を堪えながら、その唇を口に含み、強く噛みしめたのです。

口の中には鉄の味が微かに広がり、後を追って生暖かい自分の血と混ざり合いました。私は血液嗜好症でも吸血症でもありません。でも、そうする事が自分にとっての正解に思えました。

最愛の人の血を…彼の一部を体に摂り込む…

明日には居なくなってしまう彼からの、彼から貰える最後のプレゼント…私はその混ざり合ったモノを自分の唾液と共に、ゆっくりと呑み込みました…

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『見守ってるから…頑張れよ!』彼がそう囁いた様に思いました。

思い込みという行為は素晴らしく、私は彼が自分の中に溶け込み、通じ合えた様に錯覚したのでしょう…それが事実ならばどれ程、嬉しい事だか…

私はこれから彼を見送る為に、会場に出向かなくてはなりません。その間だけでも、冷静に振る舞える力が欲しかった…そして彼が与えてくれた…

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( 【彼】の最期を…私がちゃんと見送らんくてどうすんねん!! )

私はやっと事実を真摯に受け止め、決断しました。彼に背中を押して貰いました…( 最後まで手がかかってごめんね。 )そう彼に呟きかけ、自身の頬をめいいっぱい叩きました。

( もう大丈夫だから… )

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洗面所から出ると、男性スタッフが待機されていました。《これから式の準備となりますので、申し訳ありませんがご退席願います。》そう言いながらスタッフの方は深々と頭を下げられました。

彼は今から死に装束を纏い、棺に入り、明日にはあの世へ逝く為に姿を変えてしまう…

( 最期は笑顔で見送ろう。彼が教えてくれた生き方を…彼が折角認めてくれたんだから、私はそれに応えよう… )

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さっきまでの深く沈んでいた感情は彼を感じた事により、消え去っていました。

私は彼を部屋に残し、自分の出来る事をしようと思い立ち、演奏者の方と打ち合わせをしました。彼の好きだった曲を演奏して貰おうと…私にはそれ位しか出来ないけど…

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私は演奏者にCDを渡しました。中の歌詞カードを確認して貰う為に開くと、そこにCDは入っていませんでした。残りのCDも確認しましたが、こちらもカラでした。

「うん、【彼】らしいわ(笑)」

彼は最期まで私を笑わせてくれました。それは彼の優しさだったのでしょうか?ただ、物をすぐ何処かへやってしまう、だらし無いだけだったのでしょうか…?

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どちらにしても、【彼らしい】と感じた私は演奏者の方に平謝りし、弾いて頂けそうな曲を相談しました。その方も、まさか全部カラだとは思わなかった様で、噴き出してしまい《すみません…》と苦笑いされました。

「普段からこんな感じの人だったので、大丈夫です(笑)」

また私は彼のお蔭で笑う事が出来ました。手を焼かしてしまったけど、やっと心から彼を見送る準備が出来たのです。

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ありがとう、M…

バイバイ。

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P.S. …私は今、貴方のお蔭で人生を満喫しています。私を最期に選んでくれて、ありがとう。

貴方は私の最愛の人でした。

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