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短編2
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≪三題怪談≫縁日

今夜は縁日。

神社の境内に通じる石畳の道の両側には、たくさんの屋台が所狭しと軒を連ねている。

すっかり陽は暮れ、電飾の提灯や屋台の灯りが、縁日のムードをより一層盛りたてている。

かなりの賑わいだ。

そこに、仲睦まじい親子が一組。

大好きなヒーローのお面を被り、右手にリンゴ飴を握りしめた子どもが、父と手をつなぎ歩いていた。

真っ赤な飴でピカピカにコーティングされた見た目に一目惚れして、初めて買ってもらったリンゴ飴。

食べるのがもったいなくて、一口も食べずに握りしめていた。

けれど、行き交う人とぶつかりそうになったので、父親にせがんで肩車をしてもらうことに。

人の壁を縫うように歩いていたさっきまでとはうってかわって、今はノッポで楽チン。

子どもは最高潮の気分だった。

が、その時だった。

強烈な衝撃が親子を襲った。

それは、祭ゆえの不運な事故だった。

屋台のために突貫工事で張り巡らされた高圧電線の一本が抜け落ちて垂れ下がり、たまたまその下を通りかかった親子が接触してしまったのだ。

肩車をしていたために届いてしまったこと、興味本意で子どもが電線を握りしめてしまったことも、不運であった。

親子は繋がったままバリバリと音をたてながら、小刻みに痙攣を続け、数秒後、意識もなくバタリと石畳の上に倒れ込んだ。

親子からは焦げ臭い匂いと煙が立ち上っている。

子どもが手にしていたリンゴ飴は、表面の飴がドロドロに溶けてブクブクと沸騰し、一瞬にして見るも無惨な姿に。

子ども自身もまた、被っていたプラスチックのお面がドロドロに溶けて、顔面にへばりつき、リンゴ飴と同じ様に…。

Concrete
コメント怖い
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天国から地獄とはこのことですね。
親子の無念さが伝わってきました。

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