小学校を卒業して二十数年・・・
小学校6年生の同窓会をしようという案内状が来た
もちろんS君の所にも来た
「もうびっくりしたよ・・・小学生の同窓会って・・・
ほぼ・・・覚えてないよ・・・」
「俺もだ、F」
「この案内の主催者の名前・・・覚えてない」
「だろ・・・誰だよ?って感じ・・・」
相当暇なんだなと思っていた
とりあえずは出席に〇をつけておいた
開催日は1週間後の日曜日の午後6時の小学校に集合
まぁ・・こっちも暇つぶしにちょうど良い
「アニキたち・・・何を話してるんだぞ」
「いや・・小学校の同窓会をしようという案内状が来たんだよ」
「え・・・中学校や高校は結構やってるんだぞ・・・小学校は・・おっちーー!!
一度もしたことがないんだぞ」
「だろ・・・」
「この主催者の名前をS子、知ってる?」
「おっちーー!!知ってるんだぞ!生徒会長をしてたんだぞ」
「え・・・・あああああ!!!!あいつか・・・思い出した・・・隣の組の・・・
秀才面して性格がむちゃ偏屈・・・」
「あ・・ああああ!!!思い出したよ、S君・・・あいつは・・・ガキの癖になんか大人口調で・・・あいつか・・・しまったな・・・出席に〇をつけてポストへ入れちゃったよ・・・」
「俺もだ・・・・もっと早く思い出してればな・・・」
「俺・・当日はパスするわ」
「俺もそうしよう・・・用事が出来たと言うことで・・・」
ま・・あいつの主催なら・・・ほとんど人は参加しないだろうな・・・・
ところが・・・後日・・・なんと!あいつから電話がかかってきた・・・
背筋に悪寒が走った
「よぉ!久しぶり!!!出席、ありがとな!当日は料理など催しものがあるから・・
それとな・・我らのマドンナだった・・麗子ちゃんも参加するんだよ」
「おい!!それは本当か!学校一のかわいい子だった・・・そっか!楽しみだな」
「まぁ・・正直・・・この同窓会をするのは嫌だったんだよ・・・でもな・・・小学校を卒業してからなかなか会わないだろ・・・一応、主催は俺なんだけど・・・実際はマドンナの麗子ちゃんから頼まれたんだよ・・・」
「そっか!是か非でも出席する!」
「おう!!でわ!当日な!」
早速・・・S君に連絡を・・・・あ・・・・近くにF子がいる・・・
これはあかん・・・あとにしよう・・・・
「パパ!ニコニコして・・・何かいいことあったんだぞ?」
「いや・・別に・・・」
S子のボケたようなツッコミは恐ろしい
気を付けて返事をしないとな
夕食が終わり・・・書斎室でくつろいでいた
S君が来た
「ふぅ・・・撮影も終わったし・・・のんびりしたいな・・・」
「ところで・・・S君・・・いまさっきな・・・あいつから電話がかかってきたんだよ」
「え・・・マジか・・・」
「びっくりしたけどな・・・驚けよ!あの我らのマドンナの麗子ちゃんが出席するんだよ」
「なに!!麗子ちゃん!!!すげぇ!かわいかったよな・・・F…子・・」
嫌な視線が・・・
壁に耳あり・・・・
「なんか視線を感じた・・・」
「俺もだ・・・壁に耳あり・・・」
「うん・・・気のせいならいいけど・・・」
「ちょっと・・・な」
「気を付けないと・・・F子の地獄耳・・・100メートル先でも自分の噂話をしてると飛んでくるからな・・・」
「あ・・・あれな・・・びっくりしたよ・・」
「いいとおもうけど・・・あのな・・・F子よりかわいかったもんな」
「そうそう!!!中学校入る前に引越ししちゃったからな・・・」
「残念だった・・・そっか・・・断然出席するぞ!」
S君とリビングへ行った
女子会がはじまっていた・・・・
おふくろを中心に・・・カナちゃんママ、S子、F子・・・3人娘・・・
なんか・・・最凶のメンバーに見えてきた
よくしゃべる・・・・
「アニキ達・・・小学校の同窓会をするんだって!」
といきなりF子がしゃべってきた
「そうだよ」
「へぇ・・・・そうなんだ・・・麗子さんが出席するからでしょ!!」
私とS君は固まった
壁に耳あり
「私より・・・かわいいって・・・」
さらに固まった
「確かに麗子さんはお姉さんでわたしよりかわいかった・・・2人とも、喜んで出席するんだよね」
もう・・・あかん・・・
女子会全員から白い目・・・・
幽霊より生きた人間のほうが怖い
作者名無しの幽霊
F子の地獄耳
恐ろしい
当然、同窓会には出た
結構・・・おじさんおばさんになってた
お子さんを連れてきた人もいた
子供の時の思い出話になり結構盛り上がった
麗子さん・・・やはり美人になってた
お子さんが2人いるという話
S君と一緒に麗子さんの話の輪に入った
なかなか子供の時は話せなかったけれどやっと話ができた
麗子さんから妹のF子のことについていろいろと聞かれた
写真集を必ず買っているという話だ
「F君・・・妹さん、本当に綺麗だもんね・・・小さくてかわいい子だったもんね
わたしね、写真集が出たらすぐに買いに走るのよ・・・子供たちと一緒に見てるのよ・・・」
「そうなんだ・・・ありがとうね、麗子さん・・・F子にはそう言っておくよ」
夢のような時間が過ぎていった
家へ帰って夕食時に同窓会の話をした
「アニキ!!!結構、鼻の下伸ばしたでしょ!すごく美人になってたでしょ!」
「え・・・・は・・・まぁ・・・」
「パパ!Sアニキも・・・鼻の下伸ばして・・・もぅ!!!」とS子の怒った顔
「実は麗子さんとは1週間前に会ったのよ・・・はじめは誰かな?と思ったけれどFアニキの同級生と言ってきたのですぐにピンときたよ・・・私の写真集を買ってるって話してくれた・・・本当に綺麗な人・・・Sアニキ!・・・もしかしたら?」
「え?いや・・・何を言うか!お・・・俺はF子しか見てない!」
「アニキ・・・目が泳いでるよ!」
女子たちの勘の良さ・・・
生きた女子ほど恐ろしいものはない