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中編5
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夜釣り

例のオヤジたち悪3人組

その中の一人が釣りが趣味という酒屋のオヤジ

その酒屋のオヤジに夜釣りの誘いを受けたらしい

オヤジはあれでもオタクなんだよな

釣りは趣味じゃない

ましてや川での夜釣りはオヤジとしては行きたくないとぼやいていた

川や海の夜は非常に危険と知ってるからね

しかし、まぁ・・・昔からの悪たれからの誘いだから一応は乗った

それで私もついて来いと言ってきた

「嫌だね」と断ったがしつこくされた

自分も夜の川や海は行きたくない

ついでに孫娘たちにも声をかけていた

もちろん3人娘たちはすぐに了承したけど

一人で行けばいいのに

仕方ないから私もついていくことにした

山の上流での川釣り

もちろん周りは真っ暗

本当に不気味

オヤジと酒屋のオヤジは釣りの準備を始めた

オヤジは釣りが初めてだから聞きながら準備をしていた

私たちはそれを見ていた

オヤジが釣り針に餌を付けるのに四苦八苦していた

「なんか・・・うまくいかんぞ・・・なんか気色悪いし」とつぶやいていた

「俺はもうちょっと離れた場所へ行くからな」と酒屋のオヤジは20メートル離れた場所に座った

何とか釣り針に餌を付けて釣竿を振った

酒屋のオヤジの方はもすでに釣れていた

オヤジの方は全然

ウキが沈みもしない

午後8時ごろから釣りを始めた

後ろは道路になっててたまに車が通って行った

川のゴォゴォという流れの音だけが響いていた

「じいちゃん・・・釣れないね」と楓がボソッとつぶやいた

「あはははは・・・・」とオヤジは苦笑い

ラジオを聴きながらウキが沈むのを待った

全然釣れない

オヤジはもともと短気

釣りなどという長い時間待つというのが苦手

ついにオヤジは竿を上げた

釣り針には餌が付いていなかった

「餌は・・・ちっ・・・」と言いながらもう1度餌を付けて釣竿を放り投げた

背後で娘たちのおしゃべりが始まった

オヤジのイライラが伝わってきた

「ちっ・・・釣れん」

ふと私は酒屋のオヤジがいる方を見た

いない

「オヤジ・・・酒屋のオヤジがいないぞ」

「え・・・ほんとだ・・あいつどこいった?」

周りを見ても酒屋のオヤジの姿がない

私は今さっきいた場所へ行ってみた

確かにここで釣っていた

どこへ行ってしまったのか

「おーーい!!○○(酒屋のオヤジの名前)、返事しろ」と周囲に聞こえるように大きな声を出した

シーーン

返事がない

オヤジはスマホで呼び出した

返事がない

というか圏外になっていた

そんな馬鹿な

それほど山奥へ入っていない

ここから車で20分ほどに集落があるしコンビニもある

電波が届かないとは思えない

酒屋のオヤジの車もそこにある

釣り場所を変えたのかな

オヤジは釣竿を川に入れたまま探し出した

どんどんオヤジは上流の方へ行った

「パパ・・・おじさんいなくなったね、どこ行ったんだろ・・・あのね・・・今さっきからこの周辺にザワザワと何かの気配を感じるんだよ・・・」

「え・・・ほんとうか・・・やばいな」

オヤジに伝えようとしても娘たちを置いてはいけれないし困ったな

オヤジが戻ってきた

「いねぇな・・・下流の方を探してくる」

しばらくするとオヤジのでかい声が聞こえてきた

何かやばいことになってる

オヤジが酒屋のオヤジを連れてきた

見ると酒屋のオヤジはびしょぬれ

相当疲弊していた

「こいつ・・川の中へ入っていた

びっくりしたぞ・・・」

「すまんな・・・」

「おい・・何で川に入っていたんだよ・・・あそこも釣りするのにいい場所なのか?」

「いや・・違う・・・あのな・・調子よく釣れていたんだよ・・・たまにそっちの方を見てた・・・ふと・・耳元で何か聞こえてきた「おいでおいで」と聞こえたような気がしたんだよ・・・その声をする方向へ体が勝手に動き出したんだよ・・・気づいたら川の中に入っていた、おまえが声をかけてこなかったらおそらく溺れてたとおもう・・・一体何か起きたのか自分でもわからんよ」

「こりゃあかんぞ・・・もう帰るぞ・・・やばいぞ」

「そうそう、楓がザワザワと感じると言ってた・・やばいかも」

「じいちゃ・・・このあたり・・・すごい人数の気配がするよ・・・」

「せがれ・・帰るぞ」

急いで帰りの支度をして我が家へ帰った

酒屋のオヤジを風呂へ入れた

「寒い寒い」と言ってたから

カップラーメンに湯を入れた

酒屋のオヤジが出てきた

体調が悪そうだ

「カップラーメンあるぞ、食べろ」とオヤジは勧めた

「ありがとよ・・・」と言いながらカップラーメンを食べた

「体調はどうだ?」

「あかん・・悪寒がする・・風邪を引いたかな・・・」

風邪じゃない・・・霊を連れてきたようだ

「オヤジ・・あかんぞ・・・霊をつれてきたみたいだ、どうするんだよ」

「どうしようもない・・・仕方ない」

オヤジは酒屋のオヤジを連れて二階へ上がった

酒屋のオヤジを廊下に座らせた

「おい!てめぇら!!こいつについてる霊をおまえらが連れていけ」

え・・・オヤジ・・・

「いつもいつもおまえらがここを通るたびに騒音がひどいぞ!お詫びとして連れていけ」

ガタガタ

カーーンカーーン

ラップ音が響いた

「なんだお前ら、拒否するのか!いいのかこの俺様を怒らせたらどうなるか!!」

シーーン

一気にラップ音が消えた

「よし!!連れていけ」

カーンカーン

タンタン

ラップ音が再びしだした

「オヤジ・・・無理なんじゃないのか」

「無理も何もこいつらに連れて行ってもらった方が早いんだよ」

ガタガタ

パタンパタン

トタトタ

廊下のラップ音がすごい

「なんか・・・逃げていくような気がするけど」

「ちっ・・・こいつら・・・無責任な・・・」

「無責任って・・・押し売りじゃないかよ」

「おう!逆らいやがったな!!!おまえら、連れて行けよ、じゃないと俺マジになるぞ」

ガタガタ

カタカタ

トントン

「なんかさぁ・・・怯えてるような気がするんだけどな・・・」

「そっかぁ・・・無責任な連中だな」

酒屋のオヤジの顔がどんどん悪くなってきてる

「やばいな…オヤジ」

「こりゃあかん・・・こいつらを強制的に呼び込もう」

「え・・・大丈夫か」

「てめぇら!!マジで怒ったぞ、遠くへ逃げてもあかんぞ、諦めて俺のところへ来い」

タンタン

トントン

なんとなく廊下を歩く音がした

「よぉし!集まってきたな・・・そいつを連れていけ・・・」

トントン

タタタ

足音が遠ざかっていく

酒屋のオヤジの顔がどんどん良くなっていった

「よぉし、成功だな」

翌日、酒屋のオヤジの車を取りに行った

窓ガラスに無数の手形がついていた

Concrete
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