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長編31
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Nくんの怪異~FINAL~

私の友人Nくんは、お年寄りばかりの、限界集落とも言える地方で、無農薬の野菜を育てている農家の人だ。

だが、裏では…そんな長閑な村で、人を殺めようとする無法者と、人知れずこっそり戦いを繰り広げる、正義の使者…とも…言える漢…かも…しれない。

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この度のお話は、Nくんから聞いた、色々な意味で怖いと感じたお話をまとめて、皆さまにお話しようと思います。

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[車・其の一]

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10代の頃はヤンチャの限りを尽くしたNくん。

無鉄砲で怖いもの知らずのNくんでしたから、当時から筋の通らない事には決して首を縦に振る事もなく、所謂…893と呼ばれる本業の方とも、何度か諍いを起こしたりしていたそう(´・ω・`;)

そんなNくんだが、早々に家庭を持った事から、武闘派からも足を洗い、家族を守る為に生きる道を進む事になる。

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当時、未だ健在だったお父さんと農業を遣りながら、取り敢えずは穏やかに暮らしていたと言う。

だが、未だ年若いNくん。

普段使いの軽トラの他に、自分用に洒落た車を買おうと思ったらしい。

しかも、スリーポインテッドスターと呼ばれるエンブレムの付いたドイツ車を購入しようと、意気揚々と中古車店を探し回っていたと言う。

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そこで、Nくんの目に止まったのは、黒塗りの◯ンツ。

中古車と言えど、数百万の価格が付くほど、状態も年式も全てがNくんのお眼鏡に叶った車だったそうだ。

そこで、銀行からおろしたばかりの封のしてある3個の札束を持ち、その車を買うべく、お店へ。

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営業所の担当者は、買う気満々のNくんに、早速、試乗を勧めて来たと言う。

そこで、Nくん。

ゆったりシートに座り、ハンドルを握り、乗り心地を確かめる。

Nくんにとって、全てが満足と呼べるものだったらしい。

そして、購入を決めた。

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だがそこで…

ふと…気になった事が…。

車のトランクがやけに気になったので、中を見せてくれと話したと言う。

担当者は、もう車は売れる物だと確信していたから、ニコニコ笑顔でトランクを開けて見せた。

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Nくん。

車から降りると、車の後ろに回り、開いたトランクを見た。

そこで、その車を買うのを断念したと言う。

トランクの中には、一人の男が血を流して横たわっていたからだ。

明らかに、暴行を受けたと見られる男は、身動き一つせずに、静かにトランクの中に収まっていた。

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本当に、そこにある遺体。

Nくんの目には、そう見えたと言う。

だが、車屋の担当者は

「如何ですか?中もこの通り、傷一つなく綺麗な物です」と、Nくんに見える男の遺体など、まるで目に入っていない様子。

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なので

「コレ…何かな?」と、Nくん。

遺体を指差し、担当者に尋ねる。

担当者は

「え…?なにか?」と、Nくんの指差した先を念入りに調べる。

遺体をかき分ける様に。

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それを見て、Nくん。

「悪ぃな。やめとくわ」と、担当者に片手を上げると、そのまま車屋を後にした。

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「ええ〜っ(((ʘ ʘ;)))?

その担当者には、全く視えてなかったって事?

どんな経緯で売られたんだろう?」と、つい、いつものツッコミを入れた私。

「それはオレも分からねぇ…。

でもよ〜。本当にそこに遺体が有るって…実態が有る様に、オレには見えたんだよ(´・ω・`;)

てか、この話には後日談ってぇのがあってよ…」と、Nくん。

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「それから何週間かしてからだな。

海でよ、遺体が上がったんだよ。

そんで殺されたって奴の顔をニュースで見たらさ、オレが◯ンツのトランクの中で見た奴だったんだよ。

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なんかヘマやらかしたのか、理由は知らねぇ〜けどよ。

893に袋叩きに遭って、殺されちまったんだろうなぁ。

で、あの車のトランクに遺体を入れて運んじまったもんだから、足が着かない様に売っ払ったんだと思うぞ。」と…。

それからNくん。

軽トラを愛車として使用する事となる。

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[車・其のニ]

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Nくんは、見えなくても良いモノが視えてしまう。

トランク内の遺体もそうだが、普通に中古車店の店先に並んでいる車も、ただの中古車なのか、事故車…それも、死人が出ている車かそうでないかも、一発で分かってしまうと言う…

私から見たら、有難い能力だと思うのだが、Nくんにとっては“面倒臭ぇ“事らしい。

今まで視た中で、強烈なモノはどんなモノだったのか、聞いた事があった。

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「そりゃなぁ。

車の事故で死ぬほどなんだから、殆どが強烈っちゃ〜強烈だわww

まぁ、でも…廃車になんねぇ程度の状態の車だろ?

だからよ、まぁ、エンジンや車自体は売れるもんなんだけどなぁ。

多いのは、助手席で死んでるやつだな。

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頭からフロントガラスに突っ込んじまったみたいに、顔も頭もグチャグチャになった女や、ただ静かに車の横を通り過ぎる人をジーッと見てる女とか、事故の衝撃で、運転席でエアバッグもろに喰らっちまったんだろうなぁ。

首の骨折れてダラーンって頭垂らした奴もいたなぁ。」と、Nくん。

私はいちいち、それを脳内で映像化してみたが…

すぐに気持ち悪くなる(T ^ T)

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以前、従姉妹に車を買うから着いて来てくれと頼まれたNくん。

買う車の目星を付けていたらしい従姉妹に

「この車なんだけど♬」と、一台の車を見せられた瞬間

「やめとけ」と、Nくんは一言。

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「どうしてよ!!コレ、ヤバい奴なの?」

従姉妹は食い下がって来たらしいが

「人が死んでる車だな」と言うと、ガッカリしながらも、その車の購入を素直に諦めた従姉妹。

何が視えていたのか、Nくんに聞いてみた。

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「ん〜…。まぁ、自分が死んだって分からずに、死んでる奴も居るけどな。

だけど、中には明らかに敵意っちゅーのか、“害ある“感情みたいなもんを感じる奴もいるんだわ。

何度も事故を起こす車ってぇ〜のは、恐らく、そんな奴が乗ってる車なんじゃねぇかな。

従姉妹が選んだ車っちゅーのも、そんな質の悪い女が助手席に陣取ってたからな」と…。

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私がもし、中古車を買う時があったら、是非、鑑定をしてくれとNくんに懇願したのは、言うまでもない。

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[お化け屋敷とも言う家]

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今まで、Nくんの怪異をお読みくださった方なら、Nくんの住む家がお化け屋敷だと言う事はご存知だと思いますが、そんなお化け屋敷に立ち寄る、お化け達の話も少々。

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Nくんの家は、彼のお祖父ちゃんが建てた家だ。

家の前には車一台がようやく通れる程の狭い道で、その向こうには川が流れているらしい。

その、Nくんの家の前の道は、以前は真っ直ぐにご近所の菩提寺へ続く道だった為、誰かが亡くなると、棺桶に入れた遺体を運ぶ道として使われていたらしい。

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そんな通りに面しているからなのか、それとも霊道と呼ばれる物なのか、Nくんの家の外も中も、不思議な?怖い?変な?輩もよく現れる。

真夏の熱帯夜でも、そう言った輩が近くに現れると、冷蔵庫に入った様に空気が冷たくなると言う。

ただ、昼夜関係なく、季節も問わず、勝手に色々現れるのだから、Nくんも打つ手がないとも言えるのだが…。

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[通りすがり侍]

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ある日、畑仕事を終えて家に帰り、お茶を飲んで休んでいると、ふと…誰かが縁側に腰を下ろし、休んでいる姿が目に入る。

脇差を腰に携え、江戸時代か、もう少し前の時代か?

侍が縁側に腰を下ろし、辺りの景色を眺める様に、ごく普通に休憩していた。

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そんなのも当たり前の事として受け流しているNくんだから、声を掛ける事もなく、自分は自分で静かにお茶を飲んでいると、その姿は次第に薄れ、消えて行ったと言う。

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[Nくん、女に笑われる]

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ある日、家の中をウロウロしている女を見付ける。

時代で言うと、江戸時代よりももっと古い感じの着物を着ていて、未だ年若い女だったと言う。

「誰だおめぇは」

Nくんは家を彷徨く女に声をかけた。

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すると女は、吃驚した顔をして

「私が視えるのか?」と聞いて来たそうだ。

だから

「視えてるから聞いてんだよ。

ココはオレん家なんだよ。

勝手に入ってくんな」とNくん。

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女は

「私もここら辺に住んでたんだよ。

しかし…アンタの格好、なんだいそりゃ?」と、吹き出して大笑いする。

「あん?オレの格好の何処が可笑しいんだよ」

Nくん、ちょっとムカっとなって聞いた。

「だってね、そんな格好してる人なんていないよ?」と、女は笑い続ける。

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「お前の生きてた時代の服装なんて知らね〜よ。

今の時代は、コレが流行最先端なんだ!」とNくん…。

(と、ココで私も大爆笑w w

決してお洒落と呼べないNくんから、流行最先端との言葉を聞くとは…と、ツボってしまったww)

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そして、先に話した、亡くなった人をお寺まで運ぶ道だったと言う事も、この女性に聞いたと言う。

(私にもよく分からないが、昔の言葉で話すから、ちょっとよく分からない言い回しや単語が出て来たらしく、Nくん本人もどう私に伝えたら良いのか分からなかったらしく、私はもっと分からないので、現代風にアレンジして書きました。)

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[Nくんの“弟“?]

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ご近所に、仲の良いおじいちゃんがいた。

昭和一桁生まれの、Nくんの亡きお父さんより年上のおじいちゃんなのだが、Nくんを

「あんちゃん」と呼ぶと言うので、Nくんの話に出て来る時、私はそのおじいちゃんを『弟』と呼んでいた。

(あんちゃんと呼ぶのだから、弟的立場の人だからww)

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弟は、自分の娘家族と同居していたが、娘も婿も農業とは無縁の仕事をしており、Nくんよりも大きな畑を所有していたにも関わらず、いずれはその畑も無用の長物になると、弟は危惧していたと言う。

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この爺さんは無類の女好きだったらしく、畑でNくんと立ち話をしている際に、杖をついて通りがかったおばあちゃんに対しても

「おっ!!女だ!!ヤリてぇ〜なぁ〜」とほざくと、Nくんも半ば呆れて弟を見ていたと言う。

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「杖ついたばあさんまで、そんな性の対象にしちまうジジイってどうよ(๑¯ω¯๑)」とww

私も勿論

「自分の父親がそんなだったら、軽蔑しかないね(ㅎωㅎ*)」と。

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Nくんがよく庭仕事を頼まれる、裏のT家の70代のおばあちゃんに対しても

「いい女だなぁ〜!ヤリてぇなぁオイっ❣️」と、そのおばあちゃんと仲良くしているNくんを羨ましがっていたと言う。

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田舎なので、鍵をかけない暮らしをしていた事から、勝手に家に入って来るご近所さんも後を絶たず、その度にNくんは

「親しき仲にも礼儀ありって言葉、知ってっか?」と、チクリと釘を刺していたらしいが、ご近所のじいちゃん、ばあちゃん、そんな事はどこ吹く風で聞く耳も持たない。

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弟も同じだったそうだが、その度に弟に言って聞かせたらしい。

「オレにはオレの生活があるんだ!オレが良いって言わない事は勝手にすんな!」と。

だから、弟を家に上げる事もなかったと言う。

唯一、採った野菜を洗う場所に、大きな石を置いてあったらしいのだが、そこだけは座って宜しいと許可を出した事から、その石は自分の座る、自分の為の石と弟は認識したらしいww

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たまに従姉妹が来た時に、その石に持って来たバッグなんて置こうものなら

「この石はオレんだ!あんちゃんが良いって言ったオレの石なんだから、勝手にお前の荷物なんて置くんじゃねぇ!」と、烈火の如く怒りだしたとww

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そんな弟だったが、突然の不慮の事故で急逝してしまう。

本人も何がなんだか分かって居なかった突然の死。

勿論、遺言も何もない状態で、奥さんはとうの昔に亡くなっている事から、弟の子供達が遺産分けをする事になるのだが…

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弟が何より大切にしていた畑を売る算段をし、当人曰く『宝物』と呼んでいた野菜の種等も、その在処を知っていたのはNくんだけだったと言うが、身内同士で揉めに揉めている姿を見ると、『宝物』の所在すら教えたくなかったと言う。

(第一に、聞かれなかったらしいしww)

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亡くなった当時は、静かにNくんの庭にある、弟の石の上に座ったり、Nくんの家の前の道をウロウロして居たらしいのだが、遺産分けで揉めに揉め始めてからは、どんどん弟が黒くなって行ったと言う。

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最初はいつもの穏やかな表情(エロ全開?)だった弟の顔付きも、日に日に険しくなり、身体を包む様にあったモヤの様なモノが、真っ黒なモノに変わり、全身を覆い尽くす様に広がって行ったと言う。

頻繁に現した姿も、次第に良くないモノに変わって行ってしまっている事に、Nくんもどうしたもんかと想いあぐねて居たそうだ。

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そこで

「弟に直接話す事は出来ないの?

自分が死んでしまった事も、ちゃんと理解させてあげないと、そんな姿を見てるNくんだって辛いでしょう…」と言うと

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「あぁ…。

知ってる奴があんなんなっちまうのは、正直、良い気持ちはしねぇなぁ。

だけどよ。

話しかけても、まるで聴こえてねぇみたいなんだわ。

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自分が死んでも悲しむ人間は身内でもいねぇし、下手に財産なんて遺しちまったから、それを巡って、少しでも取り分を多くって兄弟喧嘩しまくりでよぉ。

多分、誰も弟の為に手を合わせてくれる人が居ねえんだろうなぁ。

今の弟は、そんな身内への恨み辛みって奴に支配されちまってる見てぇだな」と、弟の家族よりもNくんが一番、悲しんでいる様に私は感じた。

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どんどん悪いモノになって行く、一番仲の良かった弟。

出来る事なら、そんな恨み辛みの心に縛られる事なく、逝くべき場所へ行って欲しいと、その度に話しかけてはみるが、悲しい事に、弟にNくんの言葉が届く事はなかったと…。

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[祖父]

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Nくんの家の庭には、お祖父ちゃんが植えた一本の果実の成る木が植えて有った。

だが、Nくん。

お祖父ちゃんの大事にしていたその木を切ってしまったと言う。

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何故かと聞くと

「オレのばあさんが病気で亡くなったんだよ。

じいさん、それがショックだったらしくてなぁ。

ばあさんが死んで間もなく、その木でじいさん、首吊って死んじまったんだよ。

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それから、ふと見ると…

じいさん、その木の下で俯いて立ってるんだよ。

血を分けたじいさんと言えど、そんなん見たくねぇ〜から、ぶった斬っちまったんだよww」と笑っていたが…

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お祖母ちゃんの元にも行けず、肉体を失くしても尚、そこに留まっているお祖父ちゃんが悲しかったのではないかと私は感じた。

因みに、現在、木はないが、相変わらず祖父は木の有った場所で俯いて佇んでいると言う…。

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[オオスズメバチ]

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Nくんは農業をやっている事から、外で仕事をしている。

なので、好むも好まざるも、野生の生き物に関わる機会も多かった。

ヘビは勿論。

スズメバチにも何回か刺されたと言う。

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スズメバチは、1度刺されるにはそれ程酷くはならないと言うが、2度、3度と刺される度にアナフィラキシーショックを起こす事で知られている。

刺される度に、酷く腫れ、高熱を出したりしていたと言うNくんだったが、それでも蜂毒より体力が優っていたと言うのだからww

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だけど、Nくん。

オオスズメバチの大群に襲われ、生死の境を彷徨う事になる。

他県に住む親戚の法事があり出掛けたNくん。

法事も無事に終わり、久しぶりに会う親戚達とお茶を飲んでいた時、飽きた様子で外に出た親戚の子供が、落ちていた枝を拾い、背の高い雑草の茂る辺りを枝で払い除ける様に歩いていた。

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数匹のオオスズメバチが飛んでいるのが目に入ったNくんは、嫌な予感がして、子供から目を離さず見守っていたら…

枝で払われた草むらから、一斉にオオスズメバチの大群が子供に向かって行ったと言う。

Nくん、靴も履かずにすぐさま子供の元に走り出し、子供を自分の内側に抱き締めると、自分が盾になり、蹲る。

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それを見ていた親戚達も、子供の親も、成す術もなく、皆動けずに見ていただけだったそうだ。

スキンヘッドの頭から、喪服の上から、全身隈なくオオスズメバチの針の洗礼を受ける事となり、気が付いたら病院のベッドの上だったと言う。

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全身に蜂毒が回り、喋りたくても気道も腫れている為に声も出せない。

高熱は全く引かず、Nくんはいつ亡くなってもおかしくない状態のままの数週間を過ごす事になった。

なかなか良くはならないが、親戚のいる県ではなく、自分の住んでいる県で治療をしたいと、Nくんのたっての願いで、自費で転院する事になる。

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自分の地元の病院に入院したが、それでもなかなか良くはならず、親戚は子供を連れて、Nくんにお礼を言いに来たと言うが、Nくん自身、子供に1針でも刺されない様に庇った筈が、それでもNくん程酷くはなかったが、子供も一時期入院をすることとなり、守り切れなかった事が悔しくて堪らないと漏らしていて、お礼なんて要らねぇんだよと。

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そんなこんなで、数ヶ月後には、いつものNくんに戻る事が出来たのだが、百匹近いオオスズメバチに刺されて生還する事自体が奇跡だと、転院先の地元の病院の医師には、血清を作る為に協力をして欲しいと頼まれる事となる。

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勿論、Nくんである。

「ヤダね。なんでオレ様の血を分けてやんなきゃなんねぇ〜んだよww」と、丁重に(❓)お断りしたそうだが、医師はそれでも諦め切れずにNくんに会う度に同じ事をお願いしていたそう。

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[カブトムシやらクワガタムシ]

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以前、ウチの子達が小さい頃は、旅行に行った先で、カブトムシやらクワガタムシを捕って来ては家で飼ってたと、Nくんに話した事がある。

Nくんの住んでいる辺りにも、そんな昆虫はいるのかと聞いた。

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「あぁ…いるな…」と、なんだか声のトーンが低いNくん。

「やっぱり居るんだね!

Nくんもカブトムシ捕りやクワガタ捕り、子供の頃はしてたの?」

そんな普通の会話をしていたのだが、どうもいつもより気乗りしてない感じのNくん。

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「あぁ…。子供の頃はな…」と。

「もしかして、カブトムシとかは好きじゃないとか?」私は聞いた。

「あぁ…好きじゃねぇな…

子供の頃は好きだったんだがなぁ」とNくん。

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そこで、嫌いになった理由があるのだろうと、聞きたくなった私は

「何が原因?」と、単刀直入に聞いてみた。

「ん〜…まぁなぁ…

何回か見ちまったからだな…」と。

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まさか、カブトムシが人を殺めるトラップを仕掛ける訳がないし、樹海でボーガン放って来る筈もないので、まるで想像が付かない私は、更にNくんにツッコむ。

「なんで?カブトムシに襲われたとか?ww」

すると、小さく溜息を漏らしつつ

「オレよぅ、何回か近所の山で首吊りした奴を見たって話したよな?

殆どが、もう腐ってやがるんだよ。そいつらの身体。

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でな?

必ずって言って言い程、そんな腐った身体に、カブトムシやらオオクワガタやらが張り付いてんだよ。

一度だけなら、たまたまって事なんだろうけど、必ず、あの虫等が腐った身体に張り付いて、樹液を吸うみたいに、死んだ奴の体液吸ってんだよ。」と。

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確か…息子が言うには、カブトムシもクワガタも、木の樹液を吸いに来るからって、昼間、潰したバナナと焼酎を混ぜた液を、それ等の昆虫の寄りそうな樹液のある木に塗って置いて、夜になって行ってみると、そこに目当てのカブトムシやクワガタが居ると聞いていた。

わざわざ、出掛ける前に、そんな餌を準備してタッパに入れて持って行ってた息子…

確かに、それで捕まえる事は出来ていたが…

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餌は、それだけじゃなかったと知って、私は次の言葉が出て来なくなってしまった(T . T)

「コレ話すと、ちゃんハナ(Nくんは私をこう呼ぶ)、益々虫嫌いになっちまうだろうし、息子達が好きな虫だって言ってたから、話したくなかったんだけどよ…悪かったな…」

と、Nくんに気遣いさせてしまった(゚o゚;;

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なので

「イヤイヤ。カブトムシもクワガタも私は触れないし、好きではないけど、息子達ももう成人してるし、今更虫捕りしてないから、どんな話を聞いても大丈夫。

もし、未だ息子達が子供の頃に聞いてたら、絶対に虫捕りなんてさせなかったし、家で…子供の部屋ででさえ、飼う事は出来なかったけど( ;∀;)」と。

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私にとっては、とても衝撃的な話でした。

カブトムシやクワガタが好きな方がおりましたら、こんな話をしてしまってごめんなさい🙇‍♀️

遺体のない場所で捕ったモノなら、恐らく樹液しか吸っていないと思われますので、安心して飼ってくださいヽ(;▽;)

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[行方不明者のテレビ公開捜査について]

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Nくんは、人ではないモノも視えてしまう事から、最近は見なくなったが、以前はたまにやっていた“行方不明者テレビ公開捜査番組“について聞いてみた。

「例えば、FBIとか、霊能者とか透視能力者とかが出てた、行方不明者を探す番組って有ったじゃない?

あれも、Nくんには嘘言ってるとか、亡くなってるとか、生存してるとか、分かるものなの?」と。

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Nくん

「ん〜。殆どは嘘っぱちだなww

でも、確かに一人だけ、本当に視えてるんだなって奴がいたなぁ。

テレビ越しなんだけど、意識を集中させると、その時の場面とか、どんな言葉で連れてかれたとか、その後…どんな事をされたとか…。

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視えちまうものなんだけど、ただ一人。

オレの視えた事と、ソイツの話してる事がまるで同じだったんだよww」と。

「それじゃ、無事に見付かったんだね♬」と言う私に

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「ん〜…

無事じゃねぇけど、見付かったみてぇだなぁ…」とNくん。

「え…

まさか…亡くなってたの…?」と聞くと

「亡くなってたってより、殺されてたんだよ…」と、Nくん。

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そう言う類の番組は、観ないと言っていた。

何らかの事情で行方不明になってるだけなら良いけれど、殺されてる人も少なからず居ると言うし、その時の会話も情景も、そして殺害される瞬間もその場に居合わせて居る様に、脳内で再生されると言うから、好き好んで観る番組じゃねぇとの事でした。

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そんなNくん。

私の母親と会ってみたいと言っていた。

自分の名前すら忘れてしまった母親の脳内に、直接話しかけてみたいと。

何か考えているのか、伝えたい事はあるのか、聞いてみたいと。

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勿論、「余計なお世話だ(òロó)」と言いました。

母が何を想っているのか、知りたい気持ちも無くはない。

だけど…もし、少しでも正気に戻ってしまう事が有ったら、母を深く傷付けてしまうから…。

全てを忘れた今だから、誰に迷惑かけているとか、悲しみさえも忘れたまま、穏やかに生きていてくれさえすれば良いから…。

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[樹海での事]

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以前にもお話したが、Nくんは樹海に修行に行っていた。

以前の投稿で紹介した話は、実は序の口で、精神を無に出来る静かな樹海は、自分自身の神経を研ぎ澄ます事が出来るとの事で、もっと頻繁に行っていたそうだ。

樹海には、ハイキングコース等も有り、そこから少し奥まった所が、本当に初心者の行く浅層。

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そのもっと奥地が中層。

Nくんでさえ、足を踏み込んだ事のなかった深層と、大きく分けて三段階になっているらしい。

Nくんは、いつも中層の奥。

深層の入り口辺りで修行をしていたと言う。

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樹海である。

だから、嫌でも多くの遺体も目にして来たと言う。

本当に自死したものは、浅層辺りに多く、中層に入ると、明らかに自死ではない遺体も増えると言う。

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まるで、拷問を受けた様な遺体も多かったと…。

五指全ての爪を剥がされ、指も関節毎に切り落とされ、骨を傷付けない様になのだろう。

腹から内臓を垂らしたまま、絶命している遺体も多かったと言う。

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女性の遺体はと言うと、老若関係なく、明らかに暴行され、女性器に棒を突き刺されたまま亡くなっていたり、生きたまま、どれほど酷い事をされたのか、想像すらしたくない様な状態の遺体も多かったと言うのだから…。

しかも、それを目にするのはNくんである。

そんな遺体の多くに、語りかけられたと言う。

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静かに死にたいと樹海に来たのに、どんな輩に捕まり、どの様な拷問を受けたと。

こんなに辛い想いをさせるくらいなら、早く殺してくれと懇願するが、それも叶わず、笑いながら拷問し、痛ぶり、自分を殺したと…

それら、全てがNくんの脳内で再生されるものだから、堪ったもんじゃない。

だから、聴こえないフリをして、決して耳を貸さないと言うのだが、生前の顔も、犯人の顔も、全てがNくんには視えていたと言う。

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女性の中には、街中で声をかけられた筈なのに、何故自分がこんな場所に連れて来られたのか、何故殺されたのか分からないと、パニックを起こしているモノもいたらしく

「女は知らねぇ男に着いて行っちゃダメなんだよ!」と、Nくん。

溜息混じりに溢していた。

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[樹海では…]

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Nくんは樹海に、“修行“で行くのだが、人を殺してみたいと言う、理解出来ない理由で行く者もいる。

私の中では、そんな輩は、鍛え上げられた筋肉モリモリのマッチョなのではないかと思っていたので、それも質問した事が有った。

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すると、何度かNくん。

そんな輩同士の殺し合い現場を目撃した事があったと言う。

「そう思うだろ〜?でもよぉ、そうじゃねぇ〜んだわ。

随分と前だけどな?

ちゃんハナの言う、筋肉モリモリのマッチョと痩せ男との現場を見ちまった事があるんだけどよぉ…

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力は関係ねぇんだわ。

どんなに馬鹿力な奴でも、樹海を知ってるか知らないかで、勝敗が着いちまうもんなんだな。」と言うから

「じゃあ、マッチョが負けたの?

マッチョは樹海初心者で、痩せっぽっちはベテランだったからって事?」とツッコむ私。

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「初心者かベテランかはオレは知らねぇ〜けど。

力だけじゃダメなんだよ。

それに、知ってっか?

樹海の奥地へ行けば行くほど、オレの近所の山なんてもんじゃねぇ程、トラップがあちこちに仕掛けられてんだよ。

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一歩行く毎に、そんなトラップを見破りながらじゃなきゃ、進めねぇもんなんだ。

マッチョは、未だ経験が浅かったんだろうなぁ…

で、痩せっぽっちは、そんなとこでも上手だったって事だ。」

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「ん〜…よく分かんないけど…

でも、マッチョも痩せっぽっちも、戦ったけど、無事に帰ったんだよね(´・ω・`;)?」と、一番気になる所を聞いた私。

「…生きちゃ帰れねぇなぁ…

オレが見た時は、マッチョ、脳天から何だか棒みたいなの突き刺されてたからなぁ。

頭からってより、尻から脳天突き抜ける様に刺されてたんだろうなぁ…

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座るみたいな形で、身動き取れずに呻いてたから…

だから、戦うって言うより、痩せっぽっちの仕掛けたトラップに、まんまと引っかかっちまったんだろうと思うぞ…」

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これも又、私の脳内でその場面を想像してみるが…

妄想は得意なのだが、想像が出来なかった…。

思い出したのは、若かりし頃、ビデオで観た“食人族“と言う映画の、串刺しシーン(T ^ T)

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Nくん

「大丈夫かぁ?」と…。

そこで私も気を持ち直して

「体格の差なんて関係ないもんだね…

でも、流石に女の人でそんな輩は居ないよね?」と聞くと

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暫く沈黙のNくん。

「…居るんだよ。

女でも…」と。

「ええ〜っ(((ʘ ʘ;)))女の人でもそんな欲求持った人、いるの?」と聞くと

「あぁ…何回か同じ女、見掛けてるよ。

男相手に殺っちまってる場面も見ちまった事もある…」と…

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それも、未だ若い、顔だけ見れば可愛い部類の女だったと言うのだから…。

果たして、そんな女と結婚してしまう男は、違和感もないのだろうか?

それとも、同類なのか?

そんな母を持つ子供は、どんな人間に育つのだろうか?

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人間の心の奥底にある欲求など、視えるものではないから。

ご近所で、同じPTAの活動をしているかもしれないし、混んだ電車で隣に立っている人かもしれない。

私には、霊感も透視能力もなくて、本当に良かったと思った。

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[又々、お化け屋敷の話]

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Nくんの家のある部屋の壁には、知らない、多分他人と思われるお婆さんがいる。

何度かナイフで動きを止めようと試みるが、いつの間にかナイフからずれて、何もない空間に動いていると言う。

そして、ふと気が付くと、お婆さんの隣には、これも多分他人と思われるお爺さんが現れる様になり、それでも放っておくと、又々、今度は孫と思しき子供まで現れたと言う。

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庭には、家をぐるりと取り囲む様に敷かれた砂利を歩く(走る)意味のわからないモノがいたり、家の玄関前で毎日同じ時間になると(深夜)お経を唱える坊主らしきモノ。

そして、斧をNくんに向かって振り下ろす、殺る気満々の女も現れる。

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以前は毎回、斧を持った女と真剣勝負をしていたNくんだが、体調を崩してからは

「あんなの相手にしてらんねぇよ」と、現れても殆ど無視していたらしいのだが、たまに畑の手伝いに従姉妹が来た晩にも現れる為、何度かその姿を従姉妹にも見られていたらしい。

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夜、喉が渇いた従姉妹は、水を飲もうと部屋を出たら、廊下を見知らぬ女が斧を手に歩いていたと言う。

そして、Nくんの寝ている部屋へすす〜っと入ると、部屋の中からドスンバタンと暴れている音。

従姉妹は何がなんだか分からずに、暫くNくんの部屋の様子を黙って見ていたらしいが、そのまま自分の寝ていた部屋へ静かに戻って言ったと言う。

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次の日の朝

「昨夜、知らない女が斧持って、兄さんの部屋に入って行ったけど…」と、Nくんに恐る恐る聞いて来たから

「あぁ。いつも来る奴だ」と。

それだけで、従姉妹には分からないけど分かった様で黙ってしまったらしい。

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Nくんの家には、そんな感じでレギュラーとも呼べるモノ達も居るが、たまたま通りがかっただけと見られるイレギュラーなモノもやって来るので、Nくんは大抵は無視していると笑っていた。

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[霊感は伝染するのか?]

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Nくんは亡くなった彼の父親と瓜二つと言って良い程、似ているらしい。

父親もNくん同様、視えないモノが視える人で、それもNくんに遺伝したのだろう。

だが、離婚の時、母親方に引き取られたお兄さんはNくんとは似ていなく、霊感と呼べるモノもなかったそう。

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と…

それも、ある日まで…

霊感の強い人と接していると、自分にも霊感が伝染すると聞くが、お兄さんも又、Nくんの影響から視えなくて良いモノを視る機会が増えてしまったそう。

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Nくんの病後の静養をする為に、同じ県内の離れた場所に住むお兄さんの家にお世話になっていたNくん。

そのお兄さんの自宅近くに交差点があるらしい。

ある日、仕事から帰ったお兄さんがNくんに話したと言う。

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「なぁ…N…

家の近くの交差点、あるじゃないか?

そこでなぁ…見たんだけど…」と。

Nくん「ん〜?何見たんだ?」と聞き返すと

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「それがなぁ…

中年のおっさんが居るんだよ。

でもなぁ、そいつ、生きてなさそうなんだよなぁ。

なんだか不気味にキョロキョロしやがってさ。

気持ち悪いから、目を合わさず無視したけどよぉ…」

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「ん〜。いつもいるなぁ、そいつは。

かなり前からいるぞ?

あそこの交差点で事故があったろ?それで死んだ奴だな。

目なんて合わせなくて良かったなww

変なモンは視えないフリすりゃあ良いんだよww」と、お兄さんに笑いながら話したそうだ。

因みに、その交差点では死亡事故が多発していると言う。

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以前、投稿した話にも書いたが、Nくんの霊感は、従姉妹にも姪っ子にも伝染してしまったらしい。

(浴室の天井から髪の毛を垂らして来る女に、2人はビビらされたと言う)

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[Nくん、別宅購入を検討する]

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体調を崩したNくんは、同県だがお兄さんの家から離れた場所のお化け屋敷から、もっと近くに別宅を購入しようと考えたらしい。

広い庭があり、そこを畑として耕し、元のお化け屋敷の畑は弟子に任せる事にしようと。

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未だ、満足に動けないNくんは、ネットで物件を探したと言う。

そして、幾つかの候補地を弾き出し、その中で一番のお眼鏡に叶った家を不動産会社に連絡をし、内見させてもらう事にしたと。

義姉に同伴してもらい…ww(この方も、以前の投稿【白い女】で登場しています。)

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庭の広さはなかなか良く、外から見た家自体は、中古なので、それなりに古くはあったが、自分が住んでる家よりはずっと新しい。

(例のお化け屋敷は、Nくんのお祖父さんが建てたものだから)

そこでふと…

家の中にいる者が窓からこちらを見ている事に気付く。

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(あ〜…こりゃ、ダメだ…)

その姿を視て、Nくん、その家の購入を諦めた。

取り敢えず、不動産屋の担当の若い兄ちゃんに聞いたそうだ。

「なぁ…この家、誰か死んでんじゃねぇの?」と。

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不動産屋の兄ちゃんは

「いえ!そんな記述は有りません!」

持参した資料に目を通して

「大丈夫です( ^ω^ )事故物件じゃないですから!」と、爽やかな笑顔で答える。

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「それじゃ…この近くで、事故や事件で子供が亡くなったって事はないか?」と、Nくん、ツッコんで聞く。

それまで黙ってやり取りを聞いていた義姉は

「ごめんなさいね(´・ω・`;)

この人、視える人なんですよ。

私にも視えないけど、何か視えちゃってるみたいねぇ」と、不動産屋の兄ちゃんに説明した。

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そして、窓に張り付いてるソレをNくん、指を差し

「アレ。視えないか?」と義姉と不動産屋の兄ちゃんに聞くが、2人とも何も視えないと…

実害があるかどうかは分からないが、あんなモノが棲み着いてる家なんて良い訳がないと、兄ちゃんには「折角案内してくれたのに、悪ぃなぁ…。

この家は遠慮しとくわ」と、その日は家探しを止めてお兄さんの自宅へ義姉共に帰ったと言う。

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Nくん、何を見たのか、そこに何が居たのか、めっちゃ気になっていたので、すかさず聞くと

「子供が居たんだよ。

多分、事故か何かなんだろうけどなぁ。

手足も変な方向に曲がってるし、首も皮一枚で繋がってるって感じでポッキリいっちゃってるしなぁ。」と、視たモノの説明をしてくれるが…

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「家の中の事故で死んだの?」と、親からの虐待とか、嫌な想像をしてしまい、Nくんに問うと

「多分違うなぁ。近くの道路とかで事故に遭ったんだろう。

それが何でか、その家に棲み着いちゃってるって感じかな?」と言う。

「家で亡くなった訳じゃなくても、棲み着いちゃうなんてあるの?

外からたまたま来たなら、又、勝手にどっかに行っちゃうって事はないの?」と疑問だらけの私。

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「ん〜…

確かに、又、どっかに行っちまう可能性もあるけどなぁ。

霊って言われるモンに、良いモンはねぇからな。

事故とは言え、殺されてる訳だから、恨む心が強く残っちまってるんだろうなぁ。

視点が合って無さそうだけど、誰かを恨んで死んだ人間特有の眼をしてたからな。

関係ねぇ奴がとばっちり受ける可能性も高いって事だよ。

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いつものオレならあんな程度のモンなら相手にすらしねぇけど、今の弱っちくなっちまってるオレじゃ、あんなモンでも影響受けちまうかもしれねぇからさハハハ」

Nくんは力なく笑っていた。

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[幽霊ホテル]

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Nくんが上京する際は、いつも決まったホテルに泊まると言う。

結婚式場も併設された、ちょい小綺麗なホテルだそう。

朝食のバイキング料理が美味いらしいww

(多分、それが目当てww)

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だが…

このホテル、色々なモノがいるそうだ。

明るく小綺麗なビジホに毛が生えたくらいのホテルなのだが、あちらこちらに元は“人だったモノ”が、姿を現すと言う。

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先ずは、エレベーターホール。

ここにはいつも俯いて、ただ立っているだけのモノがいるそうだ。

彼女と宿泊もした事があるそうだが、彼女は全く気付かずいた事から、敢えてその存在を知らせずにいたそうだ。

エレベーター内には、扉が開いても居ないのに、出入りするモノがいるらしい。

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客室では、勿論、何もない部屋もあるらしいのだが、その日は当時付き合っていた彼女と東京観光をした時に宿泊し、疲れて眠り込んでいると、隣の部屋から壁越しに誰かが入り込んで、そのままNくんの部屋を素通りして、奥の部屋へ壁越しにすり抜けて消えたそうだ。

それが一晩中繰り返されたらしく、ぐっすり眠る彼女と対照的に、その通り過ぎるだけの中年女性のお陰でNくんは睡眠不足になったそう。

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他の部屋でも、やはり、上の階なのか、屋上からなのか、何度も飛び降りて来るモノがいたそうだ。

窓越しにNくんにはその姿、絶叫が聞こえたそうだが、彼女は視えず聞こえず。

窓から外の景色を「綺麗ね〜」と眺めていたと言う。

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なので、敢えて怖がらせる事のない様に、彼女にはそのホテルに棲み着いているモノの存在を話す事なく、いつの間にか…

彼女は居なくなってしまったと言う…(´・ω・`;)

まぁ…

次、p(・∩・)qガンバレ!

と、思う私であった。

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[入院していた個室にタムロしていたモノ達]

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Nくんが入院をしていた時、我儘な彼を慮り、お兄さん達ご家族は周りの迷惑をも考慮し、個室を選んだそう。

体力を擦り減らす治療を受けながらも、自由に動き回れない苛々もあり、いつも以上に我儘になっていたNくん。

(本人がそう言っていたww)

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そんなNくんのいた個室には、何人もの“元患者”だったモノ達が常にいたそうだ。

ソレ等は、Nくんに聞いて欲しいと、ある一人の看護師にされた事をそれぞれが口にする。

直接、患者達がその看護師に何をされたのかとNくんに聞いたのだが、それを言えば事件になってしまうと言い、具体的な事は何も言わずに言葉を濁していたが…

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死の淵にいた人。

それでも助かる見込みは有ったのに、ある看護師の悪意から命を絶たれてしまったと…。

それも、何人も…。

亡き者にされたモノ達の恨みは強く(Nくんが入る直前までそこに入院していた者もいたそうだ)、昼夜を問わず、Nくんにある看護師にされた事を訴え続けていたそう…。

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それを、ある日、その当事者の看護師についにNくん、言ってしまったそうだ。

「アンタの悪行、全部知ってんからな?」と。

その看護師は、ビックリした様に目を見開いたものの、何も証拠もない事から

「何の事を言ってるのか分からない。

何か証拠でもあるの?」と開き直り、そのままN君の元へはやって来なくなったそう。

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あくまでも私の想像なのだが…

病気で死の瀬戸際にいる患者に対し、酷い言葉を投げ付けたり、はたまた、直接手を下して命を絶つ様な事を繰り返しして来たのではないかと…

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この話は、書くかどうかを迷いました。

多忙でありながらも、人の為に尽力し、聖職とも呼べる仕事、看護師さんが関わっているらしい話だからです。

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99,9%の看護師さんは、職務を全うし、尊敬出来る方だと思っています。

ただ、残りの0,1%の方は…

そうではない人もいるのかも…

しれません(T . T)

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[樹海にまつわる、マジでヤバい話〜其の一〜]

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この話も、書くかどうかを真剣に悩んだのですが、軽い気持ちで樹海に向かう人が少しでも減る様に…

死ぬ場所を樹海でと考える人に、知って欲しい。

考え直して欲しいとの気持ちから、かなりボヤかし、フェイク満載でお伝えしたいと思います。

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Nくんは、若い頃、ある師匠の元で修行をしていました。

Nくんより先に修行をしている兄弟子もいましたが、師匠に目をかけられているNくんに対する嫉妬とやっかみ等から、Nくんへの風当たりも強く、本人曰く…

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「アイツ(兄弟子)がラオウなら、俺はケンシロウだなww」と(´・ω・`;)ww

勿論

「トキは居なかったのか〜いっww」のツッコミも忘れませんw

※北斗の拳より

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と、そんな兄弟子とは距離を取り、自分の修行の為に、心を無に出来、命を危険に晒してまで、樹海に単身、修行に行く様になったと。

周りの人達には自分が樹海で修行をしているなんて事は話さず、身内にも話した事もなかったそうなので、兄弟子がそれを知るのは何十年も経った後。

(もしかしたら、Nくんの怪異で知る事となったのかもしれませんが…)

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師匠は兄弟子を認めておらず、後を継がせるのはNくんしか居ないと言っていたそうで、それも又、兄弟子のちっちゃなプライドもどきを砕いてしまったのかもしれませんが。

そんな不出来な兄弟子なのに、弟子が何人も出来たそうで(´⊙ω⊙`)

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邪道な兄弟子の教えを受けた邪道な道を行くソレ等の者に、Nくんは嫌悪感しか持てず、冷たい視線を送りつつ、「北斗神拳の継承者は俺様だ」と、本人、ケンシロウになり切って遠目に見ていたそう。

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それが、ある日、兄弟子がやって来て

「お前、樹海で修行しているそうじゃねぇか?

お前でも出来るんだから、俺ならもっと奥地へ行って修行して来るわww」と。

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Nくん、それでも

「中途半端なオメエじゃ無理だ。

やめとけ」と忠告したそうだが

「弟子を何人も連れて行くんだ。

大丈夫に決まってるだろ」

薄ら笑いを浮かべ、Nくんの忠告なんて無視して行ってしまったそう。

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「人数じゃねぇんだよ。

仲間が多けりゃ大丈夫だってもんじゃねぇのに…」

Nくんは、その後、言葉に詰まってしまう。

「何が有ったの?

兄弟子達に何かあったんでしょ?」そう聞くと…

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「半殺しだな。

大の男。

人数は片手より多かったのに…

タマは取られなかったものの、全員が五体不満足になっちまった…」と…。

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人数が多ければ大丈夫だと言う事もなく

自信過剰、過信が悪い結果を招いてしまったのかもしれません。

そんな行いの所為で、兄弟子達は、生涯家族に迷惑をかけ、自分自身が不自由な暮らしを送る結果に…。

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[樹海にまつわるマジでヤバい話〜其のニ〜]

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Nくんの知り合いの若者達の話。

大学卒業間近、その若者達は肝試しに樹海で一晩を過ごす事を決めたらしい。

それは、Nくんから面白可笑しく樹海での話を聞いていた事から、ヤバいけど面白い体験が出来ると思ってしまったそうだ。

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Nくんは大反対したと言う。

「お前等が考えてる以上にヤバい場所なんだから、ぜって〜行くな!

まして、女なんて一緒に連れて行って、最後まで守り切れるのか?

ぜって〜に無理だ!やめとけ!」と。

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若者達は笑いながら、Nくんの手前

「分かった。

普通に卒業旅行にするから。

樹海になんて行かないよww」とは言ったものの、Nくんは一抹の不安を拭い切れなかったと言う。

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そして…

その不安は的中してしまう。

やはり、若者達はそれぞれに彼女を引き連れて、樹海に行き、そこで悲惨な目に遭う事になった…

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知り合いの若者の病室に見舞いに行ったそうだが、兄弟子達の様に足や腕を切断等はされては居ないものの、拷問を受けた身体と心は、これからリハビリでどうにかなるものじゃない様に見える。

同伴していた女の子達は、精神に異常を来してしまった子もいる。

彼氏達は男達に痛ぶられ、拷問されている、その横で、女の子達は男達から強姦をされ続けていたからだ。

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悔しい

悔しい…

と、咽び泣く知り合いの若者。

仇を取りに行くと泣く。

満足に歩く事すら出来ない身体で。

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「命があっただけ、マシだったと思え」

Nくんはそう諭したらしいが、Nくん自身も、腹わたが煮え繰り返る様な思いに囚われていたと言う。

勿論、警察にも連絡し、事情聴取にも来たと言うが、恐らく、犯人が捕まる事はないだろうとNくんは溜息混じりに話していた。

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自殺の名所として名高い、青木ヶ原樹海。(富士樹海)

バードウォッチングやハイキング等、自然溢れる場所。

・・・

だが、そこから一歩、二歩、三歩と踏み込むと、そこはまるで治外法権…

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死を考えた時、あなたは誰かに捕まり、一枚ずつ皮を剥がされ、指の爪を一枚ずつ剥がされ、指も関節毎に切り落とされ、最後は、骨を傷付けない為に、柔らかな腹から切り裂かれ、意識も途絶える事なく、じわじわと痛ぶられ、殺されたいと思いますか?

いっその事、早く殺してくれと懇願までしたくなる様な拷問を受け、ゆっくりと、でも確実に死に向かう…。

そのような死を、選びたいと思いますか?

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安易な気持ちで行ってはいけない場所も、この世にはあるものなんだと思います。

Nくんから聞いた話。

とても長くなってしまいました。

本当は、一番怖かった話を書きたかったのですが…

この話を書き出してすぐに、家で飼っていたオカメインコの一羽が、何の前触れもなく突然死してしまいました。

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Nくんからは、この話を思い出すのもやめろと言われていたのに、Nくんの怪異の元凶がコレではないかと思ったので、それを皆様にお話したかったのですが、かなり悪いモノが関わっている様ですので、もし、感受性の強い人や、Nくん張りに視えてしまう人、感じてしまう人に悪影響が出るのも怖いので、私の中で封印する事にします。

いつか、皆様に話せる日が来れば良いのですが…

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長々と、Nくんの話をお読みくださり、有難うございました。

我儘で俺様で、時には本当にクソ野郎なNくんですが、こうして色々と思い返してみると、結構、面白く可笑しくやり取りしてたなぁ〜と。

彼も、元気になって、相変わらずのつるっ禿げで、鍬を、ナタをチェーンソーを振り回していて欲しいと、心から願っています。

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皆様。

ここで、Nくんの怪異はお終いになります。

7年以上もNくんの怪異にお付き合いくださり、どうも有難うございました。

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