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短編2
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僕がまだ幼かった頃に、○○○が死んだ。

悲しかった。

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ちょうどその時、飼っていたハムスターが子どもを産んだ。

父さんは僕の頭を撫でながら、

「それはきっと、○○○の生まれ変わりだよ」

と言った。

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幼いぼくは、「○○○はこんなに小さくなったんだ」と不思議に思ったけど、それでも嬉しかった。

だから、大事に大事に育てた。

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そんなハムスターもやがて死んだ。

悲しかった。

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でも、ちょうどその時、飼っていた猫が子どもを産んだ。

父さんはまた僕の頭を撫でながら、

「それはきっと、ハムスターの生まれ変わりだよ」

と言った。 

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そういうことか、と僕は思った。

嬉しかった。

だから、大事に大事に育てた。

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猫は長生きしたが、やがて死んだ。

僕は高校生になっていた。

ちょうどその時、飼っていた犬が子どもを産んだ。

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僕は、上京で実家を離れるまで、大事に大事に犬を育てた。

上京してからも、毎日のように父さんに、犬は元気かとメールをした。

年に数度帰省するときは、ずっと一緒に過ごした。

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そんな犬も年老いて、今、僕の腕の中で瞼を閉じた。

「ありがとう」

僕は犬に声をかけた。

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涙を流す僕の肩を、優しく抱き締めてくれる腕があった。

僕の婚約者だった。

「ありがとう」

僕は、彼女にも礼を述べる。

彼女のお腹には、新たな命が宿っていた。

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――さあ、これで準備は整った。

幼い日、父さんは言った。

生まれ変わりだよ、と。

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ハムスター。

猫。

犬。

そして――。

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途切れることなくつないだ輪廻の輪は、ついに結実した。

「再び」、人の形へと。

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生まれておいで。

やっとまた会えるね。

おかえり、

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母さん。

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