皆さん。いかがお過ごしですか?
俺もね、細々と生きてますよ。
ところで皆さんは登山とかしますか?
俺はあんましないんですけどね。
インドアなもんでねー。
タルパさんと、相変わらず良く飲むんですけどね。
彼は言うんですよ。
山と海はここで無い何処かに繋がってるってね。
何故彼がそう言うか。それは若い頃山で体験した不思議な噺を聞かせてくれました。
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当時、タルパさんが良く連んでた友人が居たんです。
彼ねアヤさん(仮名)という女の子に片想いしてたんですよ。
タルパさんの悪い癖が出ましてね。
友人を悔しがらそうと、アヤさんを部屋に呼んだんですよ。
良い雰囲気になって、彼女の胸なんか揉んで、もう一息って所で、アヤさんの携帯が着信を報せる。
なんでも、隣に住んでる方が失踪したんです。
アヤさんも捜索に駆り出されてしまった。
「あー、食い損ねた」
なーんてタルパさん思った。
それから2、3日後。
唐突に、地元の金剛山に行きたくなって、タルパさん
仲間何人かと行ったんですよ。
その山ね。
色々な仏像があって、なんとも不思議な山なんですよ。
でもね、山の中腹辺りに差し掛かった時。
タルパさんが思った。
帰ろうって。
仲間達はね、何しに来たんだよーとか文句言いながら、それに従ったんですね。
次の日。
仲間の1人がタルパさんに連絡して来た。
金剛山の山頂で首吊り遺体が発見されたって言うんですよ。
山頂まで行かなくて良かったなんて話してた。
これは後で分かった事なんですが、山頂で首吊りしてた方こそ、アヤさんの隣の人だったんです。
タルパさん言ってましたよ。
死人を悪く言いたく無いけど、アヤを食うの邪魔したうえ、遺体発見させて、嫌いな警察に行かされるところだった。俺に恨みでもあるのかってね。
こんな事ってあるんですね。
俺が聞いたのはこんな噺でしたよ。
作者蘭ユウジ
タルパさんと飲んでる時。笑い話で聞かせて貰った噺です。