ダースベイダー考/恐ろしい真実

長編8
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ダースベイダー考/恐ろしい真実

ふと思ったんだが。

「ダースベイダーって割と良い奴なんじゃないか?」

極めて恐ろしい話だが

共産党(や一部在日コリアンなど)とかに比べると

どう考えても「善の一種」にしか思えない。

現実の「悪」は漫画やフィクションより酷い検証。

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1

正面から侵略して、割と正々堂々と戦うのがダースベイダー。

嘘を吐いて騙し、友好や人道を建前に卑劣姑息に終始するのが共産党。

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2

力技で抑え込んで、一応は宇宙から無駄な紛争や内戦を止めさせたのがダースベイダー。

テロリストや犯罪組織を支援して、世界中に害悪と争いの火種を撒き散らしたのが共産党。

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3

必要なら自ら最前線で危険に身をさらして、勇敢に戦うのがダースベイダー。

あくまでも安全な場所から下っ端に命令し、女や子供までを盾に後ろに隠れるのが共産党。

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4

フォースの求道者で、統治・支配欲と向上心以外に個人的にはたいして欲がないのがダースベイダー。

金と与えられた地位・権力にしか興味が無く、不正蓄財で私腹を肥やすことしか考えないのが共産党。

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5

歴代のジェダイ騎士の中で実力がトップクラスなのがダースベイダー。

歴代の中国人の中で、ダメな部分だけ煮詰めたのが共産党。

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6

たとえ一人でも超人的に最強で多数を蹴散らし、能力や人格の高さで、恐れられながらも、下っ端から尊崇・心服されるのがダースベイダー。

権力と金がなければ(手下がいなければ・徒党を組まなければ)誰にも相手にされず、下っ端から本心では蔑まれるのが共産党。

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7

パルパティーン(皇帝)とごく少人数で、ジェダイ騎士評議会と戦って勝利、衆愚政を打破したのがダースベイダー。

民主主義の腐敗衆愚とグルになったのが共産党。

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 ぶっちゃけ、あの「スターウォーズ」の話の中で「悪役」なのは、独裁ワンマンの政治体制や力づくの過剰な強権支配が問題だったくらいだと思う。誰がどうやってもどこかしらにしわ寄せがいくものだし(ジェダイ評議会も紛争を完全には止められていない)、話の都合もあって悪役描写されていると思う。

 そもそも作中の暗黒ジェダイは強引に権力闘争・光のジェダイ評議会と敵対したこと以外では、実はそれほどは悪行していないのではないだろうか。

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 別の「暗黒ジェダイ」(暗黒卿)も見てみればわかる。

8ダースモール(エピソード1の暗黒ジェダイ)一人に、光のジェダイは「二人がかり」の戦いだった。エピソード3でも、パルパティーン(暗黒皇帝)一人に、光のジェダイが数人がかり(最後はタイマンだったが)。

 エピソード2や完結編のラストでも、わざわざダースベイダー(アナキン)がドゥークー伯爵やルークとタイマン対決しており、暗黒皇帝はあえて勝負がつくまで手出ししない。

 悪役は雰囲気だけでしばしば「やることなすこと全てが悪」という印象だったり。一般に善玉描写されるキャラクターは、悪役描写されるキャラクターよりも、圧倒的に判定が甘くなる。もし悪役側がやれば非難されるようなことでもスルーされがち。

 それに当時(エピソード1~3)は、実質ごく少人数でジェダイ評議会だけでなく「全世界」と戦っていたわけで、それだけで普通でないし、凄すぎる。

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9そもそも暗黒ジェダイは、もしも低俗な目先の欲望だけが大事であれば、わざわざ「暗黒ジェダイ」として苦難と修行に耐えたり、強大なジェダイ騎士団に戦いを挑む必要がない。

 やろうと思えば(能力や強さからして)、ジャバ・ザ・ハット(小悪党、犯罪組織の親玉)のように、姑息卑怯と弱い者苛め専門で暴利を貪ることも出来るだろう。

 しかし、あえて暗黒ジェダイとしての道を選び、「いつの日か師を越えたい」「世界を制覇したい」などと鴻鵠の志を持っている(その時点で小悪党とは次元が違う高邁な姿勢である)。

 ジェダイ騎士と比べ、自分個人の欲望(特にある種の向上心)と公正さ・客観的正義や義務でどちらを重視するかの違いはあれど、現実的には英雄やスポーツ選手や学問・芸術などの大部分は本質的に暗黒ジェダイと大差がない。

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 もしもあの話で仮に既存のジェダイ評議会が腐敗していたら、誰がどう見ても救世主や英雄の一種だろう。

 物語のモチーフ・モデルは古代ローマ帝国の初期皇帝のカエサルやアウグストゥス(と共和主義者のカトーやキケロなどとの戦い)だと思われる。

 作中ではジェダイ評議会や共和政側は制度や組織が硬直化していただけの善玉(ということになっている描き方)だが、あの圧倒的な人数差でありながら負けた評議会側にも問題がある。

 しかも「クローン兵士」製造とか非人道的手段の肯定・推進で自ら墓穴を掘ったり、「本当にジェダイ評議会って正義だったのか?」「一応は善意・正義の集団でも批判の余地はあった」と感じる。

 善対悪というよりは、普通の善・良心(ジェダイ騎士)と独善的英雄(暗黒ジェダイ)の信念・意志やイデオロギーの戦いで、敵味方双方が英雄。

 作品に人気が出て当たり前だろう。

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10もちろん暗黒ジェダイにも欠陥はある。それは性格的な特徴と強みと、表裏一体。

 第一に独善と自己中心主義で、既存のルールやモラル・常識を無視しがちであること。

 第二に、力を過信して傲慢であるため、能力以上のことをやろうとして失敗する。

 わずか数名で全宇宙を統治出来るはずがなく、協調性や友愛精神に欠けるため、上手く分業や連携協力が出来ない。結局は力任せ、ジャバのような小悪党を下役にして失敗・悪政と変わらなくなる。ジェダイ騎士と違って「支配者」であるため、最後は責任を問われて討伐されることになる。

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 ジェダイ騎士と暗黒ジェダイは裏表のような相互補完関係である。どちらか片方がいなくなると、それで世界のバランスが維持出来なくなる。

 そしてどちらか片方が存在すれば、もう片方も必然的に派生し、そのどきどきで主導権が交代する(相互の「打倒」は「敵対的継承」でもある)。双方共に同じ「フォース」の基盤によるハイレベルであり、単純・通俗の善悪だけの話ではない。

 たとえばキリスト教のローマカトリック教会が新宗派創始者・郷土主義のルターやカルヴァンを「分離主義者」と非難したり、強硬派のイエズス会が一般のカトリック教徒からしばしば危険勢力視されたり、独自の哲学・研究を深めたニーチェやキルケゴールが世間や既存の教会・学会と対立・論争したのに近い面もある。

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 作中の善悪描写では、(光の)ジェダイ騎士評議会の倫理観・使命感が聖人や苦行僧のような極度に高いレベルを基準にしているために、暗黒ジェダイがよけい「相対的に悪人」に見える面もあるだろう。

 また、逆に光のジェダイ騎士たちは自分たちが公正無私・滅私奉公を当たり前の義務(最高の名誉)と思っているため、「自我のないクローン兵士を作って平和維持の道具」にしようとまでした(最終的にクーデターに悪用され墓穴を掘った)。

 普通に考えれば「非人格的な奴隷」など虐待で非人道行為なのだが、自分たちの過度に高潔な倫理観・使命感を他人に押しつけた結果である(日本人の集団・組織でもありがちな同調圧力やパワハラw)。

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 以上、ダースベイダーについて、恐るべき盲点・逆説の真実を指摘してきた。今までの(平成時代のどうしようもない)政治状況を見ていると、余計にそう思う。

 なにしろ日本や世界中の国会も国際機関も、言論や学問・文化業界までも腐りまくりw フィクションのジェダイ評議会と違って、「一応は善・正義」という弁明すら困難なレベル。

 しかし、共産党とかにもそういう好意的な見方や弁護すら不可能。話の描写からダースベイダーを「典型的悪役」と考えて、現実の極悪(共産党やヤクザ)と同類視することは、根本的な間違い。そういう見方は「現実の悪人(大部分)に対する過剰な美化・誤った認識」でしかない。

 むしろジャバ・ザ・ハットとかと同レベルの俗物悪党に近い連中(共産マフィア)が世界中を浸食・支配している現実こそが脅威。怖すぎる(笑)

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 なお、欧米のキリスト教文化では「輝かしい悪徳」という言い方がある。

 これは中世以降のキリスト教の観点から古代ギリシャ・ローマ時代の粗野な価値観を批判し、「賢さ・勇敢さ・偉大さ・富裕や豪華さなどの一見は良いように思える事柄も、倫理や良心が欠如すれば害にしかならない」という反省である。

 逆に、古典人文主義の立場から、「謙虚さや信仰心などのキリスト教の美徳も、過剰な反省で自己満足に陥れば、人間として弱体化するし堕落と同じ」と批判したのが、近代の哲学者ニーチェ。

 ジェダイ騎士とダースベイダーの問題テーマには、そういう精神文化が反映しており、だから「現代アメリカの神話・英雄叙事詩」として愛されたのだろう。

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(備考)

 エピソード3でダースベイダーが、ジェダイの訓練生の子供を殺戮するわけだが。

 たしかに「悪行」だが。

 普通に考えれば、教師役の大人のジェダイ騎士が何十人もいないとおかしい。彼らは戦闘訓練されて、同じライトセイバーで武装している。

 そこへ、爆弾テロや毒殺などの卑怯な手段を使わず、白昼堂々と正面から押し入って皆殺し。日本刀と拳銃だけを持って、たった一人で士官学校や警察学校を全滅させたのと同じレベルである(格闘技ジムに道場破りして全員殴り殺すようなもの)。

 しかも宇宙最強の戦闘集団「ジェダイ評議会」から一生恨まれ、負けたら百パーセント殺される。「それでも構わない」という自信と覚悟。

 勘違いしてはいけない。無防備な小学校を襲ったり、丸腰の相手に斬りつけて、わずか数名しか殺せない雑魚犯罪者とは、根本的に次元が違う話だろう。本質を考えれば、まだ命知らずなギネス挑戦者とかの方が、まだ暗黒ジェダイに近いのである。

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 暗黒卿の「暗黒」とは、日の当たる安全な光の王道を無視・逸脱し、暗闇の道を恐れず平然と突き進むチャレンジャーな姿勢のことであり、別に悪行することだけではない。

 そもそも光のジェダイ騎士団がいる限り、跳ね返り的な人間は必ず出てくるものである。

 ダースベイダーにしたところで、政治統治に失敗したから非難されるだけで、本人の性格・趣味や成り行き次第で暗黒ジェダイはしばしば光のジェダイ騎士とあまり変わらない。

 ジェダイ騎士は公正無私の公共心や正義を重視する。しかし個々の人間としての動機を考えれば、それもまた欲望の一種でしかない。

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 だいたい暗黒卿にしたところで、個人として性格・好み・理想や趣味・美意識が良かったりする場合もあるだろう。

 ダースベイダーも低俗な成金や下級犯罪者のボスに比べれば、格段に高尚な人間だと思われる。ダースモール(エピソード1)にしたところで武芸者としては超一流の超人であるし、暗黒皇帝にしたところで全銀河を一人で統治・采配するウルトラ働き者である(フォースの力で不眠不休らしい)。

 それに世間の名誉や評価を求めたり気にする限りは、どこかしら光のジェダイ騎士に似てくるのが必然である。「名誉は徳の親戚」だし、哲学者カントの趣味判断カテゴリではないが、同じ人間や民族である以上は欲望だけでなく価値観や理想も似る。

 ちょっと小手先の悪さや不正をしたくらいで、ダースベイダーやダースモールになれると思う奴は考え方が甘いし知能が足りない。そういう奴はたいてい下っ端の小悪党止まり、運が悪ければ一瞬で殺されて終わりだろう。それもフォースの摂理である。

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