短編2
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追い抜きおじさん

シャーシャーと僕は今日も学校まで自転車を漕いでいた。

前を走るおじさんらしき人がトロトロともの凄く遅い速度で走っていた。

後ろから見てみると、ボロボロの長袖に髪はボーボーに生えた感じでかなり汚かった。

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あまりにも不快な姿にサッサと追い抜いてしまおうと思った。

速度を上げていると、僕の後ろから僕よりも速い自転車がさっそうとおじさんまで追い抜いていった。

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その自転車に乗っていたのは僕よりも年上のお兄さんのようだった。

お兄さんはおじさんを追い抜く時に振り返っておじさんの方を睨んでいた。

「トロトロと走ってんじゃねぇよ!」そう言っているような表情だった。

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驚いたのはその後だった。おじさんが片手運転で急激に速いスピードで自転車を漕ぎ始めた。

おじさんのもう片方の手は懐にあるようだった。

そのままおじさんは自分を追い抜いたお兄さんのところまで一気に迫り、、、

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スパン!!!

懐から一気に出したカマでお兄さんの首をはねた。

お兄さんの頭が地面に転がる。

僕はあまりのことに声も出せないまま固まって動けなかった。

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おじさんがゆっくりと近づいてきて僕にそっと

「君も追い抜こうとしたらこうなるからね」

と言ってきた。

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あの時、追い抜いたのが自分だったら間違いなく死んでいただろう。

不思議なのはその日死んだお兄さんはおじさんではない別の要因による事故死として報道されていたことだ。

皆さんも怪しい自転車を見たらご注意を

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