中編3
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F子の地獄耳

小学校を卒業して二十数年・・・

小学校6年生の同窓会をしようという案内状が来た

もちろんS君の所にも来た

「もうびっくりしたよ・・・小学生の同窓会って・・・

ほぼ・・・覚えてないよ・・・」

「俺もだ、F」

「この案内の主催者の名前・・・覚えてない」

「だろ・・・誰だよ?って感じ・・・」

相当暇なんだなと思っていた

とりあえずは出席に〇をつけておいた

開催日は1週間後の日曜日の午後6時の小学校に集合

まぁ・・こっちも暇つぶしにちょうど良い

「アニキたち・・・何を話してるんだぞ」

「いや・・小学校の同窓会をしようという案内状が来たんだよ」

「え・・・中学校や高校は結構やってるんだぞ・・・小学校は・・おっちーー!!

一度もしたことがないんだぞ」

「だろ・・・」

「この主催者の名前をS子、知ってる?」

「おっちーー!!知ってるんだぞ!生徒会長をしてたんだぞ」

「え・・・・あああああ!!!!あいつか・・・思い出した・・・隣の組の・・・

秀才面して性格がむちゃ偏屈・・・」

「あ・・ああああ!!!思い出したよ、S君・・・あいつは・・・ガキの癖になんか大人口調で・・・あいつか・・・しまったな・・・出席に〇をつけてポストへ入れちゃったよ・・・」

「俺もだ・・・・もっと早く思い出してればな・・・」

「俺・・当日はパスするわ」

「俺もそうしよう・・・用事が出来たと言うことで・・・」

ま・・あいつの主催なら・・・ほとんど人は参加しないだろうな・・・・

ところが・・・後日・・・なんと!あいつから電話がかかってきた・・・

背筋に悪寒が走った

「よぉ!久しぶり!!!出席、ありがとな!当日は料理など催しものがあるから・・

それとな・・我らのマドンナだった・・麗子ちゃんも参加するんだよ」

「おい!!それは本当か!学校一のかわいい子だった・・・そっか!楽しみだな」

「まぁ・・正直・・・この同窓会をするのは嫌だったんだよ・・・でもな・・・小学校を卒業してからなかなか会わないだろ・・・一応、主催は俺なんだけど・・・実際はマドンナの麗子ちゃんから頼まれたんだよ・・・」

「そっか!是か非でも出席する!」

「おう!!でわ!当日な!」

早速・・・S君に連絡を・・・・あ・・・・近くにF子がいる・・・

これはあかん・・・あとにしよう・・・・

「パパ!ニコニコして・・・何かいいことあったんだぞ?」

「いや・・別に・・・」

S子のボケたようなツッコミは恐ろしい

気を付けて返事をしないとな

夕食が終わり・・・書斎室でくつろいでいた

S君が来た

「ふぅ・・・撮影も終わったし・・・のんびりしたいな・・・」

「ところで・・・S君・・・いまさっきな・・・あいつから電話がかかってきたんだよ」

「え・・・マジか・・・」

「びっくりしたけどな・・・驚けよ!あの我らのマドンナの麗子ちゃんが出席するんだよ」

「なに!!麗子ちゃん!!!すげぇ!かわいかったよな・・・F…子・・」

嫌な視線が・・・

壁に耳あり・・・・

「なんか視線を感じた・・・」

「俺もだ・・・壁に耳あり・・・」

「うん・・・気のせいならいいけど・・・」

「ちょっと・・・な」

「気を付けないと・・・F子の地獄耳・・・100メートル先でも自分の噂話をしてると飛んでくるからな・・・」

「あ・・・あれな・・・びっくりしたよ・・」

「いいとおもうけど・・・あのな・・・F子よりかわいかったもんな」

「そうそう!!!中学校入る前に引越ししちゃったからな・・・」

「残念だった・・・そっか・・・断然出席するぞ!」

S君とリビングへ行った

女子会がはじまっていた・・・・

おふくろを中心に・・・カナちゃんママ、S子、F子・・・3人娘・・・

なんか・・・最凶のメンバーに見えてきた

よくしゃべる・・・・

「アニキ達・・・小学校の同窓会をするんだって!」

といきなりF子がしゃべってきた

「そうだよ」

「へぇ・・・・そうなんだ・・・麗子さんが出席するからでしょ!!」

私とS君は固まった

壁に耳あり

「私より・・・かわいいって・・・」

さらに固まった

「確かに麗子さんはお姉さんでわたしよりかわいかった・・・2人とも、喜んで出席するんだよね」

もう・・・あかん・・・

女子会全員から白い目・・・・

幽霊より生きた人間のほうが怖い

Concrete
コメント怖い
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