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中編5
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コンビニ

S君の友人の話

その友人は大学時代にコンビニでバイトをしていた

学費を稼ぐために夜勤を選んだそうだ

研修を終え昼間勤務で、ある程度経験を積みシフトを夜勤にしてもらった

はじめての仕事なので夢中になっていた

ある程度出来るようになったころに一人でまかされるようになった

夏のある日の夜中2時ごろにひとりのお客が入ってきた

あれこれと商品を手に取ったり戻したりして商品を選んでるようだ

体は細目、顔色はどことなく青白い

年のころは20代前半のように感じた

やっと品定めをしたらしくレジに来た

おにぎりとお茶だけだった

これのために15分もちょろちょろしていたのだ

商品の合計を言いお釣りを渡したときにそのお客の手を触った時だ

ひんやりとして冷たかったのだ

(おい・・・夏だぜ・・・なんでコイツ手が冷てーんだよ)と内心思ったそうだ

それから毎日夜中の2時になるとそのお客は来た

本当に毎日だ

その友人がバイトの休みでも来ていたようだ

休みの日に入るバイトの子もそいつの手を触ったときにひんやりとしてなぜか背筋がゾクゾクとなったらしい

たまに仲の良いバイト仲間の家で飲み会をしていた

その時にその友人は例の手の冷たいお客の話をしたのだ

そしたらその場が一瞬静まり返った

(え!?・・・俺・・・なにか悪いことでも言ったのかな・・・)と冷や汗が出てきた

そのバイトの中でも一番の古株がしゃべりだした

「おい!!!U(友人の名前)・・・おまえも見えていたのか・・・

ここにいる連中もそいつが見えてるんだよ」

最初、何の話しているんだと不思議に思っていた

その先輩が話を終えたときにみんなの顔がひきつっていた

(まずいな・・・完全に俺、アウトじゃねーかよ)

「おまえ・・・も見えていたんだな・・・はじめ見えているのは自分だけだと思ってた・・でもよ・・・ここにいる連中は全員ソイツが見えていたんだよ・・・」

「はぁ・・・意味がよくわからないのですが・・・・」

「落ち着いて聞けや・・・・ソイツ・・・な」

と話しかけたときにバイトの女の子がいきなり泣き出した

「あかんや・・・ソイツの話をしたらあかんや・・・」

「あぁぁ・・・でもよ・・・こいつ(友人)・・・なにも知らんから教えてあげないとな」

「わかってるけどな・・・・ソイツの話をしたら・・・俺ら・・・な!・・」

「わかってるさ・・・でもよ・・・こいつだけ知らないということはあかんやろ・・・

アイツ・・・マジで毎日夜中2時に来るんだぜ・・・それもな・・・おにぎりとお茶しか買わねーし・・・・アイツ・・おにぎり食べても意味ないだろ」

「おいおい・・・言っちゃダメだよ・・・」

いったい何のことだよ

おにぎりを食べても意味がないとはどういうことだよ

「あのぉ・・・おにぎりを食べても意味がないとはどういうことですか?先輩方」

「あぁぁ・・・ソイツ・・・な・・・もう・・この世のもんじゃねーんだよ」

「え!?・・・・はぁ?・・・どういうことです?」

「あのな・・・わからんかな・・・」

もう一人のバイトが大きな声で

「あいつはもう死んでるんだよ!!!!」

「ああ!!言っちまったよ!!!おい!俺ら・・・」

ピンポーンとチャイムが鳴った

全員一斉に玄関先を見た

「もう・・・あかんや・・・来ちまったぞ・・・」

「もう駄目だ・・・」

玄関先から

「「こんばんわ・・・すいまーーせーーん、これ・・・お釣りが100円多いんですけど・・」」

友人以外は全員が悲鳴を上げた

バイトの女の子は失神した

友人以外のバイト仲間は完全にパニックになっていた

「U!!!!おまえだけでもいいからそこの窓から逃げろ!!

絶対に振り向くなよ!全速力で自宅へ帰れ!!!」

「え!?・・・でも・・・」

「いいから!!早く逃げろ!!」

「は・・はい!!!」

友人は意味が分からずに窓から外へ出て全速力で自宅へ帰った

一体・・どういうこと?

意味がすべてわかったのはその日の夜にコンビニへ行ったときに店長からすべて聞いたのだ

「おい!U!昨日なおまえらだけで飲み会してだろ?」

「はい、してました、それがなにか?」

「あぁ・・・やっぱりか・・・今日の朝方にな

警察から問い合わせがあってな・・・「○○という名前の人はそちらの関係者ですか?」と

聞いてきたんだよ・・・もちろん「そうです」と答えたら

「○○というお宅で女子を含む全員が不審な死をしていましてこちらで身元確認の捜査をしているところです一度現場まで来てください」と言われて行ってきたよ」

「え・・・不審な死に方?・・・先輩方・・・死んだんですか?」

「そうだよ・・全員死んでた・・・それもな・・・ものすごい形相をして死んでた

俺もな・・・あんなすごい顔は初めて見たよ・・・そのときにスマホで撮ったよ、見るか?」

と店長からスマホの画像を見せてもらった

友人はスマホの写真を見てその場でゲロを吐いた

写真には恐怖のあまり顔がゆがんで口から血の塊が出てなぜか手のところは青白く変色をしていた

その店長も現場を見てその場でゲロを吐いて居合わせていた警察官に怒られた

「現場を汚すな」と言われたらしい

ほぼ全員がそういう状態だったのだ

何かにおびえた表情で死んでいた

店長も夜中2時に来る客のことは知っていたらしい

でも、「話をしたからと言って死ぬってことはないだろ」と店長は言っていた

友人はその日の出来事を細かく話をした

店長の顔色がどんどん悪くなっていくのが見えた

「そっか・・・」と一言言ったきりしゃべらなくなった

その友人は次の日にお店を辞めた

辞めた日を境にそのお店の業績は悪化して1年後には潰れた

あれ以降おかしな現象にはあってはいないが

なんとなく人の気配を感じたり仕事から帰って部屋を見ると中の様子は変わってはいないのだがなにか違和感を感じるらしい

それでS君に相談したらしいのだ

S君もその現場の写真を見てゲロを吐いた

S君は内心冗談か作り話だろうと思ってたらしい

私もS君からその話を聞いて「信じられん」と思わずポロッと口がすべってしまった

S君はすかざすスマホの写真をみせてきた

もちろんゲロを吐いた

玄関でチャイムが鳴った・・・・

Concrete
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