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長編15
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夫婦旅行

暑い夏が過ぎ晩秋の時期に入った

夏頃に私とS子だけの夫婦旅行をしようとS子と相談をしていた

ホテルや旅館など予約がなかなか取れずに一旦はあきらめようかと思っていた

スマホで旅館やホテルなどの宿泊施設の予約状況がわかるアプリを見ていたら

とある地方の民宿が空いていた

全然知らない民宿だ

山奥にありまわりは自然豊かな感じの写真が載っていた

日頃、S子は家事や子供の面等、パートの仕事と毎日が忙しい日々を送っている

たまには息抜きをさせたいと思っていた

その民宿の記事をS子に見せたら速攻でOKになった

「パパ!!ここいいと思うんだぞ!静かなところがいい

パパと2人きりなんで本当に久しぶり」と大喜びをしていた

まぁ・・・少しボーナスが増えていたんでS子にプレゼントという感じで旅行にしたのだ

それを聞いたオヤジが「俺も連れていけ」と言い出した

要は無料メシが食いたいだけだ

「嫌だね!オヤジが来たら意味がない」ときっぱり断った

2泊3日の旅行を予定にしている

町の見物もいいと思うが民宿の周辺を散策して体の疲れを取ろうということにした

娘の葵が少し悲しそうな顔をしていた

「パパ、ママたちだけで・・・あたちも行きたいんだぞ・・・」

「葵・・パパやママは毎日疲れてるんだよ!今回はあきらめないとね」と楓が葵をたしなめていた

出発の当日

2泊3日分の荷物を車の後部座席に置いた

さてと・・・キーを回した

ボロ車のエンジンがかからない

バッテリーが無くなったのかと思っていたが

そんな感じではない

ボンネットを上げて・・・中を見たがさっぱりわからない

段々とイラついてきた

おもいっきしボンネットを閉めた

キーを回したらエンジンがかかった

本当にボロ車

「パパ、やっとエンジンがかかったね・・・もうそろそろ買い替え時かもね」

「お金がないよ・・・」

「だね・・・」

車は順調に走行した

エンジンも快調そのもの

最後のSAで30分ほど休憩をした

S子との長時間のおしゃべりは久しぶりだ

S子はいろいろな話のネタを持ってる

運転中に眠くならなくて済んだ

普段なら眠気が襲ってくるのだが・・・・

高速を降り・・・目的地の民宿まで2時間ほど

段々と民家が少なくなってきた

最後のコンビニに寄りお菓子やジュース、パンなどを買い込んだ

これから先はコンビニがないから

ガソリンも高速を降りてすぐに給油した

カーナビにその民宿のデータが入っていない

なにせこのカーナビは5年前のものだ

ということはこの民宿は最近営業をし始めたのかな

ついに民家が見えなくなった

もう山道を走っている

「パパ、山道に入ったね・・・私、少し怖いんだぞ」と珍しく弱音を吐いた

「珍しく弱音だね・・・」

S子のおしゃべりが止まった

私は黙々と山道を走らせた

車内は静か

横を見たらS子は寝ていた

疲れてるんだろうな、と思った

カーナビももうそろそろ民宿があるだろうと思う近くまで来たけれどそれらしい建物がない

私は車を止めた

完全に道に迷ったのかと思い

私は民宿に電話をしてみた

「もしもし・・・○○ですが・・・すいません・・到着まで少し時間がかかりそうです」

「はい・・・そうですか・・・気を付けてくださいね、お待ちしています」

と言い電話は切れた

カーナビではここに民宿があるはずだが・・・

たしかに開けた場所はあった

だが肝心の民宿がない

「おかしいな・・・ここのはず・・」

「おっちーーー、何もないんだぞ」

もう1度民宿へ電話を掛けた

「・・・・・・・・」

呼び出し音は鳴っていたが誰も出ない

え!?・・・うそだろ・・・

かけ間違いをしたのかと思いもう1度慎重に数字を打った

だが・・・同じだった

頭が真っ白になった

「パパ・・・電話・・・どういうこと?」

「わからん・・・今さっきはちゃんと出てくれたのにな・・・」

私は少し周辺の様子を見ようと思った

「S子、俺、ここらへんを見てくるわ、車の中にいてくれ」

「えええ・・私一人では怖いんだぞ・・・」

「そこらへんを見るだけだから」

私はふらふらと藪の中へ入っていった

藪だらけ・・・・

とても建物がありそうもない

うす暗くて気味が悪い

もう車のところへ戻ろう

このまま歩いていたら遭難しそうだ

やっとこさ・・・藪から抜け出た・・・車があった・・・

急いで車のところへ戻った

S子が心配そうに周りを見ていた

「パパ!!お帰り!!どうだった?」

「なにもない・・・もう帰ろう!!旅行は中止だ」

「うん!帰ろう・・・ここ・・・不気味すぎる・・・」

突然カーナビの画面が真っ黒になった

「わぁ!カーナビが死んだか!!」

「パパ・・・・」

「仕方ない・・スマホの地図アプリで・・・えええ・・・圏外・・・使えんじゃん」

「うそ!!!!・・・でも今さっき電話は繋がっていたのに」

「完全に遭難だよ・・・S子」

「そんな・・・・おっちーーー!!!」

車を止めた

砂利の山道だか帰りはそのまま素直に帰れるはず・・・

そう思っていた・・・・

ところが・・・・来た時には気づかなかったか・・途中で2股に道は分かれていたのだ

素直に道を進んでいくと行きとは違う道につながっていたのだ

これが・・・恐怖の始まりだった

「まぁ・・・道は1本だけしかないから素直に進めばいいさ」

「だね・・・」

余裕をこいていた

しかし・・・1時間ほど走らせたが一向に山から出られない

なんかさらに山奥へ進んでるような気がしてきた

「おかしい・・・もうそろそろ出られるはずだ・・・」

「パパ・・・なんか・・・どんどん奥へ行ってるよ」

もう頭は真っ白け

車を止めた

これ以上走らせても燃料が減るばかりだ

ガソリンはまだ2/3は残っている

大事に使わないとね

食料は・・・何とか2日分はある

まぁ・・・寝る場所はもちろん車の中

どうしたものかな・・・

山の中は夜だと冷え込むだろう

やはり・・・冬服を持ってきて正解だった

どんどんと時間が過ぎていく

太陽もだいぶ傾いてきた

陽が落ちるのは早いだろう

「パパ・・・・怖いよ」

「仕方ないよ・・・下手に動けば体力が減るしお腹も減る

少し休憩してなんとかここから出ることを考えよう」

「おっちーー、そうだね、パパ」

とは言ったもののどうしたらいいかわからない

私は後部座席を見た

荷物とパン・・・買ったときには買いすぎたかなと思っていたが人間の直感が働いたのかもしれないな・・・と苦笑いをした

パンを20個も買うなんでバカだろうと思ってた

ジュースなども20本ほど

お菓子も30個ほど・・・

まるでピクニックだ

一気に陽が落ちた

あたりは闇

明かりが一切ない

明かりがない闇は本当に怖い

漆黒の黒

「パパ・・・あたり、まっ暗け・・・」

「マジで漆黒だな・・・」

時計を見たら午後6時過ぎ

こんな時間でこんなに暗いのか・・・

夕食をとった

もちろん節約のために半分だけパンを食べた

ジュースも少しだけ飲んだ

やることがない

「S子、寝てもいいよ」

「そうだね・・・寝ようかな」

私は全然眠くない

何かを肌で感じてるのか神経が高ぶってる

時間がどんどん過ぎていく

午後9時・・・・

辺りはシーンと静か

静かすぎてかえって不気味

「パパたち、電話してこないね」

「なにかあったのかな・・・」

「わたし、かけてみる」

楓がわたしあてに電話を掛けた

「通じない・・・・おかしいな」

「もうそろそろ夜の7時だよ・・・宿についたら電話をすると言ってたけど・・・」

「その宿に電話を掛けたら?」

「そうだね・・・・あれぇ!!!通じないよ、匠兄ちゃん!!」

「うそだろ!!こりゃ・・・なにかあったかも」

「じいちゃを呼んでくるね」

楓は慌ててオヤジを呼びに行った

「宿に電話をしても通じないって・・・こりゃおかしい」

「俺・・・ちょっと知り合いの例の元刑事のところへ行ってくる」

「うん・・・心配だな・・・道に迷ってるのかな」

オヤジは元刑事のところへ行ってしまった

「静かだな・・・こうも真っ暗だと周りがよく見えん」

藪だらけでいっそう不気味さが増している

隣のS子は静かに寝ている相当疲れが溜まっているんだろう

藪の向こうに一瞬何かが光ったような気がした

「え!今、何か光ったぞ」

私は目をよく凝らして藪を見た

何かがチラチラと光ってる

何かの明かりだ

こんな山奥に家でもあるのか・・・

私はそぉーとS子を起こした

「パパ、どうしたの?」

「あれ見てよ」

わたしは藪の向こうでチラチラと光が見えている方向に指をさした

「あれ・・何かが光ってるね、パパ」

「だろ、何だろうね?」

「近づいて見てくる?」

「そうだな・・・距離はそんなに遠くない感じだ、一緒に行こうか」

「うん・・・」

私たちは車から降りて光ってるほうへ歩いた

「パパ・・・あれ!家みたいだよ」

「こんなところに・・・家があるなんで・・・」

不思議なことに周りに電柱がない

どうしたら明かりが点いてるんだろう

明かりが点いているのは一部屋だけ

「あんまし近づかないほうがいいかも

ここから少し様子を見よう」

1時間ほど様子を見ていた

何ら変わったことは起きなかった

「おかしいね・・・人影も見ない」

「でも・・パパ・・・なんか周りがザワザワとした雰囲気だよ」

確かに・・・ザワザワと何かしらの空気感があった

「もうそろそろ車へ戻ろう」

「うん・・・」

私たちは車へ戻った

「パパ、なんかここら辺・・・ざわざわとしてるよね?」

「たしかに・・・なんか圧迫感があるよな」

「うん・・・でもまわりをみても何もないし・・・なんだろうね?」

「さぁ・・・」

夜も11時を過ぎていた

車の周りは漆黒の夜

せめて隣にS子がいるだけで安心感がある

オヤジが帰ってきた

元刑事を連れてきた

「おやじさんから聞いたよ、心配だね

これからその現場へ行こうと思う

恐らく道に迷ってるはずだからね

楓ちゃん、葵ちゃんも来てほしい」

「うん、わかったよ」

「あたちも付いていく」

元刑事の車に必要な荷物を載せてすぐに出発したそうだ

「パパ、眠くなってきたよ、私、寝るね」

「そうだね、なにもすることがないからね、寝てもいいよ」

しかし、私は一向に眠気がない

体が何かを感じてるのかさらに圧迫感が強くなってきた

「なんか・・・苦しいな・・・」

雑木林というか藪の中からなにか音が聞こえてきた

動物がなにかが移動しているのかと思っていた

周りが静かだから余計に耳に入ってくる

ざわざわとした・・・まるで満員電車の中にいるような・・・圧迫感

私はまさか!と感じてきた

車の周りに霊たちが集まってきてるんじゃないかと思い始めてきた

そう!この感じは墓場で肝試しをした時に周りがざわざわとしたあの感じにそっくりなのだ

間違いない、霊たちが集まってきてる

幸いにもお守りがあるので車内にまで入ってこられないのだ

やばいな・・・・

かといってこの場から逃げても道に迷うだけだしな

この場にいて様子を見よう

目には見えないが何かが車の周りにいる

霊感のない私にも得体のしれないものがいると感じている

「パパたちに何も起きてなければいいけど・・・」

「楓ちゃん、何かを感じているの?」と元刑事は楓に質問をした

「え・・と・・・なにかこうざわざわとした感じなの・・・

何だろう・・・この感じは・・・」

藪の中からさらに怪奇な音がしている

人が歩くような感じ

「楓ちゃん・・・・」とつぶやいてS子が目を覚ました

「あれ?楓ちゃんは?」とS子がキョロキョロとして私に聞いてきた

「なに?楓はおうちにいるよ、大丈夫?」と答えた

「夢かぁ・・・楓ちゃんか私たちを助けに来たの・・・「ママ、そこにじっと待ってて・・・動いちゃダメだよ」と言ってたよ・・・」

「大丈夫かい?しばらく寝るのやめて・・・起きていたほうがいいよ」

「うん・・・」

車内灯をつけた

一気に明るくなった

「これで・・・少しはいいかな」

「パパ、眩しいよ・・・でも車内がこんなに明るくなるとは思っていなかった

周り・・・本当に闇だね・・・」

「眩しいな・・・こんなに明るかったかな・・・車内の中がよく見える・・・」

これが良かったのかも・・・この明かりを頼りに楓たちが助けに来てくれた

「この先のSAが最後だから少し休憩しよう」

「うん!ここで何か食べようよ!じっちゃ」

もう午後10時を過ぎていた

SAにはたくさんの車両が止まっていた

高速を降り元刑事の知り合いの家へ寄った

ここら辺の土地なら何でも知ってるという人だという

「おそらく・・・2股のある道の・・・行き止まりのある道を行ったに違いない

よそものは道が2股あるとは知らないからな

地元の人間でさえ滅多に行かないところだよ

この2股の道はわかりにくいんじゃ・・・目印がないからな

あそこらへんは・・・・」

地元の人の案内でどんどん車を走らせた

「だんだん・・・家が少なくなってきてるね、じっちゃ」

「もう山道を走ってるよ・・・まわりは真っ暗け・・・」

「さよう・・・ここら辺は・・・なかなか人が寄り付かないからな・・・」

「もうそろそろ・・・2股のある道があるはずじゃが・・・スピードを落としてくれや」

車の速度を落とした

「えーーと・・・おおお・・・これこれ・・・これを右へ行ってくれ」

「え!!・・・でも・・・右へまわれって・・・まわれるのか・・・」

周りが藪と雑木林で本当に道があるのかわからない

「ここらへんで車を止めておくれ

疑ってるようじゃが・・・降りて自分の目で確かめたほうがいい」

オヤジと元刑事は車を降りて先のほうへ歩いて行った

「おお!確かに右へ行ける道があったよ・・・

右へ行く入口付近は道幅が狭すぎる・・・これじゃ・・・見落とすわな」

「そういうことじゃよ・・・地元の人間でさえ迷うからな・・・まぁ・・・ずーーと走っていけば・・池のところに着くからな・・・行き止まりじゃで・・・

でも・・・ここで右を回らずに真っすぐ進んで・・山奥へ入っていくと・・ここもまた行き止まりじゃで

引き返しで元の道を辿って帰れるかというと違うんじゃよ

そのまま走るとなぜか池のところに行くんじゃよ

つまり・・・行きの時は雑木林で見えないのだが帰りはよく見えるんじゃよ

だから道に迷う・・・すぐに気づけばいいけど・・・気づかずに車を走らせているとガス欠じゃで・・・だからここらへんの警察は1日に1回ほどパトロールをするんじゃよ

ガソリンの携行缶を持ってな

おそらくあんたらのパパさんたちは池のほとりへ行く道のどこかにいるはずじゃ

道から離れている場合は非常にやっかいじゃよ

探すのが難しい

パニックになってあちこち走らせてると・・・完全に遭難じゃで・・・

道路にいてくれればいいけどな・・・」

「パパ・・・ママ・・・」

「パパ・・・車の周り・・・何かいるような気がするけど・・・」

S子もやはり感じているようだ

「そうだよ・・・まわりに何かがいる・・・」

「まさか・・・霊たちじゃないの?パパ」

図星だ

「そうだよ・・・車の周りに霊たちがいる・・・完全に包囲されてるよ・・・」

「ええええ!!!パパ、どうするのさ?」

「車を動かしたいけど・・知らない道だからな・・・ガス欠になる可能性が大きいよ

とりあえずは朝まで待とう」

「だよね・・こうもまっくらけじゃ・・・

なんか・・・変な音もしてるし・・・怖いんだぞ!!」

「どうしようもないよ・・・」

S子がバックミラーを凝視して動かなくなった

「どうした?S子」

「パパ・・・・車の後ろ・・・いる!いる!・・」

「え・・・」

私は体を後ろに向けて

「あ・・・・」

車の後ろに血を流した顔がのぞいていた

それが1体ではなかった・・・

「うわぁ!!」と私は叫んでしまった

私が叫んだためにS子が反応して気絶してしまった

「おいおい・・・大丈夫か?S子!!」と言いながら体を揺らしたが反応がなかった

((おやおや・・・エヘヘヘ・・・))

と耳元で囁かれたような気がして右のほうを見た

「う!・・・」と息が詰まりそうだった

首を持った霊がこっちを覗いてニッと笑っていたのだ

胴体の首があったあたりから血がどんどん流れだしていた

まるで今さっき斬首されたみたいな感じなのだ

「うわぁつ!!!!」

私もいつのまにか気絶していたようだ

「パパ!!ママ!!!大丈夫?」

確かに楓の声がしたような気がして私は目を覚ました

まわりを見た・・・窓の右側に楓の顔がこっちを見ていた

「楓・・・なんでここにいるんだ・・・」

「パパ!!!しっかり!!!」

楓の大きな声

「楓!!!」と叫んだ

「パパ!!じっちゃ!パパが目を覚ましたよ!!」

「おう!!目を覚ましたか!!」

オヤジの声がした

私は完全に目を覚ました

楓、葵、オヤジ、元刑事、知らないおじさんがこっちを見ていた

ふと横を見た

S子がまだ目を覚ましていない

S子の体を揺さぶった

「起きろ!!S子!!」

「え・・・楓ちゃん・・危ないんだぞ・・・もっとこっちへ寄らないと・・・」

なんかうなされていた

「起きろ!」

S子が目を覚ました

「パパ・・・え?ここはどこ?」と寝ぼけていた

「ママ!!!ママも目を覚ましたよ、じっちゃ!」

「楓ちゃん!!」とS子が楓を見た

どうやら朝になっていた

楓たちが助けに来てくれた

「よかった!!無事で・・・」

楓の目に涙が浮かんでいた

私は車から外に出た

葵も今にも泣きだしそうな顔をしていた

「ありがとね、葵、心配かけさせて」と言いながら葵を抱き上げた

「パパ!!心配したんだぞ!」と私の顔をじっと見ていた

「よかったですな・・・無事で・・・さぁ・・早くここから離れましょう」

と見知らぬおじさんが元刑事に言った

「そうだな・・詳しい話は後で・・・とりあえずはここを離れるぞ」

元刑事の知り合いの家に着いた

「さぁさぁ・・・お疲れ様・・・無事でよかったですね」と元刑事の知り合いの奥さんが出迎えてくれた

夜の出来事をみんなに話をした

「パパたち・・・怖かったね」と楓がびっくりした顔になっていた

「噂になっていたんじゃが・・・本当だったか・・・あそこらへんは・・道の最後に池があるんじゃが・・・あそこは処刑に使った刀を洗っていた場所じゃで・・・」

「おっちーーー!怖かったんだぞ!!お化けが車の中を見てたんだぞ」

「おっちーー!?・・・」とこの家の主、Jさんはびっくりした顔になった

無理もないはじめて「おっちー」と聞けばびっくりする

「「おっちー」とは何ですか?」とJさんは聞いてきた

「私にもわかりません、妻は生まれたときに「おっちー」と叫んだらしいですよ」と

「おっちー」について少し詳しくJさんに話した

「面白いですな・・・しかし・・・どこかで「おっちー」と聞いたことがあるような・・・」と頭を傾げていた

「ところで・・・私・・・あのあたりで一室だけ明かりが点いている家を見たのですが」というと

「あぁ・・・あの家のことですかな・・・あれは元民宿の家ですな・・・

もう3年前につぶれてしまいましたけれど」

「そうですか・・・でもなんであそこの部屋だけ明かりが点いてたんだろう」

「おかしいですな・・・あそこは誰も住んでいないはず・・・無断で誰かが部屋に入ったんですかな・・・」

「1時間ほど様子を見てたんですが人影が全然見えなかったんです

明かりだけだったんですよ」

「不思議ですな・・・」

「でもあの辺は電柱など無かったですよ」

「え・・・電柱?・・・あぁ・・電柱は民宿が閉鎖された後にすべて取り払ってないはずだが・・」

「それと道に迷ったと感じたときにここの民宿の電話番号にかけたんですよ、1回目はたしかに通じたんですが・・・2回目は呼び出し音はあったけれど誰も出なかったんですよね・・・」

「あ!!パパ、そうそう・・・パパたちの連絡が遅かったんで私もかけたけど通じなかったよ・・でも呼び出し音は鳴ってたよ」と楓も不思議そうに言いだした

「不思議ですな・・・あそこはもう3年前に閉鎖されてるからな・・・電柱もないのになんで電話が通じたんだろ・・・」

いろいろと談義をしていたらお昼になっていた

もうそろそろおいとまをしよう

「Jさん、本当にご迷惑をかけました、ありがとうございました」と挨拶をしたときにJさんから「すこし「おっちー」について思い出しましたよ・・もう少し思い出したらいろいろと聞きたいことがあります、携帯の電話番号を教えてくだされ」と耳元で囁かれた

一体何だろう?私も気になる

のちのちJさんから電話をもらった(詳細は後ほど)

無事にわが家へ帰れた

これからはもっと調べてから旅行しよう

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