俺は、次の志願者の情報を彼女(夜川さん)と確認する。
昨日の夜中に志願されたようだ。
磯部 アリス(25)女
電話番号 080-〇〇〇〇-〇〇〇〇
「アリス......?これって本名なんですかね?」
「さぁ、どうですかね~実名じゃなければいけない決まりはないので偽名かもしれませんね。」
確かにこのネット社会、そう容易く本名を、ましてこんな怪しいサイトに記載するのは、よく考えれば不用心すぎる。俺も自分の浅はかな考えを少し改めなければならないと感した。
「やっぱり今までに偽名でこの村に来る人は居たんですか?」
「はい。と言ってもこちらから本名を追求することは特にしないので、あくまで予想ですが。」
本当にその辺はゆるゆるな規定だな。もし犯罪者が身を隠す目的で、ここへ訪れた場合はどう対処するつもりなのか。
すると彼女は「電話なんですが......沢辺さんにお願いしてもいいですか?」
「え、僕がですか!?」
「はい。今日ちょっと買い出しで村を少し離れますので、お願いします。記載された番号に電話を掛けて、住所を伝え、この村に来られる日程を聞くだけなので、難しいことはないですよ!」と彼女は笑顔でそう言った。
「まぁ......わかりました。」
俺は少し顰めた表情でそう答えた。
「では、ちょっと行って来ますので、後よろしくお願いします!あっ、終わったら村の掃除もお願いしますね!」
彼女はそう言い、そそくさと部屋を出て行った。
俺は面倒な事はすぐに終わらせたかったのですぐにPCの横にある固定電話から電話を掛けた。
受話器からなにやら聞き覚えのあるアーティストの音楽が聴こえてくる。
「もしもしぃ.....」
受話器から寝起きのようなダルそうな声が聴こえる。俺は初の電話対応で少し緊張気味になる。
「あっこちら自殺村です。」
すると電話の相手は驚いたように「え?嘘?ほんとに?マジもの?」
食いつくようなその言葉に俺は少し緊張が膨れ上がった。そして「はい。本当です。早速ですが、こちらにはいつぐらに来られますか?」と訊く。
「ん~今起きたばっかだから~ってか場所どこ?」
会話に不慣れな俺は内容を急かし、まだ場所を言ってなかった。俺は慌てて場所を伝えたが、もう信頼がなくなったかもしれないと少し不安を感じた。
そして少しの間が空き、「あ~今調べたけど、ちょっと遠いから今日だったら夕方ぐらいになるかも。」
どうやら俺の不安とは裏腹に、しかも今日中に来る流れになった。
「わかりました。ではお待しております。」
「あ~い」
電話が切れた。
それにしても、なんだかモヤモヤする、とても志願を望んでる雰囲気に感じ取れなかったからだ。どこか軽い感じのその口調は、俺や中尾とは違う、上手く説明できないが、とにかくこれから自殺したい人間の口調ではなかった。何を考えているのか見当もつかないが、俺は夕方まで待つことにした。
そして、ふと辺りを見渡す。ここは彼女(夜川さん)の部屋だ。彼女と二人で中尾のエントリーシートを確認してからここに入るのは二度目だった。そこに今一人で居る。俺は彼女のことをよく知らない。本当に掴みどころがなく、何を考えているのかわからない。いつもニコニコと眩しい笑顔でいると思いきや、突然目が鋭くなり、なんともいえない迫力感が出る。彼女は何故ここで働いているのか。それが一番の疑問だった。それに何故俺をここで雇ったかもわからない。気付けば俺はこの部屋を少し物色しようと試みていた。やましい意味ではなく、もしかしたら多少なりとも彼女のことを知れるかもしれないと思ったからだ。
まず本棚に視線を向けた。綺麗に整頓され、客室とは違って様々な種類の本が置かれている。海外文書やビジネス書、客室とは違って少し古めの国語の内容に出てくるような小説の類が並べられている。しかし、そこにタイトルも一切書かれていない白い本が不自然に一冊だけ挿されてあった。俺はその本を手に取った。
だが、本には南京錠が施されており、中を開けることは出来ない。どうやら日記帳のようなものに感じた。無理やり引き破れば読むことは可能かもしれないが、さすがに気が引ける。俺はそっとその本を本棚へ戻した。他にクローゼットや引き出しに視線を向けたが、そこは俺の無駄な正義感が引き止めた。
結局、彼女のことについては、少し難しい本が好きってことぐらいしか情報がなかった。俺は仕方なく、日給2000円の村の掃除をするため、部屋を後にした。
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彼女が帰って来たのは夕暮れ時だった。車を止め、両手に大きなスーパーの袋を持ち「あっ、沢辺さんお疲れ様です!」と眩しい笑顔でこちらに近づいて来る。
なにやら大量に買い込んで腕が辛そうだったので「運びますよ。」と声を掛けた。
「ありがとうございます!食料がもう底を尽きそうだったんですけど、ちょっと買い込みすぎちゃいました!」と彼女は額の汗を頬に垂れ流しながら言った。
そして、大部屋に荷物を運び、冷蔵庫に食材を詰めていく。
「じゃあ時間もあれなんで、すぐ食事の準備しますね。」
「あっ今日電話で話した志願者が夕方頃になるって言ってたので、もう来るかもしれません。」
「まぁ!それはおちおち食事してられませんね!」と彼女は着けようとしていたエプロンを引き出しへ戻した。
だが、俺は電話での雰囲気に違和感を持っており「でも本当に来るかわかりませんけどね.......」と囁いた。
彼女は首を傾げて「どうしたんですか?」と訊く。
「電話口だったのでよくわかりませんが、なんと言うか.......「死にたい」っていうふうには感じ取れなかったんですよね......」と俺はあやふやだが感じた事を彼女に伝えた。
すると彼女は少し難しい顔をして「ん~実際、重たい雰囲気を表に出すのを恥ずかしがる人って居ますからね~。まぁ一応待ってみましょう!」と答えた。
「わかりました。」
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大部屋の窓から村の入口の風景が視える。もう日が落ちそうになっている。ガラス越しにチラッと視える彼女は、せっせと食事の準備をしていた。そして俺はひたすら村の風景を眺めていた。
すると、なにやら人影が視えた。
「あっ、夜川さん!来ました!たぶん志願者です!」
彼女は手を止め、窓を眺める。
「......っぽいですね!じゃあ行きましょうか!」
やはり俺も同行しなければいけないそうだ。俺は渋々、彼女についていった。
村の入り口に辿り着き「こんばんは!夜川と申します!こちら助手の沢辺です!磯部さんでいらっしゃいますか?」と彼女は笑顔で訊いた。俺はひきつった不器用な笑顔でそこに佇むのみだった。
「はい、磯部です。よろしく。」と端的に述べた彼女(磯部アリス)は金色の長い髪をなびかせながら、肩を大きく露出させた白い服を身に纏い、脚はその細白さを自慢するかのように短いパンツを履いていた。耳はピアスがじゃらじゃらぶら下がっており、化粧もだいぶ濃い、いわゆるギャルのような恰好だった。
続けて磯部は「へぇ~助手とかいるんだ~なんか思ってた雰囲気と違うな~」と少し小バカにするような口調で言った。
俺は苦手なタイプが来たという感情はあったが、疑問の方が遥かに勝る。なぜここへ来て訪れたのか。とても死に急ぐタイプには見えない。なにか企みでもあるのか。彼女は磯部になにも疑問を抱かないのだろうか。
すると彼女(夜川さん)は磯部を客室へ案内し始めた。俺は後をついていく。
「ここが実行を行う部屋です!」と彼女(夜川さん)は言って、磯部はベッドに座り、肩にぶら下げていた小さなポーチを足元に置いた。
そして、おおかたの説明を終えた後、磯部は「なんか部屋も全然イメージと違うね。童話の世界みたい。あっ!私の名前アリスだから丁度いいかも!」と磯部はきゃぴきゃぴとした笑顔で座りながらベットで身体を跳ねさせる。
アリスは本名だったのか。俺はそう思いつつ無意識に、その大胆に露出させた磯部の腿や鎖骨に目がいく。
「私アリスって名前は気に入ってるんだけど、磯部ってなんか田舎臭くない?」と磯部は他愛のない会話を続けた。
会話に一通り区切りがつと彼女(夜川さん)が「では実行はいつにされますか?」と尋ねた。
「ん~確か3日間この部屋借りれるんだよね?じゃあもうちょっとここを楽しみたいからまた明日決めていい?」
「かしこまりました。」と彼女は軽くお辞儀をして俺と共に部屋を出る。
磯部は死ぬことを恐れている様子はまるでないようだが、中尾のように覚悟を決めてここへ訪れたようにも見えない。ある意味、彼女(夜川さん)より読めない。日常の世界ならこんな風の人間は大勢いるが、場所が場所なだけに完全に浮いて見える。一体何を考えて......
そして、大部屋へ戻る途中の道で彼女が突然「沢辺さん、今回の実行は私一人で行いますね。」と言った。
「え?」俺は疑問に思い、彼女へ視線を向ける。すると彼女は真剣な眼差しでどこか遠くを見据えるような表情を浮べていた。これはあの時、俺を説得してくれた眼と同じだ。彼女は磯部を見て何かを感じ取ったのだろうか。
しかし、俺はここで「いえ、僕も同行します!」と言った。なにが俺をそうさせたのか自分でもよくわからないが、ここは良い結末であろうと悪い結末であろうと最期まで見届けたい。そう強く思った。
彼女は少し困惑した表情を浮かべ、「......わかりました。でも、いざとなったら部屋を出ても構いませんからね。」と緩く、少し引きつった笑顔でそう言った。
俺は疑問を抱きながらも「.....わかりました。」と答えた。
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次の日の夜、「沢辺さん、磯部さんが呼んでますので客室に行ってあげて下さい。」
「え?まさか、実行ですか.......?」
「いえ、なにか沢辺さんと話がしたいみたいです。実行は今日も見送ると言ってました。」
俺は戸惑いながらも「わかりました.....。」と承諾し、客室へ向かった。
コンコンとドアのノックさせると中から「どうぞ~」と声がした。
「失礼します」と言って俺は中へ招き入れられた。
磯部はベッドの前に椅子を置き「そこに座って」と椅子の方を指差しながら言った。
俺は警戒しながらも指示された椅子に座る。磯部もベッドに座り、正面に向かい合う形となった。磯部はこの客室の付いてある風呂を利用した後だったのか、最初の印象とは異なって視えた。寝間着の姿は先ほどの露出させた姿とは違い、上下薄いピンク色を纏い、サラサラとした金色の髪はまだ少し濡れており、きつかった香水の匂いはなく、心地よい程の薔薇の香りを部屋中に充満させ、落とされた濃い化粧の下からは透き通るような白い肌を覗かせている。このおとぎ話に出てきそうなベッドに座る磯部、もしこの状態でアリスと名乗れば誰もが頷くであろう。とても絵になる。
そんな事が脳内を駆け巡る中、磯部の潤った唇が動いた。
「沢辺くん......だったっけ?」
「はい。」
磯部は先ほどのチャラけた雰囲気とは打って変わり、見据えたような表情で続けた。
「沢辺くんは死体を直接見たことがある?」
俺は質問の意図がわからず多少慌てふためきながら「いえ、ありません。」と答えた。
「じゃあ、死体を見る覚悟はある?」
真剣な眼差しで訊く磯部、この時俺は中尾を思い出した。覚悟を決めて自分の死と真剣に向き合っていたあの時の中尾を、今の磯部からもその覚悟が犇々と伝わって来る。いや、あの時の中尾以上の雰囲気を醸し出している。そして俺は姿勢を正し、背筋をまっすぐ立て、はっきりとこう答えた。「はい、あります!」
すると磯部は、「そう、ならいいんだけど。」と言った。俺は少し肩透かしされたかのような気分になる。
「話はそれだけ、もう出て行っていいよ。」と手で払うようなジェスチャーをして、視線を外した。
俺は「え?あ、失礼します。」と部屋を出た。
自室に戻る最中に俺は質問の意図を思考する。「死体を見る覚悟はある?」か......まるで死体を見て、狼狽える者などその場に要らない、邪魔なだけだと言われた気分だった。彼女が言った言葉が脳裏に過る、「今回の実行は私一人で行いますね。」彼女には磯部の深い闇の部分が視えていたのだろうか。だが、今の磯部を視て俺も少し意味がわかった気がした。そして俺はそれを見届ける。そう心に誓った。
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次の日の夜、その時は唐突に訪れた。
「沢辺さん、実行です。」
ゴクリと生唾を呑む。ついにその時が来てしまった。今回は中尾のようにはいかないだろうと俺は確信を持っていた。彼女と共に客室へ向かう。覚悟は定まっていたはずが、緊張のあまり脚がフワフワしたような感覚に陥り、自分がしっかりと歩けてるかわからなくなる。額や掌からは汗が滲みでていた。そして客室のドアをノックする。
「どうぞ~」と軽やか声が聞こえ、俺と彼女は部屋に入った。
磯部はまた客室の風呂を利用したようで、上下薄い青色の服を纏い、顔には、ほんのりとしたメイクが施されていた。心地よい薔薇の香りを漂わせながら磯部は言った。「やっぱり、最期は綺麗な状態にしたいなって。それにこの服も、私童謡のアリスって青色のイメージなの。だからそれに合わせたんだ~」と口にする磯部、覚悟は既に決まっている表情を浮かべてはいるが、どこか切なくも視える。
「では......」と彼女(夜川さん)が切り出す。
俺は点滴の用意をして針を刺そうとした時.......「ちょっと待って。」と磯部が声を上げた。
俺は直前になって怖気づいたのかと思ったが磯部は自分のポーチを開け、中からなにかを取り出した。
「あっ」と彼女(夜川さん)が声を上げた。その後は一瞬の出来事だった......
磯部はポーチからサバイバルナイフを取り出し、自分の喉仏を一突きしたのだ。
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首元から流れ落ちる大量の血液で薄い青色の服は一瞬で濃い赤に染まり、前へ倒れ込む。
カーペットの色が血液で赤く染み渡っていく。倒れた勢いで首に刺さったナイフがさらに奥へ食い込み、出血量は増す。俯きの姿勢となった磯部は少し顔を横向けていたが、サラサラの綺麗な髪で覆い隠されていた。先程まで元気に動いていた人間がまるでマネキンのように動かなくなる。これが死というものだと俺は全身で感じ取った。そして気付けば涙が滝のように溢れ出ていた。これは何の涙なのか。悲しさの涙なのか。死への恐怖の涙なのか。はたまた現実の恐ろしさを目の当たりにした絶望の涙なのか。俺にはわからなかった。嗚咽が止まらない、手や足がガタガタと震える。覚悟はしてたつもりだったが、いざ目の当たりにすると、声も出ないほど残酷だった。
ふと彼女を見ると瞼を閉じ、手を合わせて拝む姿勢をとっていた。なぜ彼女はこんなにも冷静でいられるのか。俺は震える手でなんとか手を合わせ、彼女と共に拝む姿勢をとった。
その後も俺は子供のように泣き喚き、彼女はそんな俺の背中を擦ってくれた。この時の安心感は何とも言えないものだった。
一通り泣き終わり、少し落ち着きが出てきた。なぜ磯部は安楽薬を使わず、自分のナイフで自殺を行ったのか、そんな疑問もあったが、その前に彼女に訊きたいことがあった「なんで夜川さんはこの人が本当に死ぬとわかったんですか?」と俺は自然と口にした。
すると彼女は磯部の方に近づき、磯部の長袖を捲り、手首を指さす。
「これです。」
そこには複数回行ったであろう、痛々しい切り傷が両手首にあった。
「リストカット......ですか......でもどうしてわかったんですか......?」
「磯部さんの服装です。この村に来た時、肩や腿を大胆に露出してたのに、なぜか腕だけは長袖でした。季節も季節ですし、それでもしかしたらと思ったんですよ。」
「なるほど、確かにそう考えると不自然でしたね......でも.......それだけでは.......」
「後は長年のカン.....ですかね。」と彼女はどこか切ない横顔でそう言った。こんな残酷な場面を彼女は何回見て来たのか。何回見ればこんな冷静でいられるのか。俺が彼女のように振舞うには後何回必要なのだろうか。俺は様々な考えを頭に浮かばせる。そして磯部の方を見た。
すると、なんだか違和感がした。背中の皮膚が不自然に膨れ上がっていた。服自体は薄い素材だが、まだ下に着こんでいるようなので、どうなってるかはわからないが、膨れている部分もあれば窪んでいる部分もある。とにかく不自然だったので彼女に「背中.....なんか変じゃないですか....?」と訊いてみた。
すると彼女は背中に目をやり「確かに、不自然ですね......」と恐る恐る背中を捲り始めた。
俺はそれを凝視した。そして捲り終えると同時に俺は声にならない声を上げた。
「わっ....!」
見ると背中一面に大きく雑な文字で『マサル』と縦文字で切り込まれていた。墨などではなく、直接刃物で切られていたその皮膚からは、汚いがはっきりした文字で痛々しいミミズ腫れが出来ていた。
「........」
しばし無言の時間が部屋を支配する。すると彼女が口を開いた。
「表しか視えなければ、世界はなんと美しく、色鮮やかに視えることだろうか。」
「え......?」
「あっ、よく祖父に言われてた事なんですよ。当時は意味がわからなかったんですけど、今ならちょっとわかる気がして。」と彼女は少し微笑みを見せた。
確かに、彼女(磯部)は表の表情は常に明るく、裏の表情を上手く隠していた。なにを想って逝ったのか、なぜ自らの手で首を刺したのか。なにが彼女をここまで追い込んだのか。様々な憶測は飛び交うが、真実はどれだけ考えても不明である。
「沢辺さん、磯部さんをこのベッドに運びたいので、手伝ってもらえますか?」
「.....わかりました。」
俺と彼女は共に磯部をベッドに運び、首のナイフをゆっくり抜いた。血が飛び散っていたが彼女は表情を変えずにシーツを首元まで掛ける。彼女なりの配慮なのだろう。
そして俺は率直な疑問を彼女に投げかけた「この死体って......その.....この後どうするんですか?」
「明日、回収の業者がここへ引き取りに来ます。」と彼女は答えた。例の組織だろうか。
「その後は....?」と俺は続けて質問を投げ掛けた。
「その後は私もわかりませんが、少なくても家族の元へは渡りません。」
「......」
薄々わかってはいたが、いざ言葉にされると、なんだか現実を叩き付けられたような深く残酷な気持ちに陥る。
「そろそろ戻りましょうか。」
「はい.....。」
部屋を出る直前にベッドの方に視線を向け、彼女(磯部)の顔を伺った。その顔は透き通るような綺麗な肌で瞼が閉ざされている。口元が少し微笑み、安堵の表情を浮かべているように視えた。そして部屋のデザインもあってか、その光景がなんだか美しく、神々しいと感じた。俺はこれまでの人生もそうだが、これからの人生でも、こんなに「アリス」という名前に相応しい人間に出会う事はないだろうな。
と、ぼんやり思った......。
続く
作者ゲル
4話目になります。今回はちょっと切ない感じになりました。
https://kowabana.jp/tags/自殺村
追伸
これまで頂いたコメントの返信を見返していて気付いたのですが、コメントを下さった方の名前の後が呼び捨てになってしまってました。大変失礼いたしました。