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短編2
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金縛り < 妻

二十代の頃。眠っていると、しょっちゅう金縛りに遭っていました。

金縛りは科学的に解明されていると分かっていても、最中は怖くて苦しい。

この時ばかりは、お経に縋って頭の中で唱えたり、キツく目を閉じてひたすら耐え、

必死に抵抗してやり過ごしていました。

そうしている間に意識が無くなって、朝になっていたり、金縛りが解けて安堵して寝る事もありました。

金縛りって、疲れますよね。

体を動かせないのに力が入るし、圧迫に負けた時が何か怖くて力を抜けない。

今日も来るのかと思うと、寝るのが億劫になっていました。

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また金縛りに遭った夜。

これから始まる毎度の流れにうんざりして、初めて抵抗するのを止めようと思いました。

(あー!もう、面倒くさい!取り憑くんでも何でも好きにしろ!)

と、いるのかどうかも分からない者に思い、パタリと力を抜いて無抵抗になりました。

何かに押されるような気持ち悪い感覚があるのですが、

(もういい!勝手にしろ!)

と、そのままにした所。

解けて寝たのか、意識がないまま寝たのかは覚えていませんが、朝になっていました。

その日から、金縛りに遭った記憶がありません。

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全く根拠のない偶然の方法ですが、

"来るなら来やがれ!"という気持ちになったから、遭わなくなったのか。

"来るかも"という恐怖心を抱えて眠っても、眠りが浅くなって金縛りに遭いやすそうですよね。

後は疲労が少なくなったか、加齢(…うっ。)

かもしれません。

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この話を職場の同僚にした所、面白がって、笑って聞いてくれました。

彼女は金縛りの経験は無いそうですが、旦那さんがよく遭うそうで、夜中に隣でうなされていると言っていました。

旦那さんから、

"すごく苦しいから、金縛りに遭ってたら起こして"

と言われており、気付いた時は起こしていたそうです。

うなされてる間は、すごく苦しそうで、呼吸が出来ていないように見えるとの事。

…でも彼女は、旦那さんとケンカをした夜は、"ざまぁ見ろ"と、起こさずに眺めているそうです。

(反対に、子供が夜泣きしていた時は、熟睡中の旦那さんに腹が立ち、子供の泣き声を耳元で聞かせて、起こしていたそうですが。)

私の我流の方法も「教えよっかなー。どうしよっかなー。それで金縛りに遭わなくなって、弱みが無くなっても嫌だしなー。うーん。考えてみます。」

と、笑っていました。

…金縛りより妻の方が、怖くて強いのかもしれませんね。

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@りこ 様。コメントと、いつも怖ポチありがとうございます!
お父様もそうでしたか!
私は、直前に眠りが浅くなり、ざわざわして気持ち悪かった記憶があります。
やはり力が入ると、さらに金縛りを加速させてしまうのかもしれませんね。
ちなみに私もゼロ感です。

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