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中編4
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小話その3 ゴキブリ

夏の定番 ゴキブリ

もうね・・・この連中が動き始める季節になると・・・

「パパ!!!!出たぁーーー!!!」

突然の悲鳴が聞こえてきて私は目が覚めた

楓の悲鳴は家中に響いた

私はてっきり・・・お化けが出たのかと思い慌てて仏間へ走った

仏間では楓が一人パニックに陥っていた

オヤジやおふくろは唖然と楓を見ていた

「じっちゃ!!あそこ!!ほら!!あそこにいるぅ~~~」

「おぅし!!楓ちゃんをイジメた奴はじぃじぃが仕留めてやるぜ!!」

バシッ!!!!

1発KO

私は唖然とした・・・・なんか・・・なんとなく・・・ゴキブリがこっちを見たような感じがした・・・

ゴキブリを仕留めて機嫌のいいオヤジ

今何時だ?・・・げっ・・・まだ0時を過ぎたばかりだ・・・

こんな夜中に・・・一気に眠気がきた

自分の寝室へ・・・もう眠い

ベッドへ潜り込んですんなりと眠りについた

時間はどの位過ぎたのだろうか・・・

なんか・・・モゾモゾ・・・私は目が覚めた・・・ここはどこだ?

台所かぁ・・・でもなんか・・・高さが・・・こんなにも高かったかな・・・

少しお腹すいたな・・・ほぉ・・・うそぉ・・・楽に上へ上ってる

よっこらしょ・・・ほかにも3匹・・・いや3人・・・よく見ると・・・楓・葵・カナちゃんが先に来て何か食べてる・・・

え・・・え!?・・・こりゃ・・昨日の夕飯の残りだ・・・ウヘェ・・・

何を食べてるんだあの3匹・・・3人は・・・

一気に部屋が明るくなった・・・

「「うっし・・・今のうちに冷蔵庫から酒を・・・えへへへ」」

なんか上空に黒い影が・・・なんだ???・・・ドンッ  

私は何とか逃げ切った・・・・

「「げっ!!!!ゴキブリ!!!こいつら!!昨日の残飯漁りに来やがったか!!

4匹もいやがるぜ・・・チッ・・・殺虫剤はどこだ?

あった!えへへへへ・・・・あばよ!ゴキ公!あの世へ行きな!!!」」

ブシューーブシューー

グワァ・・・息が苦しい・・・楓!!!葵!!!カナちゃん!!!

よく見ると3匹いや3人が苦しんでた・・・

「ぐわーーーー!!!!死ぬーーーー」と私は大きな声を叫んで飛び起きた

「パパ!!!大丈夫?どうしたんだぞ?」

私は辺りを見回した・・・

夢かぁ・・・・

なんちゅう夢を見たんだ

首周りには汗でビショビショ

仏間から3人娘の悲鳴

またか・・・・私はよろけながらも仏間へ行った

3人娘の様子がおかしい

3人とも・・・なにか苦しんでる様子

私は慌てて3人娘の名前を呼んだ

「楓!葵!!カナちゃん!!!」

「「パパが!!!死んだ!!!息が苦しいよ・・・・」」

「「楓姉ちゃん・・・しっかりするんだぞ・・・パパ!!」

「おじちゃんが・・・・葵ちゃん・・・苦しいよ」

なんかすごい寝言を言ってる

「おいおい・・・大丈夫か・・・」とオヤジの情けない声

私は振り返って呆然とした

オヤジの手には酒と殺虫剤を持って立っていた

「おい・・・オヤジ・・・手に持ってるもの何だよ」

「え・・・これか・・・まぁそのぉ・・・喉が渇いたんで・・・リビングへ・・

冷蔵庫を開けて酒があったんで・・・酒を置いて横を見たら・・・夕飯の残飯によ・・

4匹のゴキブリがいてよ・・・殺虫剤ないかなとあたりを探したらあってよ・・

そのまま・・・ブシューー ってな・・・4匹のゴキブリ・・・なかなか死なないんで何回も殺虫剤をかけてやったぜ・・・その中の大きめのゴキブリはあっさりとくたばりやがったけどな・・・残りの小さめ・・・まだ子供だな・・・3匹はなんかパタパタともがいてたな・・まぁ・・見ててもつまらんから仏間へ戻ってきてよ・・・そしたら・・・」

「オヤジよ・・・その殺虫剤をかけた3匹の子供ゴキブリ・・・楓・葵・カナちゃんだよ」

「はぁ???何を言ってやがる・・・ゴキブリだぞ!」

「それでな・・・大きめのゴキブリは 俺だよ・・・」

「え?・・・・意味が分からん・・・」

オヤジはどうなっているのか理解できずに呆然と立っていた

私は3人娘たちを体を揺さぶった

なかなか目を覚まさない

揺さぶり続けてやっと3人娘たちは目が覚めた

よかった・・・・

「パパ!!!怖い夢を見たよ・・・パパが死んじゃったよ」

と楓が泣き出した

「あたちもだぞ・・・息が苦しかったんだぞ・・・」

「カナも・・・・」

「じっちゃ・・・ひどい・・・私たちに殺虫剤をかけた!!楓!じっちゃを許さない」

「あたちもだぞ!!じいちゃ!!!」

「じぃじぃ・・・ひどい・・・カナも許さない」

「へ・・・?・・・夢だろ・・・殺虫剤!?・・・」

「じいちゃ・・・その手に持ってるもの何?殺虫剤でしょ!!」

楓の怒りの声

オヤジはびっくりして酒と殺虫剤を落とした

「オヤジ・・・現実に殺虫剤をかけたのは間違いないだろ?」

「確かにゴキブリにかけた・・・でもよ・・・なんでゴキブリにかけて孫娘たちは怒ってるんだ?」とオヤジは全然理解していない顔をしていた

それから1週間孫娘たちはオヤジを無視した

オヤジの憔悴した顔を初めてみた

やはり女子だな・・・怒らせると怖い

Concrete
コメント怖い
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いつもありがとうございます

叩かれたゴキブリを見て何となく「可哀想」という感情がわいたのかもしれません
心の隅に「申し訳ない」という感情が夢に現れたのかもしれません
まさか娘たちも同じ夢を見ているとは思いも知りませんでした
夢の中で3人娘たちはゴキブリの姿ではなくきちんとした人間でした
それを「3匹いや3人」と言うあたりに何か不思議な感じもありました
現実にオヤジが殺虫剤で殺していたとはこれもびっくりでした

やはり・・・生き物をむやみに殺してはいけないという仏様のお伝えでしょうか?
とはいえ・・・ゴキブリ・・・殺さなくては・・・・」

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