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短編2
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実話: 三階段

これは大学時代の友人、けんくんが小学生だった頃、体験した話です。

けんくんの小学校は秋田県の海沿い、由利本荘市にあります。けんくんは良く学校帰りに一人で近くの松林に入って行き、カナヘビや虫を捕まえて遊んでいたそうです。

その日もけんくんは学校を終え、夕暮れの松林の中、カナヘビを探し、散策します。すると、松林の中にポツンと三段だけの、漆喰で塗られたような白い階段が、薄暗い林の中そこだけ白く浮き上がるようにあったそうです。けんくんが、トントントンっとその階段を登ってみると、三段目に登った瞬間、背筋がゾク!振り向くと、白い服を着た女性が松林の中を全速力でけんくんの方に走って来ます。

本能的に普通の人ではないと感じたけんくんは必死に走り走り、走り切って振り向くと誰もいなかったそうです。

これは後日談となるのですが、みなさんの学校にも学校の七不思議というものはありませんでしたでしょうか。けんくんの学校にも例にもれず、トイレの花子さんや音楽室の目の動くバッハなどどこにでもあるような話があったそうですが、後から自分の小学校に「三階段」というあまり聞き慣れない話があったのを知ったそうです。

関係があるかはわかりませんが、海外でもこういった話はあるようで、特に山岳救助隊の人が経験することがあるそうです。誰も居ないような山中を移動していると、たまに階段だけがあったりする。階段と言うのは、建築構造的に壊れにくく、家屋が壊れても階段が残るとことはあるそうですが、どう考えても人がいない山奥で遭遇することが多く、「近づいてはいけない」と言う注意付きの教訓として山岳救助隊の人が一度は聞く話だとそうです。

以前の投稿「八百屋の階段」の話の中でも、謎の階段の話を紹介させていただきましたが、階段と言うのはどこかと繋がってしまうような何か不思議力があるのかもしれませんね。

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