註)適切で無い表現が用いられております。加味した上での閲覧を御願い申し上げます……と但し書きをば。
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3年前に他界した母方の祖母の話を。
祖父が職人だと触れましたが、菓子職人で、店舗兼住宅にて祖母と共に一般メーカーの御菓子も売ったりしておりました。
そんな祖母が、見知らぬ子がいつの間にやら店先に立っていたとの話をしていまして、どうやらいわゆる普通の子どもとは違う様な、知恵遅れの様な表情だったと言うのです。
通常の子どもならば、「こんちはーっ!」とでも挨拶をしたりして入店すると考えますと、その子は黙りこくってその場に立ち尽くしていたとの事。
どうやって、又どの位の時間が経ってから、その子どもが居なくなったかは話されませんでしたが、恐らくは娘である母や伯母も知らない話でしょうし、何故に孫である私に話したのだろう……
2001(平成13)年に祖父が現役を退いて、店を畳みましたから、確かその2~3年位前の話だったろうと記憶しております。
脳梗塞になり掛けて、その後に認知症に近い状況になってしまった晩年の祖母からは訊けずじまいのまま、施設にて最期を迎えた彼女を思うと、孫としてもっと優しく出来た筈だと言う申し訳無さや、その子が祖母と何かやり取りをしていたのかをもっと詳細に聴きたかった……等の様々な思いが駆け巡るのであります。
作者芝阪雁茂
孫である私に生前、祖母の語った怖い様な不気味な様な、変な話を。
いわゆる普通の子どもとは違う様な雰囲気とは一体どう言うのだったんだろう……今となってはもう訊けない、中高生の時の思い出を一つ。