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車怪、車影(しゃえい)の幻に救われた話

短編1
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車怪、車影(しゃえい)の幻に救われた話

コンビニで少しばかりの買い出しを済ませて、広い駐車場から出ようとするも、出る場所を失念して縁石が無い車道の見える場所を私は一瞬見失ってしまい、少々乱暴にハンドルを切りながら、後退のギアに入れたままこれまた若干、強めにアクセルを踏んでしまう。

「?!」

一瞬、バックミラー越しにライトの点いていない大型車───トヨタのランドクルーザーよりは少し小さい、いわゆるSUV車が黒光りしながら後ろを横切った様に見えた為、私はクっとブレーキを踏む。

僅かな冷や汗をかきながら、私は再びバックミラーを見るも、SUV車は影も形も無く、向こうに黒の大型セダン車が一台停まっているだけだった。

ほんの数秒の内に急に消えるとは考えにくいが、数日前に、無理矢理車線変更をした白いセダンの後ろを走っていた私は、危うくぶつかりそうになって、ググっとブレーキを踏んで間に合ったなんて事が有った為、出入り場所を失念したこちらに呆れて、黒のSUV車が守ってくれたのかなと考えていたり。

「運転が楽しいなら、より周りに気を付けろよ」と。

Concrete
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