久しぶりにS子と3人娘と駅の商店街で買い物をした
お昼の食事を終わり午後からも買い物を続けた
やはり駅前は賑やかだ
新しいお店がたくさんある
3人娘の服を買いあさりそろそろ帰る時間
ふとわたしはビルの隅っこで開いているお店を見た
(占いか・・・はぁ・・・)
「あ!パパ!あそこに占いのお店があるんだぞ!入るんだぞ」とS子の大きな声
(うわぁ・・いつものS子の悪い癖が・・・)
「占いなどインチキだよ・・・お金の無駄・・・帰ろう」
「パパ!!ダメダメ・・・ちゃんと見てから言うんだぞ!!」
S子に引っ張られて占いの店へ・・・
「いや・・待て待て・・・俺は入らないからS子たちだけでな」
「パパ!!一緒に行こうよ」
楓の口車に乗せられて・・・
お店はTVで見るような占いのお店・・・・
(ああぁ・・・案の定・・・こりゃインチキだぞ)
お店の入り口前はTVでよく見た感じだが・・・奥へ行くにつれて・・・なんかどこかで見た気がする・・雰囲気がどこかで・・・・
「いらっしゃい」と明るい声
「おっちーー!私を占ってほしいんだぞ!!」
「はいはい・・・」
「パパ・・・ちょっと・・・」と楓が私の耳元で囁いた
「パパ・・・わたし・・・」と楓が私の後ろへまわった
はじめてだ
人見知りしない楓がこの占い師を見たとたんに後ずさりした
私の後ろから占い師をじっと見ていた
占い師は目だけを見せていた
何となく不思議な雰囲気を醸し出していた
なんとなくだけど年齢は30代前半のような気がする
「すごいんだぞ、あたってるんだぞ」と興奮した声が響いた
私はふと・・・この雰囲気は・・・そう・・・楓の・・・未来の老婆の楓の占いのお店の雰囲気に似ている・・・いや・・錯覚かもしれないけど・・・
S子のびっくりした顔と声
「パパ!すごいんだぞ、すべて当たってるんだぞ」
楓の様子がおかしい
占い師をじっと見てる
「どうした、楓」
「パパ・・・わたし・・・あの占い師・・・気になるよ」
「気になる?何が?」
「う・・・わからないけど・・・あの占い師の目は・・本物の目だよ」
「本物の目?意味が分からないよ」
楓が言った「本物の目」とは理解できなかった
「うん・・パパは霊感が無いからね・・・私ね・・・あの占い師・・というか・・・
あの目は・・・霊媒師の目だよ・・・じいちゃんの目と同じだよ・・・本物だよ・・・
ママが興奮するのわかる・・・占い師じゃない、霊媒師だよ、パパ」
「え・・・霊媒師・・・占い師じゃないのかい?」
「うん・・・占い師のお店だけど霊媒師・・・だから未来のことはわかるんだよ・・・
じいちゃんと同じ力を持ってるよ・・・すごいよ・・・」
楓の言ってることは何となく理解はできるがまだ信じてはいなかった
「こりゃ・・・あなたがたの家は・・・言いにくいんじゃが・・・幽霊屋敷だね・・・
お化け屋敷だね・・・」といきなり言い出した
みんなびっくり
「2階の廊下は・・・こりゃ・・・霊道じゃないか・・・結構な数の霊が通っているのが見える・・・」
「え・・・・」
「だいぶ・・・お化けたちと経験してるね・・・・」
「すごい・・・すごいんだぞ」
「う・・ん・・・楓ちゃんと言うのかね・・・」
一同、動きが止まった
「楓ちゃんの背後には・・・4人の先祖の守護霊がついているね・・・」
「守護霊?・・・楓にですか?」
「そうじゃで・・・すごい力で守られておるのぉ・・・」
「どうして・・うちの娘の名前を知ってるんですか?」
「見えるんじゃよ・・・過去から未来まで・・・あなたかたは・・・財閥系のお家柄じゃな・・・楓ちゃんの守護霊の一族じゃな・・・」
見事に当たっている
なんだ、この占い師は・・・・
「お・・・こりゃ・・・驚いた・・・神様の一族でもあるよな・・・オヤジ様の系統だな・・・オヤジ様もすごい力をお持ちじゃな・・・でも・・・楓ちゃんには負けるかな・・・なるほど・・」
この占い師(霊媒師)は私たちの家族の事や家の事など90%位言い当てた
いったい何者だろうか・・・(残りの10%は単に今日のメンバーは知らないことなのかもしれないけれど)
一瞬・・・若い時(30代)の楓なのかと思った
でも・・・楓の癖が全然ない
親だからわかる子供の癖
といつつ・・・老婆の楓は本当にわからなかった
なんで・・私たち家族の事を言い当てることができたのか・・・
この占い師に代金を払い店を出た
S子と3人娘たちは占い師の事でおしゃべりをしていた
本物の?占い師なのか・・・
家に帰りオヤジに占いの店で起きたことを話をした
オヤジが珍しくびっくりしていた
残りのおよそ10%はやはりおやじやおふくろの事だった
ほぼ99%もあの占い師は言い当てた
「じいちゃ・・・その占い師の目つきね、じいちゃんと同じ目をしてた
私が感じたのはすごい能力を持ってるんじゃないかとなと思ってる
」
「そっか・・・俺と同じ目か・・・何者なんだろうな・・・」
夕食の時も占い師のことで盛り上がった
夕食も終わり
オヤジと3人娘と私は仏間へ行った
「どうもよ・・・なんであの占い師が俺の小さいときのあだ名を知っていたのか・・・俺のオヤジやおふくろしかそのあだ名で俺を呼んでいた
まるでその場所にいたみたいな感じだな」とオヤジはつぶやいた
オヤジもびっくり
「オヤジ、明日、その占いの館へ行くか?」
「そうだな・・・」
「じいちゃ・・・私も行くよ」
「あたちも行くんだぞ」
「カナ・・も」
翌日にその占いの館へ行った
「ここだよ・・・」
「そっか・・・」
どうもオヤジの様子がおかしい
「いらっしゃい・・・お待ちしていました」
「え?・・・」
「今日、来ることはわかっていました・・・」
「はい?・・・」
「未来が見えるんですよ」
「そうだろうな・・・俺は未来のことは全然見えない・・・」
「でしょうね・・・自ら封印なされましたからね」
「まぁな・・・未来を知ってもな・・・虚しいだけ」
「ですよね・・・でも・・・未来を知れば己の生き方も変わりますよ」
「変わる・・・わけないだろ・・・運命は一つだぜ・・・もう決まってる運命を変えることはできんよ・・・」
「ですよね・・・だから自ら封印なされましたんですもんね」
「そういうことだよ・・・さてと・・・ペテン野郎、もうそろそろ本性を現したらどうだ?」
「いやいや・・・私はペテンなど・・・単に占いが好きでお店を開いてるだけです」
「ふぅ・・・占いが好き・・・やめろよ、人の人生をもてあそんで何が楽しい?」
「弄ぶなど・・・・単に占っているだけです」
「占ってるだけ?・・・100%的中してるのにか?占いってもんは適当に当てるもんだろ・・・それが本当の意味での占い師の仕事だろ・・・貴様は占い師ではなく死神だよな!」
「え??・オヤジ・・・」
「あ・・・こいつはな死神なんだよ!だから未来が見えるんだよ、人の死には特にな」
「いやいや・・・死神だなんで・・・私は単なる占い師・・・」
「いい加減、やめろよ、もうわかってるんだから」
「オヤジ殿も一種の死神ではないですか・・・私とどう違のでしょうかね」
「全然違う、貴様は魂を抜き取るのが仕事、俺は魂を浄化させるのが役目だ・・・
それが一族の仕事だ・・・貴様のような人の死を願う輩とは違う」
「オヤジ殿・・・さすがですね・・神の一族ですね・・・せっかくここで人の魂を抜き取ろうかと思っていましたけれど「神」に見破られたのではそれもできなくなりました・・・さてと・・・」
占い師はさっさと奥の部屋へ入っていった
「せがれ・・・帰ろうか・・・」
「え・・・そうだな」
「せがれ・・・お守りをドアノブにつけていけ・・・それとこの薬をここへ置いていけ・・帰ろう」
「ここにお守りと・・・ここへ薬だな・・・」
占いの館を出た
入り口でオヤジは館に向けて呪文を唱え始めた
「これでよし・・・あいつは今頃、自分の世界へ戻っていったはずだ」
「オヤジ・・・」
「俺には死神を浄化させる力はない・・・今回はすぐに正体がわかったからよかったものの・・・もしこのままこのお店であいつが占ってると占った奴の魂が1週間後に抜き取られて死んでしまう・・・」
「そ・・そうなんだ・・・よくわからんけど・・・」
「わからんほうがいい・・・わかってもどうしようもない・・・まだ相手が死神だからよかったもののもし魔物ならむずかしいというか俺の力では無理だな・・・」
「死神も魔物も一緒だろ?」
「全然違うぞ・・・」
「そっか・・・違うんだ」
「パパ・・・は特に気をつけないといけないよ・・・いつもボォーとしてるから・・
」
「え・・・楓・・・」
やはり・・風の噂で・・・あの館で占った人たちは不幸になったんだと商店街での食事中に聞いた
やはり・・占いはあたりも八卦はずれも八卦がいいのかも
作者名無しの幽霊
いやはやびっくり・・・死神だった
オヤジの眼力はすごいな
楓もうすうす気づいていたらしいが決め手がなかったようだ
占いなど遊び加減で丁度よい
真剣に占い師の話を聞くと魂を抜き取られるかも