これは私達が遠出した時の話です。
nextpage
私『ねぇ待って運転荒すぎ死ぬ死ぬ吐く』
運転するのはRのお父さん、
私は元々酔いやすかったけど
まじであれは思い出すだけで吐きそう、って思うくらい運転が荒かった。
R『お前もう寝てろよ』
私達が騒いでいる中、Yは寝息を立てて寝ていた。
私『無理私昨日夜8時に寝た健康体だぞ』
R『いっつも一時に寝とるやんなんでこんな時だけ8時なん!?』
私『眠かったんやもん』
そんな会話をしながら
私達は現在の目的地、山へと向かった。
車は、「陽炎でアスファルトが揺れている道」を進んでいった。
そのままハイキングは特に何もないまま、
進み頂上に行って絶景を見ながら休憩した。
nextpage
帰り道、誰かが私達が乗ってきた真っ黒な車の、ボンネットの上に乗っていた。
R『…水着?』
そう、そこに載っていたのはRの言う通り、
水着を着ていた女の子だった。
女の子は私達が戻ってくるのをまっていたかのように私達を見つけてはすぐに駆け寄ってきた。
因みにRのお父さんさこの時タバコを吸っていた。
女の子「ねぇ、お姉さんたち、」
Y『…』
Yは怪しげな表情でなにかを考えてて、
私はなにか引っかかる、とかそんなこと考えてた。
R『どうしたん?』
Rは私達が何も言わない様子をみてから女の子に聞く。
女の子「ここの近くの〇〇駅まで連れてってくれない?」
私は引っかかったものの正体がわかってあっ、と小さく声をこぼした。
私『…そーだね、私達の車、荷物とかいっぱいあって無理なんだよね…』
R『…?いや、Yが寝っ転がらずに寝てたら1人分くらいスペース…』
Y『無理なもんは無理だ』
Y『…すまんが、私達の車はホントに空きが無いんだ。』
Y『だから乗せてやれない、他当たれ』
私『Rお前はよ入れ!!!』
R『えぇ!?なんでぇ!?』
Y『…はよいくぞ』
R『え、父さん呼んでくるからまってろ』
Y『私呼んでくるから』
そう言うとYはすぐに走っていった。
…もちろん、私はすぐにRからの質問攻めにあったが、全て無視した。
理由は簡単。
本人の前で言ったら襲われそうだしなんとなく怖いだろ。
その間もその女の子はずっとこちらを見ていた。
YとRのお父さんが戻ってくるとRのお父さんはすぐに車に入って車を進ませた。
nextpage
少し進んだところでまたRが質問してきた。
R『…なぁ、なんであの子乗せなかったんだよ』
私『…窓の外見てみ』
R『行きもだったけど道路揺れとるよな、なんで?』
私『これは陽炎っつって、直射日光で熱せられてる地面の上とか、焚き火とか…まぁそーゆーのを通して遠くをみるとゆれたり見える気象現象。』
R『…ほーん、で?』
私『…お前理解してる?』
R『舐めてんのかそんな細々と説明されたら理解できるわ』
私『まぁもっと言うと空気がどうちゃらこうちゃらなんだけど、』
私『気になるんだったらYにきけ』
Y『私に振るなよ』
R『で?続きは?』
私『あー、はいはい』
私『私達の車、真っ黒だろ?』
R『おん』
私『黒って日光集めやすいいろじゃん?』
R『…まぁ、そうだね』
私『こんな陽炎が出るほど熱い日に普通、真っ黒の車のボンネットに座る?』
私『それも、水着で』
R『…』
私『それと、もう一つ。』
私『あの子は水着でどうやって山にきたんだ?両親はあの子の話を聞く限りいなさそうだし、』
私『…まぁ、ここまで話したら分かるよね。』
R『…あの子は、人間じゃないってこと?』
Y『…なんでこっちみるんだよ、んなこと知るか』
私『…てか、Yさぁ、』
Y『?』
私『他の人に当たれって言わなかった?』
Y『…あ』
R『こりゃ次の被害者がでるな』
Y『頭まわる奴だったらいいな、そいつ』
私『ついでに気の利くやつ』
R『てか、あの子なんで水着だったんだろうな』
私『後で幽霊に聞きに行けば?私は寝るけど』
R『…私も遠慮しとくよ』
作者つむぎ