A子の妹は赤い靴が大好きだ。
そして、妹はその赤がよく似合う。
A子にとって、それは気に入らないことだった。
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A子はとても傲慢な女だ、姉とは違い妹は大人しく内向的で大人しい。
そのせいだろう、A子はことあるごとに妹の靴を奪った。
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そんなある日。
A子は、真っ赤な靴を履いて学校に登校してきた。
それは、とても綺麗な赤い靴。
見せびらかすようにみんなに見せて回った、けれど先生に見つかりA子はこっぴどく叱られた。
それに怒ったA子は妹に電話をかけた。
「ちょっと、C美。アンタの靴のせいで怒られたじゃない!どうしてくれんのよ!!」
A子は凄い剣幕で怒った。
「お姉ちゃん、誰に電話してるの?」
その背後から妹のC美が声をかけた、C美はどこか戸惑っていた。
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『うふふふ、バーカ、バーカ』
スマホからそんな声が聞こえた、A子はスマホ投げ蹴り飛ばした。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
C美はさらに困惑する、それはそうだろうA子は何故か踊り出した。
「い、いや、何よこれ。」
A子はなんとか靴を脱ごうとするも、靴は脱げない。
靴に引きずられるように教室の外に出ていった。
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その後、土砂降りの雨の中をA子は走り車に撥ねられた。撥ねられ頭から血を流しながら、足は上半身を引きずるように歩いていたそうだ。
その後、A子は救急車で病院に運ばれたが打ちどころが悪かったようで即死だったようだ。
A子の履いた靴は脱げず、そのまま火葬することになった。
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これは、余談だがあの靴はC美のものではないそう。
ならば、あの靴はいったい誰のものだったのだろうか、そしてA子が妹と勘違いして話していた相手は誰だったのだろうか。
もし、赤い靴を見つけたら御用心を。
二度と脱げなくなってもシラナイヨ。
作者宵月の梟
童話「赤い靴」をモチーフにした怪談です。
悪い子にお仕置きを、みたいな話です。
身内であろうとなかろうと強奪はダメです。