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短編2
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心霊写真

修学旅行から帰って数週間。クラスの浮き足立った雰囲気も落ち着いた頃。

だが、旅行中に撮った写真が現像されたというので今日は朝からその話で持ちきりだった。

何でも、その中の一枚が心霊写真だったのだそうだ。

全体で撮った記念写真、お調子者の男子が変顔で撮った一枚、女子数人がお揃いのポーズで写っている写真…

僕も数枚見てみたが、なんの変哲もない写真ばかりだ。

僕が入っている写真も見てみたが、それらしいものは写っていなかった。

例の心霊写真とやらは他のクラスメイトが見ているようで、僕が見られるのは先になりそうだ。

まあ心霊写真はまた後で見せてもらえば良いかな、と諦めて自分の席についたところで仲良くしている伊藤がやって来た。

「おーお前も見たか、心霊写真!スゲーぞあれ!」

首を横に降ると、なんだよーと呆れたように言った加藤は僕の席まで例の写真を持ってきてくれた。

「この佐藤と田中のツーショットなんだけどさ、

ココ!見ろよ、

佐藤の肩に手が乗ってるんだぜ!

それだけじゃなく田中の足も消えてるんだよ。ヤバくねえか?」

確かに、僕も写真を見たとき背筋がぞわりとして逃げ出したくなった。

だが、興奮気味に語る伊藤には悪いが細部はよくわからなかった。

写真から目を背けたい気持ちとは裏腹に、僕の視線はそれに釘付けとなる。

クラスのざわざわとした喧騒が遠のき、悪寒が走る。

僕が見た写真には佐藤も田中も写っていない。

いや、写っているはずだが、見えないといった方が正しいか。

そこには真っ白な着物を着て黒い長髪を振り乱した恐ろしい形相の女がいた。

その女で後ろの風景も見えないに等しい。

不意に女の目がギョロリと動き、僕の目と合った。

そしてニタリと不敵に笑ったそれの口が動く。

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「ミ タ ナ」

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