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タルパさんの語り11(同僚の事)

中編3
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タルパさんの語り11(同僚の事)

皆さんご無沙汰しています

夏も終わり、現在存在しない記憶を執筆してるのですが、引越し準備に部屋を片付けているタルパさんが古い携帯電話を見つけたそうです

その携帯電話をみて思い出した噺を聞かせてくれました

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それはある夏の出来事でした

当時タルパさんは、警備会社の寮に住んでいました

C県I市にあったんですが、古い建物でねぇ

玄関のドアなんか磨りガラスの横にスライドさせるドアだった

お風呂、キッチン、トイレが共同でね

タルパさん、それが嫌でね当時付き合ってた女性の部屋に転がり込んでた

家賃は給料から天引きされてて、寮の部屋は荷物置き場に使ってたんですよ

ある日ね、仕事終わりに別の女の子と遊んで、知り合いと飲んで昼間

一緒に住んでた彼女がものすごく嫉妬深い

タルパさんが朝帰りしようもんならもの凄く怒るんですよ

そんな理由からタルパさん、その日から数日寮に帰る事にした

最寄りの駅に着いた時、タルパさん思ったんですよ

嫌な空模様だなぁって

確かに雲はどんよりしてる

でもね、それだけじゃない

何かざわつく

そんな事を感じながら、寮まで歩いていると案の定雨がぱらつき始めた

本降りになる前に寮にたどり着いたタルパさん

玄関開けるとね、土間に同僚のOさん(仮名)が座ってた

なんだか顔色悪くて、体調良く無さそうに見えた

タルパさん『Oさん。こんなとこに座ってどしたの?』

Oさん「いやね。俺、日勤専門なんだけど、今夜夜勤に出ろって言われてね。行きたく無いなぁ…」

タルパさん『そうなんだ。今夜は雨中(雨天中止)じゃ無いかなぁ少し雨ぱらつき始めたよ』

Oさん「そっかぁ。そういえばタルパ君は〇〇(企業名)の職長だよね。だったら今夜は休みだね」

タルパさん『うん。Oさんも今夜現場あるならカッパ持って行きなね』

そう言ってタルパさんは階段を上がり自分の部屋に帰りました

それから2,3日後

タルパさん夜勤だったんですよ

その日は平日なのにお休みでお酒飲んで、うとうとしてた

でも、外が騒がしい

複数の歩く音とかしてる

イラっと来たので一言文句でも言おうと外に出ました

タルパさんの斜向かいの部屋の前にスーツ姿の男性が立っている

タルパさんが名乗って文句を言うとそのスーツ姿の男性が

「あぁ、タルパさんですか。騒がせしてすみません。××(地名)支社の内勤の者です。実は今支社からこの部屋の鍵を取り寄せてまして…」

タルパさんね。他の支社にも名前が届いてるんですよ

そして、目も冴えてしまった事で近所のコンビニでお酒と弁当を買いに行くことにしました

コンビニに行くと馴染みの店員さんが居てね

タルパさん1時間位話し込んで帰ると、寮に横付けされた車がありました

それを見てタルパさんねピンと来てしまった

そう。タルパさんの斜向かいの部屋Oさんの部屋なんです

あの車は警察の車だなぁ

あぁ、あのおっちゃん死んじまったんだろうなぁ

死因なんなのかなぁ

なんて考えてた

部屋に戻ると案の定Oさんの部屋が開いてた

野次馬根性で入口にいる警察関係者に

『見てもいいっすか?』

言ったそうですよ

当然見れなかったんですけどね

刑事さんが寮の方に話しを聞きたいって言ってもタルパさん

酒飲んで飯食うから最後にしてくれなんて言ったんです

タルパさん刑事さんに2、3日前に土間に座ってて話した事を言いました

「なるほど。最期を看取ったの貴方かもしれませんね」

言われたそうです

警察関係者が帰り、玄関先で寮生が集まってた

Oさんね、内臓の疾患を持ってらしたんですね。

部屋の真ん中で大の字て倒れてた

でもね

寮に住んでた方はみんな2週間前にOさん見たのが最後って言うんですよ

そう。タルパさんおかしな事に気付いた

特にタルパさんが居た会社は、急に居なくなる人が居た

内勤の人間はその人と1週間連絡が取れなかったら動くんですね

分かりますよね

タルパさんが2、3日前に見た時、仕事の話ししてます

つまり、内勤の人間がそんなに早く動くわけが無いし、Oさんの部屋タルパさんが帰ってから毎日電気ついてた

タルパさん言ってましたよ

『俺はあのおっちゃんと別段仲良かったわけじゃ無かったんだけどなぁ。あんな暗い午後には、あのおっちゃん現れるのかな』

タルパさんとの会話も意味不明ですよね

俺が聞いたのはこんなお噺でしたよ

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タルパ さんへ。
どちらかと言えば不思議な噺よね…

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