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中編3
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母さん?

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あれは私がまだ小学5年生くらいの時なので、今から10年以上前の話です。

冬のある日、私は風邪をひいてしまい、学校を休んで2階の部屋で寝ていました

午後4時を過ぎた頃に目が覚めた私は、水を飲もうと階段を降りて1階の台所に行きました。

台所では母が夕飯の支度をしているのか、包丁で食材を刻む音が聞こえ、味噌汁の香りが病み上がりの気だるさを和らげてくれました。

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私は『母さんおはようー今日の夕飯は何ー?』と聞きながら、冷蔵庫を開けて中から缶のジュースを取り出し飲みました。

母さんはキッチンの方に向いたまま『今日は肉じゃがよ』と言いました。

ただ、その後に『※※※※※』と、何か喋ったのですが何と言ったのかは聞き取れませんでした。

いや、聞き取れないというより、知らない言葉を聞いたような感覚でした。

『え?今なんて言ったの?』と聞きましたが、母さんは何も答えず夕飯の支度をしていました。

気のせいかな?と思い、ジュースを飲んだ後トイレに入りました。

トイレで用を足していると、誰かが階段を登っていく足音が聞こえたんです。

あれ?母さん、夕飯の支度してるのに2階に上がった?と思い、トイレを出た後2階の自分の部屋に戻ろうと階段を上がりました。

ところが…何か嫌な感じというか…変に胸がざわつく感じがしたんです。

あれ、また風邪がぶり返したかな?と思った私は、夕飯が出来るまで横になろうと2階に上がった途端に違和感を感じました。

さっきトイレにいる時、確かに2階に上がる足音を聞いているのですが、2階に誰かいる感じがしないのです。

2階は私の部屋と父さん、母さんの寝室、物置にしてる部屋しかありません。

念の為に2階の全部屋を覗いてみましたが、やはり母さんはいませんでした。

父さんはまだ仕事から帰ってくる時間じゃないし、2階に上がったとすれば母さんしかありえない。

何か薄気味悪い感じがして、そのまま1階の台所に行きました。

台所で夕飯の支度をしている母さんを見た時、私は声も出せず固まりました。

そこにいるのは確かに母さんなんです。

だけど…母さんの周りに黒いモヤというか…煙のようなものがまとわりついているんです。

すると、母さんが『もうすぐ※※※※ご飯できるからね、※※※※待っててね※※※※』と、先程と同じように聞き取れない言葉を混ぜながら言いました。

その聞き取れない言葉が何故かひどく怖くて、私は足を震わせながら、母さんの後ろ姿を見ていました。

母さんが何か喋っているのですが、段々とわからない言葉の方が多くなってきて、ほとんど何を言ってるのかわからなくなりました。

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そして、ゆっくりとこちらを振り向き始めたんです。

私は直感で「母さんの顔を見ちゃいけない!」と思いました。

それでも…身体は金縛りにあったように動けず、母さんの横顔が見え始めた時でした。

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玄関の方からガチャと音がなり、ドアが開く音がしました。

その後すぐに『ただいまー!サオリー起きてる?』と母さんの声が聞こえたのです。

その瞬間、身体は動くようになり、私は玄関へ向かいました。

そこには、買い物袋を両手に抱えた母さんがいたのです。

『え?!母さん、今夕飯の支度してたよね?!』と私が言うと『何言ってんの?今買い物から帰ってきたのよ?』と言われ、私は頭が真っ白になりました。

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すぐに台所に戻りましたが、ほんの数秒前にいたはずの母さんの姿はなく、包丁もまな板も鍋も使われていない状態でした。

そんな…じゃあさっき見た母さんらしき人は誰?

階段を上がっていったのは何だったのか?

そして…あの聞き取れない言葉の意味は何だったのか?

幼い頃に体験した奇妙な出来事ですが、未だに謎が残ったままになっています…

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父親が 再婚してるか?愛人がいるかでしょうけれど 、それなら話が合いますね!

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