「テント」と「死んだ・・・」

長編14
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「テント」と「死んだ・・・」

ちょっとした問題が発生した

S君のイビキだ

とにかくひどい

家中に響き渡っている

ラップ音よりS君のイビキのほうが怖い

F子もキレていた

家族会議?の結果・・・S君が家に泊まるときはテントということで全員一致で決まった

それを聞いたS君は怒りまくっていた

「えええ!!!それじゃ家に帰った意味ないじゃないか

テント・・・って・・・・庭でテントを張って一人で寝ろ、ってか・・

いや・・・せめて・・・廊下に・・・え・・・ダメ!!!って・・・・

おやっさん!!助けてください!!」

「あ・・・Sちゃん、テントな」

あっさりとオヤジから切られた

3人娘たちも怒っていた

勝手にジュースやお菓子をS君が食べてるのを知っていた

誰一人助けるものはいなかった

キャンプ用のテントは我が家にあった

毎年恒例の屋敷内でのキャンプで使っているもの

一式は揃ってる

文句をたれながら一人でテントを組み立てていた

夕食も終わりそろそろ睡眠の時間

「アニキ!ちゃんとテントの中で寝るんだよ」とF子のきつい言葉

「え・・・」とショボンとして庭へ出て行った

もちろん手にはお酒とおつまみをもって・・・

書斎室の窓から庭を見た

一人・・・テントの中でお酒を飲んでいた

ちょっとな・・・かわいそうな気がしてきた

でも・・・あの大音響のイビキはな・・・

もう0時を過ぎていた

テントの中の明かりは消えていた

もう寝たのかな

グォーーーグォーーー

聞こえてきたS君のイビキ

私もそろそろ寝よう

朝にS君から昨日の夜のあったことを聞かされた

「F・・・昨日な・・・俺一人テントだったろ・・・・

まぁ・・完全に一人じゃないからと開き直って酒を飲んだわけよ・・・

あれ・・・何時頃だったかな・・・酔いもまわってきたせいかなと思っていたけど・・

なんか・・・庭から外へ通じるあの柵あるだろ・・・あの辺あたりから足音が聞こえてきたような気がして柵あたりを見たんだけどな・・・誰もいない・・・あぁ・・酔ってきたな・・と思い、横になったんだけどね・・やはり・・・足音が聞こえてくるんだよ

耳を塞いでも聞こえてきた・・・それで寝返りをして反対方向へ体を向けたんだよ

背後から足音が近づいてくるような感じがしてじっとしてた

いつの間にか寝てたみたいで・・・ふと目が覚めた

時計を見たら午前3時過ぎ・・・・まだ、あたりは真っ暗でよ・・・

それで・・・ふと客間の窓あたりを見たら

なんとなく・・・人影のようななのがカーテン越しに見えたわけよ

てっきりカナちゃんのママが立っているかと思っていたけれど

すぐに違うと感じたよ

すこしゾクッとして目線を地面に移してまた窓あたりを見たらその人影らしいものは無かったんだけどな・・・

また、今晩、テントで寝るの・・・嫌だぞ・・・」と愚痴をこぼした

まぁ・・・確かにな・・・いくら庭でもな・・・一人でテントの中にいると・・・気持ちはよくわかる

それで私はテントの周りをあの100円ライトで四方を明るくすればいいと思い100均で新しいライトを4つ買ってきた

決して庭が暗いわけではないけど少しは落ち着くかと思う

「まぁ・・・多少は落ち着くでしょ、な、S君」

「まぁ・・・暗いよりは明るいほうがいいけどな・・・酒を飲んでるときは助かるかな・・スマホでTVも見れるし・・・まぁいいや・・・でもよ・・・冬になってもテントかな?凍死するぞ」

たしかに・・・冬キャンプになるよな・・・

それよりもイビキを治さないとな

イビキ対策用のグッズも買ってきた

今夜で実験だ

夕食が終わり各々の時間を過ごしていた

「さぁさ・・娘たちよ・・・もう寝る時間だよ・・・じぃじの後について行くんだよ」とおふくろが3人娘たちを仏間へ行くように促していた

オヤジと3人娘たちは仏間へ行った

おふくろたちと世間話をしていたが眠くなってきたということでおふくろたちは部屋へ行ってしまった

もう午前0時を過ぎていた

「俺もよ・・・少し酒を飲んだら寝るよ・・・これ?本当に効くんかな・・・」といつつ庭へ出て行った

一緒に私も庭へ出た

100円ライトがいい演出をしていた

もう少しまぶしいのかと思っていたがおもいのほか柔らかい光だ

「こりゃすげーな・・・酒がどんどん進みそうだぜ!」と言いながらテントの中に入りお酒を飲みだした

まぁ・・・これだけ明かりがあればいいでしょ

さてと・・・私は顔を上にあげた月が見えた

星はちょっと見づらい

今夜は月夜でさらに庭は明るい

ソファで寝ようかな

コツコツと足音が外から聞こえてきた

なんとなく女性かな・・・

こんな深夜にね・・・

イビキが聞こえてこないからまだ酒を飲んでるのかな

もう午前1時を過ぎた

少し様子を見に行った

テントの中は明かりがついていない

もう寝たんだな・・・

リビングへ戻りソファで横になった

いつの間にか寝てしまった

朝起きると朝食の準備でドタバタしていた

眠そうなS君が声をかけてきた

「おい・・・全然眠れん・・・テント生活はもう嫌だ

明るいのはいいけど・・・

また足音が聞こえてきてな・・・

裏側の道路から聞こえてきたんだよ

こんな夜更けに誰だろうと思って聞き耳立ててた

3~4人位かな・・・・・・足音が聞こえてきた

どうも行ったり来たりしてるような感じだった

俺は直感的に人間じゃないと思った

耳を塞いで寝ようとしたけど寝れん

和尚様が言った通り間違いなく霊道だぞ

家の結界があるから入ってこれないんだろうとは思うけど

もうな・・・限界だぞ

せめて2階の部屋で寝かせてくれ」

あまりにも悲痛な頼みに2階の娘の部屋で寝てもらおう

「えええ!!!!ちょいちょい、パパ、困るぞ

おじさんのイビキで今度は俺たちが寝れんじゃん

おじさんはテントで寝てくれ」と匠の悲痛な声

困った・・・・

「仕方ない・・・S君はテントで寝てくれ」

「え・・・・いや・・・怖いんだよ・・・酒を飲んで酔ってはいるけどな

酔いが覚めるのが早いんだよ・・・家族が傍にいるのはわかってるけど

庭で一人ポツンといるのは違和感を感じるんだよ

とはいえ・・・俺のイビキか・・・・仕方ない」

夜になり一人テントへ行くS君

さすがに娘たちも同情したのかギリギリまでS君の傍にいることになった

「Sおじさん・・・大丈夫?」

「まぁ・・あんまし・・・楓ちゃん、葵ちゃん、カナちゃん、ありがとな・・・後1時間ほどテントにいてほしい」

「うん!わかったんだぞ!おじさんの傍にいるんだぞ」

「カナも・・・」

1時間ほどS君と3人娘たちはおしゃべりをしていた

「Sおじさん・・・なんとなくわかったような気がする・・・なんか・・

空気が違うよ・・・昼間の庭の感じと違う・・・」

「だろ?なんか得体のしれない不安感が襲ってくるんだよ・・・傍に家族がいるという安心感と庭のテントの中で一人という言い知れぬ不安

撮影ロケ中は結構山奥に入ってテントの中でも寝るんだけど・・・それとは全然違うんだよ

山奥のほうがF子もいるけどやはり不安なんだけどこの庭のテントの中に一人だと別の意味での不安が襲ってくる」

「うん!それそれ・・・私も感じてるよ・・・なんだろうね・・・やはり空気なのかな・・・それとも庭だからなのかな・・・夜だから?シーーンとして静かだからなのかな?

「静かなのも一因だと思う・・・家の中だと家族の声や物音が聞こえるからね

テントの中だと何も聞こえない・・・まぁ・・虫の声や裏の田んぼからカエルの声は聞こえるけどね・・かすかに車の音も聞こえるかな・・・0時過ぎるとさらに静かになるんだよ

テントから家を見ると部屋の明かりが消えててさらに怖さが増すんだよな

静かだから何かの物音がよく聞こえるし・・・この2日間の夜は足音が聞こえた」

「うん・・・国道沿いは0時過ぎると静かになるもんね・・・仏間にいるからよくわかるよ、おじさん・・・じいちゃやばあちゃがいるから安心して寝てるけどね・・・

あんまし無理しないほうがいいかも・・・あとでパパに言っておくね」

「そうしておくれ、楓ちゃん・・・結構こういうのは慣れてると思ってたけどな

いざとなったら全然違う・・今夜が限界かも」

「そろそろ・・・時間だ・・・おじさん・・・私たち戻るね・・・」

S子が迎えに来た

「アニキ・・・娘たちを家へ入れるんだぞ・・・大丈夫?」

「まぁ・・・今夜が限界・・・」

「パパに言っておくんだぞ・・・」

S君の悲痛な叫び?を楓とS子から聞いた

家の中であのイビキを遮断する部屋はない

最悪・・・お風呂場で寝てもらうしかない

お風呂場やトイレは部屋から少し離れてるし多少はイビキの音が小さくなるかも

今夜は我慢しておくれ

「さてと・・・もうこんな時間か・・・そろそろ寝よう・・・明日はスタジオで仕事だ・・・締め切りが迫ってるし・・・早いな・・・家の電気消えてる・・・

もう1時過ぎだもんな・・・」

書斎でのんびりと読書していた

午前1時か・・・静かだ・・・さて・・・あ・・・まだテントの明かりが点いてるな・・・

リビングへ行ってコーヒーを飲もうかな・・・

カツカッ・・・

こんな夜に・・・女性だと思うけど・・・まぁ・・・国道沿いは街灯があるからいいけどね

裏の道は街灯がまばらで暗いんだよな

カッカッカツ・・・

あれ・・・・また近づいてきたな・・・

トントン!!トントン!!

え・・・玄関の戸を叩く音がしたけど・・・まさか・・・ね

私はソォーとリビングから顔だけ覗いて玄関を見た

人が立っていれば摺りガラスなのでわかる

インターホンを使わずに戸を叩くということは何か急用なのかな?

しかし・・・人影が見えない

あきらめて立ち去ったのかな?

ドンドン!!!ドンドン!!!!!

えええ・・・すごい勢いで玄関の戸を叩いてる

今さっきから玄関を見てるけど人影が見えない

おかしい・・・・

私はインターホンの画面を見た

やはり、人はいない

ま・・ま・・・まさか・・・

ガチャ・・・

えええええ!!!!玄関の鍵が開く音だ

「おい!!F!!テントで寝てたら玄関の方からトントンとうるさい音がしたぞ

早く出てやれよ!!」

わ!S君だった

びっくりした

「おいおい・・・脅かすなよ・・・いや・・・」

私は今さっきに現象をS君に話をした

「おい・・・まさか・・・アレか・・・・」

「S君は人を見た?」

「いや・・玄関へ来た時には誰もいなかったぞ」

「玄関を叩く音はしたけど人影が見えなかったんだよ・・・」

「とりあえず、リビングへ行こう、S君」

「お・・・」

しばらくこの現象についてアレコレしゃべっていた

トントントン!!!!!

トントントン!!!!

「うわっ!!!またか!!」

「おいおい・・・玄関の戸が壊れるぞ」

私とS君はリビングから顔だけを覗いて玄関を見た

人影が見えない

「な・・見えないだろ・・・」

「たしかに・・・一体何だ?」

「今度、叩いたら俺が出るよ、こんな夜更けにはた迷惑な」とS君は廊下に出て待ち構えていた

30分が過ぎても何も起きなかった

「何も起きないよな・・・・もうそろそろ俺、テントへ戻るわ、眠くなってきた」

「うん・・・俺もだ・・・」

S君が玄関へ行き戸を開けた瞬間だ

キゃーーー!!!!

S君のすごい悲鳴

S君はそのままひっくりかえって気絶した

「おい!!!うるさいぞ、おまえら、何時だと思ってるんだ!」とオヤジがすっとんできた

私は硬直して動けなくなっていた

「おい・・・大丈夫か?・・・おいおい!!!Sちゃん、玄関で寝るなよ・・・」

オヤジはS君の傍に寄った

「あかん!!せがれ、救急車を呼べ、早く!!!」

S君、白目を向いていた

体は痙攣を起こしていた

慌てて119番をした

およそ15分で救急車が来た

ドタバタと救急隊員がS君を担いで救急車に乗せた

「オヤジ、家にいてくれ・・・詳しい説明は後からする

絶対に朝まで家から出るなよ、それと、玄関の戸を叩かれても絶対に開けるな」

「おう!!わかったぜ、Sちゃんを頼むぞ」

流石オヤジだ・・・理解している

近くの市民病院へ運ばれた

応急処置を施されて病室へ運ばれた

いまだに意識は戻ってきていない

F子からの電話がかかってきた

「アニキ!!Sアニキが倒れたって?私もすぐに行くから病室の番号を教えてよ」

「ダメだ!!今はダメだ!!絶対、家にいろ、オヤジの指示に従って家にいてくれ」

「え・・・でも・・・うん・・・わかった」

気持ちはわかる

だが・・・家を出たら・・・間違いなく・・・特に・・・F子は・・・

朝8時ごろにS君は目が覚めた

「あれ・・・おいおい・・・ここどこだ?」

「病院だよ、倒れたんだよ」

「え・・・倒れた?俺が?・・・何で?」

「覚えてないんかい?」

「あ・・・・テントへ戻るために玄関の戸を開けるまでは覚えてるけどな・・・」

「うん・・・その後にすごい悲鳴を上げて倒れたんだよ」

「あかん・・・思い出せん・・・頭が痛てぇ・・・」

私はすぐに看護婦を呼んだ

医者と看護婦が慌てて来た

注射を打ってS君は落ち着いたようだ

「意識が戻ってきたのはいいけど・・・恐らく倒れた時に頭を打ったのかもしれませんね・・今日1日安静と様子を見ましょう」と医者から言われた

正午過ぎにオヤジとF子が病室へやってきた

「アニキ・・・Sアニキ、大丈夫なの?」

「あぁ・・朝にな、目が覚めて今はゆっくりと寝てるよ・・・医者が言うには安静が一番だと言ってた」

「そうなの・・・良かった・・・もうびっくりしちゃって・・・パパからアニキが倒れたって聞いて頭が真っ白になったよ・・・」と言いながらS君の傍に寄り添った

私はオヤジを休憩室へ連れていき

昨日の夜の出来事をすべて話をした

オヤジの顔から血の気が引いていくのが分かった

「おい・・せがれ・・間違いなく、女性なんだろうな?」

「あの足音は女性の歩く感じだったから、直接見たわけじゃない・・」

「そっか・・・せがれ・・・今からF子ちゃんを呼ぶから・・・足音をよく聞いててくれ」

「え?・・F子?」

私は意味が分からなかった

オヤジはF子を呼んだ

「何?ーー、パパ!!」とF子が歩いてきた

コツコツ・・・

あ・・・この足音のリズムというか間隔・・・昨日の夜の国道沿いの足音とよく似てる

いや・・間違いなくこのリズムだ

オヤジの言おうとする意味が分かった

これは・・・問題が深刻だ

「オヤジ・・・F子を連れて家へ一緒に帰ってくれ」

「そうだな・・・そうするか」

「え!!!何でよ!!何で私が家に帰るの!!アニキの傍にずっといたい!」

オヤジはF子を納得させるために苦労していた

何とかF子を納得?させて家に帰っていった

「F・・・おやっさん・・・F子・・・すまねぇ・・・この俺が気絶するとはな・・・

S君が目を覚ました

「S君・・・いいんだよ・・・俺だって・・・気絶してるさ・・・」

「え!?・・・・」

「S君・・・見たんだろ?もう一人の「F子」を・・・・」

「いや・・・その・・・・あぁ・・・そうだよ・・・どうしてわかった?」

「オヤジさ・・・昨日の夜の足音のことを話をしたらどんどん血の気が引いていくんだよ・・いまさっきな・・・オヤジがF子を休憩室へ呼んだんだよ・・・F子の歩くリズムというか間隔というか昨日の夜の足音が完全に一致したんだよ・・・」

「え・・・足音が一致・・・そっか・・・」

「見たんだろ、もろに・・・もう一人の「F子」を・・・」

「あ・・・玄関のを戸を開けたらそこに立ってた・・はじめは顔を下に向けていたんで誰だがわからなかったけどな・・・そしたら「アニキ」と小さい声を出して顔を上げたんだよ・・・まさに「F子」だった・・・もう俺は心臓が止まりそうだった・・・

F子は家にいるってことはわかってた・・・一人で勝手に家から出るわけがない・・・だから・・俺はびっくり仰天して悲鳴を上げたんだ・・・そのあとの記憶は全然ないんだよ」

「オヤジは・・・すぐに「F子」だとわかったみたい・・・」

「おやっさん・・・話を聞いただけでわかったんか・・・」

「そうだよ・・オヤジが言うのは「あれだけの肝っ玉の大きいSちゃんが悲鳴を上げて倒れたということは相当びっくりしたんだろうな・・・それとせがれの話をまとめると・・・やはり・・・F子ちゃんかな・・と今、瞬間的に思ったぜ・・・だから、F子ちゃんの足音を確かめてみるか」と言ってF子を呼んだんだよ・・・ズバリだよ・・・」

「すげぇな・・・おやっさん・・・でもさ・・・言いにくいんだが・・・その「F子」な・・なんか・・・生気のないような感じだった・・・一瞬だけ見ただけだけどな・・・だから・・・俺はこいつは本物じゃないと・・・もう恐怖心が沸いてな・・・それで・・あの悲鳴だよ・・・」

「オヤジもそう言ってたよ・・・「そいつは生霊じゃない・・もう完全に「死んだ魂」

なんだよ・・・普通の人間なら「生霊」なんだが・・・F子ちゃんの場合は・・・

特異体質だからな・・・小さいころから色々な霊が寄ってきてはF子ちゃんは苦しめられてきた・・・だから俺はF子ちゃんを守るために何でもしたさ・・・生まれつきの運命はもう変えられないんだよ・・・今はあんな感じで元気になったような振る舞いをしてるけどな・・基本的に霊媒質な体なんだよ・・・これはおアキちゃん一族の運命だよ

だから・・おアキちゃんは短命だったんだよ・・・Sちゃんがおアキちゃんを好きになるのは当然だよ・・・言っちゃ悪いがF子ちゃんはまさにおアキちゃんの生まれ変わりそのものだ・・・せがれよ・・言っている意味はわかるよな?」って・・・オヤジの悲しそうな顔・・」

「あぁ・・・あ・・・・・あ・・・・そういうことか・・・確かにおアキちゃんを見たときになんとなく他人じゃない・・もっと身近な人という感覚を覚えたんだよ・・あんな小っちゃかったけどな・・・19歳のおアキちゃんを見たときには背中に電気が走ったんだよ・・・まるでF子じゃないかと・・・まぁその時のF子の年齢は違ったけど・・・

F子が19歳の時にスマホに入ってるおアキちゃんと見比べてみた・・・瓜二つ・・・違うといえば・・「品」かな・・・F子はどちらかといえば「庶民派」なんだよな・・・おアキちゃんの品のある顔と立ち振る舞い・・・F子と違うと感じた点だよ・・・確かにF子は財閥の一族だから「品」があるといえばあると思うけど・・・おふくろさんはそんな風に育ててきてないからな・・・むしろおふくろさんの方が「お嬢様」だよ・・・おふくろさんが女子高生の時のかわいらしさと「品」の良さ・・・それがF子には無い・・・悪い意味で言ってるんじゃないよ・・お嬢様教育を受けてないからだということさ・・・」

「まぁ・・・今のところ、元気そのものだし・・・」

「おやっさんはF子が一番だと言ってたしな・・・しかし・・・これは・・・ちょっとな・・おやっさんや和尚様の力を借りないとな・・・まさか「死んだ魂」にあうとはな・・本人は生きてるのに・・・クソッ!!運命を変えさせてやりたいぜ!」

これが・・・後々・・・・大変なことになった

Concrete
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