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或る夏休みの晴れた日。
朝から遊んで、お昼過ぎに帰ってきた僕は、とても喉が渇いていました。
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「何か飲むものないかな」
と冷蔵庫を開ける僕。缶のオレンジジュースがありました。
「あ、お父さんがお中元でもらった高級ジュース、まだ残ってた!」
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プシュ!っと開けて飲みました。
やっぱり100%は濃くてうまいな。飲みかけのままキッチンに置いて、TVを見ていたら、遊び疲れて眠くなり、そのまま寝てしまいました。
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数時間、寝ていた様です。
玄関ドアの開く音で目覚めました。
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「ただいまー」と、仕事からお母さんが帰宅です。
「おかえりー」
「あー、暑い暑い…。あ、ジュース残ってるね。飲んで良い?」とお母さん。
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「良いよ。でも何時間も前のやつだよ」
「残すなら冷蔵庫に入れなさいって言ってるでしょ」
と言いながら、残りのジュースを飲むお母さん。
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「…。あれ。やっぱり傷んでたかな。美味しくないね、このつぶつぶオレンジ」
「…え。お母さん、それつぶつぶオレンジじゃないよ」
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「そうなの!?じゃあ何?このつぶつぶ!」
二人で恐る恐る、シンクに残りのジュースを出してみました。
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そこには、何時間もの暑い昼下り、甘いジュースに群がった、真っ黒になる程の蟻の大群が混ざっていました…!
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お母さんがぶっ倒れたのは、言うまでもありません。
作者KOJI